シェーンコーポレーションがBtoB ECで英語教材独特の販路に合わせた機能を充実
〜コストを抑えた言語表記切り替えや部分的なクローズドページの実装〜
〜コストを抑えた言語表記切り替えや部分的なクローズドページの実装〜
英会話教室で有名な株式会社シェーンコーポレーションは、2020年4月にグループ会社である株式会社ネリーズの英語教材の小売・卸事業に係る事業と統合しました。
現在のネリーズはシェーンコーポレーションの一事業部として、今まで以上にお客様へのサービス向上を図りながら、洋書・海外出版社の書籍を中心とした英語教育に関連する教材の販売、出版を行っています。
今回は事業統合以前より運営されていたECサイト「英語教材専門店ネリーズ」をリニューアルされた背景や目的、機能面、効果、現在目指していることなどを株式会社シェーンコーポレーション 岡芹 史浩 氏と山ノ内 貢 氏にお話しいただきました。
左から
株式会社シェーンコーポレーション 山ノ内 貢 氏
株式会社シェーンコーポレーション 岡芹 史浩 氏
・以前は一方通行だった販売間ルートが、得意先はECから販売管理へ流すことができ連携がスムーズに。
英会話教室で有名な株式会社シェーンコーポレーションは、2020年4月にグループ会社である株式会社ネリーズの英語教材の小売・卸事業に係る事業と統合しました。
現在のネリーズはシェーンコーポレーションの一事業部として、今まで以上にお客様へのサービス向上を図りながら、洋書・海外出版社の書籍を中心とした英語教育に関連する教材の販売、出版を行っています。
今回は事業統合以前より運営されていたECサイト「英語教材専門店ネリーズ」をリニューアルされた背景や目的、機能面、効果、現在目指していることなどを株式会社シェーンコーポレーション 岡芹 史浩 氏と、山ノ内 貢 氏にお話しいただきました。
株式会社シェーンコーポレーション 基本情報
<社名>
株式会社シェーンコーポレーション
<設立>
1983年4月
<資本金>
9000万円
<事業内容>
語学教室(シェーン英会話スクール)の経営
オリジナル教材の制作
教育機関、企業等における英語研修の受託
4つあったサイトを統合し、コスト削減と管理の一元化
ECサイト「英語教材専門店ネリーズ」をリニューアルした背景と目的を教えてください。
山ノ内氏:リニューアル以前はECサイトが4つ別々に存在していました。
「一般ユーザー向け英語教材販売サイト」「ブリティッシュ・カウンシルという公的団体の生徒向け英語教材販売サイト」「大学の生徒向け英語教材販売サイト」「シェーン英会話のお客様向け英語教材販売サイト」の4つECサイトを管理する上で、コストやサポート費用が別々に発生するという課題がありました。
また弊社の業務上、販売管理システムとECとの連携が必要なため、リアルタイム在庫との連携をいかにスムーズに行えるかはもう一つの課題として認識していました。
ecbeingを選定された理由を教えてください。
山ノ内氏:システム選定は複数の会社とのコンペで決めさせていただきました。
ecbeingさんを選ばせていただいた理由としては、会社規模による安心感とプレゼン内容の説得力があったと感じています。
また当時セキュリティ事故も話題に上がっていたため、セキュリティが充実しているという観点からも選ばせていただきました。
実際、構築後のサポートも質問や何かあれば迅速に対応して頂けるため満足しています。
岡芹氏:構築後のサポートで言えば、当時弊社側の無茶な要求や仕様を理解しきれていない中での質問に対して、一つひとつできることとできないことを明確に対応してくれた印象があります。
弊社側としても、システムに対する知見や理解が明確になり施策や今後の戦略を考える上で大変助かっています。
2面性のある販売経路とターゲットが探しやすい言語・コード表記
リニューアル以前から搭載されている、英語表記切り替えの機能についての目的を教えてください。
岡芹氏:業界的に英会話学校の事務員は日本人の方が一定数いらっしゃいますが、先生や運営をされているオーナーの方々はネイティブの外国の方が多いです。
その中で外国の先生が自分で教材を選んで買いたいという要望もあり、英語での表記を希望される方が少なからずいらっしゃいました。
そういったこともあり、お客様のためにECサイトだけでなく実はカタログも日本語と英語のバイリンガル表記にするというコンセプトをもって英語表記切り替えの機能を搭載しています。
システム的には当初外部ツールを使用する案もありましたが、見積もりを取るとコスト的にも現実的ではないことがわかりました。
また、自動翻訳ツールも検討しましたが、英語教材という独特の商材ということもあり、いまひとつニュアンスが伝わらない翻訳になり手直しが必要な状況でした。
ニュアンスをちゃんと伝えるというのは実はかなり重要で、内容を多少変えてもネイティブの外国人の先生が見た時に普段から使っている表現にしないと怪しい英語で認識され信用度がガクッと下がってしまいます。
