サプライビジネスの拡大に伴ったクローズドBtoB ECサイトの強化
〜EMシステムズが実現したお客様への付加価値強化と商品展開の充実〜
〜EMシステムズが実現したお客様への付加価値強化と商品展開の充実〜
株式会社EMシステムズは2023年で43年目を迎える、クリニック・診療所向け、薬局向け及び介護/福祉サービス事業者向けシステムの開発・販売・保守を行っている企業です。
「感謝」「感動」「共感」を軸とした経営理念を掲げ、高齢化等により、様々な課題が山積する医療・介護/福祉分野への先進的なソリューションの提供を通じて、社会課題の解決を支援しています。特に保険薬局向システムの提供においてはトップシェア※1を持っています。
そんな株式会社EMシステムズは、OAサプライ、帳票、薬袋をはじめ、医院・調剤薬局・介護施設の現場で必要な様々な専用消耗品の販売を行うBtoB ECサイト「EMオンライン SHOP」を2009年にecbeingで構築しました。
今回は、2021年に今後のビジネス戦略を踏まえ、ecbeingで機能拡張とリニューアルを行ったことについて、株式会社EMシステムズ<!-- 取締役専務執行役員 経営基盤改革本部長--> 青田 玄 氏、株式会社EMシステムズ<!-- 営業本部 IS部長 -->熊井 忍 氏と導入パートナーである株式会社ウィードプランニング<!-- 取締役専務--> 平野 竜吾 氏にお話しいただきました。
左から
株式会社EMシステムズ 青田 玄 氏
株式会社EMシステムズ 熊井 忍 氏
・名入れ商品やお客様専用商品などを顧客ごとに販売する商品を切り分けるといった細かなカスタムを実現。
株式会社EMシステムズは2023年で43年目を迎える、クリニック・診療所向け、薬局向け及び介護/福祉サービス事業者向けシステムの開発・販売・保守を行っている企業です
「感謝」「感動」「共感」を軸とした経営理念を掲げ、高齢化等により、様々な課題が山積する医療・介護/福祉分野への先進的なソリューションの提供を通じて、社会課題の解決を支援しています。特に保険薬局向システムの提供においてはトップシェア※1を持っています。
そんな株式会社EMシステムズは、OAサプライ、帳票、薬袋をはじめ、医院・調剤薬局・介護施設の現場で必要な様々な専用消耗品の販売を行うBtoB ECサイト「EMオンライン SHOP」を2009年にecbeingで構築しました。
今回は、2021年に今後のビジネス戦略を踏まえ、ecbeingで機能拡張とリニューアルを行ったことについて、株式会社EMシステムズ 青田 玄 氏、株式会社EMシステムズ 熊井 忍 氏と導入パートナーである株式会社ウィードプランニング 平野 竜吾 氏にお話しいただきました。
※1:日本国内における保険薬局向けレセプト請求システム導入実績 / EMシステムズ調べ(2022年12月時点)
株式会社EMシステムズ 基本情報
<社名>
株式会社EMシステムズ
<設立>
1980年(昭和55年)
<資本金>
27億8千5百万円(2021年12月31日現在)
<事業内容>
調剤システム事業及びその関連事業
医科システム事業及びその関連事業
介護/福祉システム事業
その他の事業
DX化の推進とビジネス拡大に伴ったシステムの拡張
「EMオンライン SHOP」をリニューアル構築した背景と目的を教えてください。
青田氏:そもそものECを始めた経緯からお話しすると、医療業界は昔からFAXの文化が根強くサプライヤの注文はほぼFAXで受け取っている状況でした。
注文も増える中で今まで通り、アナログ的にFAXで来た注文を手入力して受注処理する運用に無理がきていたためECを導入しました。
当初から特に注力してECの切り替えに力を入れており、現在では80%ぐらいのお客様がECに移行されているという状況です。
弊社のビジネスにおけるサプライヤの構成はかなり大きく、詳細を見るとお客様向けプリンタのインクカートリッジや薬袋など特化した商品に偏っています。
今後もサプライビジネスを拡大していく上では商品の裾野を広げていくことと、お客様が使いやすい仕組みを入れないといけない、と考えリニューアルを行いました。
カスタマイズでの機能拡張で済めばよかったのですが、2009年から使っていたシステムということもあり、できることに限界があったためこれを機会にバージョンアップという形でリニューアルを行い、お客様にアピールできる機能や商品の品揃えの充実を進めていきました。
また、調剤薬局・医科・介護をすべての商品が網羅されているのは、将来的に各セグメントに対して商品の見せ方の切りわけや、アプローチする内容の切り分けなどができるようにするという要望があり、顧客管理システムからセグメントを抽出してecbeingの中に取り込むということをバージョンアップの中で対応していただきました。
リニューアルにおいてecbeingを選定された理由を教えてください。
青田氏:ecbeingさんとお付き合いを始めた2009年から、何の不平不満もなくやり取りさせていただいていましたのでリニューアルで他社を考えることはなかったですね。