そのため、当時社内にネイティブの外国人の方がいたこともあり、全てではないですが必要なところはこちらで翻訳して掲載できるよう、ecbeingの管理画面に日本語だけでなく、英語の入力もできるエリアを設けていただき、最終的にコスト・クオリティ・納期を満たすことができました。
ISBN(国際標準図書番号)を連携し商品に紐づいて表示されていますが、活用法を教えてください。
山ノ内氏:ISBN(国際標準図書番号)は洋書問わず書籍を特定する上で世界的に定められた非常に大事なユニークコードです。
ISBNと商品を紐づけるために、アイトピックスという基幹との連携を実装しており、システム的にはecbeingの商品コードで連携を行っています。
ただ、お客様が商品を検索される際はISBNで調べられる方も多く、弊社も商材上、シリーズ物が多いのでタイトルで調べるよりもISBNで調べるため、ISBNをサイト上では表示しています。
商品詳細画面
クローズドされた大学への販売専用ページを今回のサイトの中に2面性を持つような形で統合するに至った経緯や戦略について教えてください。
岡芹氏:別々で存在していたサイトを統合する目的は別々に発生していたコストを抑えることと管理の業務効率を上げることですが、そもそも別々でサイトを持っていた経緯でいうと、例えば同じ書籍が在庫されていて、大学向けにその書籍を一定数確保していたとして、一般の方が注文した場合に大学向けに確保していた在庫が取られてしまうという現象が生じることがあります。
そういったことをなくすために、サイト自体を分けてデータ上、それぞれに在庫を引き当てておく必要がありました。
また大学向けの場合、商品の割引率やどこの方が購入したかを把握するために入り口を分け、商品と注文の管理をそれぞれで行っていました。
それがecbeingさんでは複数倉庫管理対応ができているため、一つの商材でログインユーザー別に入り口を変えて必要な在庫を必要な倉庫から引き当てることが標準機能として出来ています。これにより統合しコストの削減と業務効率化を実装しながら、ターゲットに合わせた販売を実現することができました。
格段に良くなった業務効率とコスト面
サイトリニューアルによって得られた効果などを教えてください。
山ノ内氏:業務効率は格段に良くなっている印象があります。ECと販売管理が連携しているため、一番わかりやすい所でいうと、商品購入が英語入力で来た場合、以前は英語入力された所をExcelでダウンロードし、マクロを掛け直してアップロードして連携するといったフローが必要でしたが、ecbeingになってからは、まったくそういった手間がなくなりました。
ecbeingが業務フローの連携を考え、しっかりとスムーズにいくようにできているシステムだからこそ実現できた業務効率だと思います。
また連携の吐き出しと受け入れの販売間ルートが以前は一方通行でしたが、得意先はECから販売管理へ流すことができ、連携がすごく回るようになりました。
以前に比べると連携回りでの業務にストレスやヒヤヒヤすることがなくなり、安心して業務ができています。
今後ecbeingを活用して取り組んでいかれたい構想や、戦略をお聞かせください。
岡芹氏:会社の方針としてオンラインサイトの強化は2年前からずっと取り組んできています。今までは学校や教室を営んでいる方を対象に教材を販売していましたが、今後はターゲットを広げ、英語を教えている方だけでなく、お子様に向けてご家庭で英語の本が必要な保護者の方などにも買ってもらいたいと考えています。
ECでの販売は今後も大きな柱になるので、商品の充実、商品の見せ方、セール対応だけでなく、今まで認知できていなかった方の目にも止まるようSNS連携をするといった、新規顧客獲得につながる施策を進めていきたいです。
また既存のユーザーに対しては、さらに買ってもらえるよう必要な本だけでなく、その他にも様々な魅力的な本があることをご紹介し伝えられるように、サイトの中にコラムページを作っています。英語の教授法や英語の総合的な解決ができるような情報の提案ができるECサイトを目指しています。
お役立ちコラム一覧画面
コラム以外の取り組みとしても現在、毎月メルマガも配信しており、在庫入荷した商品の情報や、最近では人気漫画の英語版販売に力を入れており、既存・新規問わずご案内をしています。
英語版コミックス一覧画面
これからECを構築したい方や、ECのリニューアルを検討している方にアドバイスがあればお願いします。
岡芹氏:今まで取り組んできた経験をもとに見えてきたこととして、基本的なことかもしれませんが、どのようなターゲットに対して情報や商品を発信しているのかを明確にすることが大事だと感じています。
何をどのように売っていくのかの戦略・コンセプトをEC構築する前の段階で固めておかないと、ECを行う目的や軸がぶれてしまうため、まずは要件を固めることだと思います。
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株式会社シェーンコーポレーション
山ノ内 貢 氏
株式会社シェーンコーポレーション
岡芹 史浩 氏
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●取材・文:塩見 駿介