BtoB ECと言いつつ、やっていることはBtoC ECに近い仕組みだったりしますが、その中で卸の介入やポイントの付与など、結構色々細かいところの対応もしていただいていたこともあり、ecbeingさんを信用・信頼していました。
平野氏:元々導入検討時点で他のECサービスとの比較をしていましたが、その時点でECとサーバー、セキュリティ部分が切り分けられているサービスも多く、もし何か障害があったときの対応は事業規模的にも簡単なことではないと考えていました。
医療機関向けにサービス提供しているので、とにかくECが止まるということはあってはならないということが前提にあり、ecbeingさん以外に大規模事業向けECシステムをサーバー・保守提供も含めて全て一体型で提供されているところが他になかったことから、当時はecbeing一択でした。
実際、ずっと運用していただいている中で現状、一度もサービスが止まったこともない点では満足度も高いです。
また元々は別システムで運用していた顧客別のサービス、例えば名入れ商品やお客様専用商品などをカスタマイズして顧客ごとに販売する商品を切り分けることができるなど細かなカスタムができるということは導入の利点でした。
お客様への付加価値強化と商品展開の充実
リニューアル以前からある機能ですが、名入れ商品である『薬袋』の販売方法について工夫された点を教えてください。
平野氏:当時、EMシステムズ独自の技術で薬袋をプリンタ給紙して印字を行う仕組みが開発されており、その専用薬袋にはお客様ごとのロゴや店名、注意事項等をオリジナルでプレ印刷してお届けするニーズがありました。
EC構築時には、すでにお客様ごとの印刷内容をデジタル管理し、製造現場と連携する仕組みを動かしていたため、それらの複雑なサービス構造を後付けでECに組み込むということが非常に難しく、それに対応できるのがecbeingでした。
サイズや色、名入れやデザイン、価格も個別対応の商品であるため、既存システムと連携して管理できる仕組みをカスタマイズしていただきました。
BtoB ECでは珍しい、商品購入でポイント付与を行いポイント交換や今回のリニューアルでは寄付もできるような機能を搭載されていますが戦略について教えてください。
青田氏:EMシステムズ オンラインSHOPを始めた時に、ベンチマークしていた競合がなかなか持っていないようなサービスを含めてやらないと差別化できないと考えていました。
また、お客様自身は今までの注文フローからECでの購入に変わり、やり方を変える手間が発生してしまっている中で、なにかしらのECを使っていただくメリットを出さないといけないという点でポイントやランク付けを最初の仕掛けとして入れました。
ポイントの溜まり方にもよりますが、お菓子などの景品をポイント交換しシェアされているケースは多いように見受けられます。
機能として、チェーン店など、複数拠点が存在するお客様に対してはポイントの付与先もまとめて設定できるよう、カスタマイズしています。
熊井氏:ちなみに今回のリニューアルでポイントの使い道を寄付としても使えるようにしたのは、弊社がSDGsに賛同していることが大きいです。
当初はどれぐらい集まるかなと思っていましたが、おかげさまで定期的にポイントの寄付されるお客様も多い状況です。社会的な課題解決にも関心があるお客様と弊社が一体感を持ってやれている実感があります。
外部サイト「アズワン」とのAPI連携の目的・戦略について教えてください。
熊井氏:弊社のオンラインSHOPの展望として、既存の取扱商品だけでなく、PCやプリンタ等のハード製品や、お客様が日常的に必要とされているあらゆる商材を取り揃え、利便性を向上していきたいと思っています。特に「アズワン」は、医療・介護・看護・衛生用品を300万点以上取り揃えており、システム連携を行い、「アズワン」商品も含めたEC提供を実現することで、一気に商品拡充を図ることが可能でした。
今回のリニューアルで連携を実現していただき、「EM ocean」という屋号で展開を開始しましたので、今後、プロモーション強化を通じて認知度の向上に注力してまいります。
また、以前の改修対応で、医科・調剤・介護のセグメントユーザーごとにSHOP内の表示を切り分けるカスタマイズをしていただきましたが、今回の連携によって、従来ラインナップが十分ではなかった介護商材についても拡充できましたので、セグメント別の訴求や利便性にもアプローチしていきたいと考えています。
DX化に伴うECの連携対応や改修ができる拡張性と柔軟性
当時、苦労された点と弊社の対応について教えてください。
平野氏:クローズドサイトで運用をしていますが、例えばお客様に合わせた、たくさんの価格帯の中での商品の切り分けができることや、代理店にも配慮して効率化できる機能など、元々さまざまなカスタマイズ機能が入っているため、一つの機能を改修すると影響範囲が多岐に渡ります。
そういったところを意識しながらecbeingさんにはご苦労をかけ、影響範囲を拾い上げてエラーにならないようにチェックやデバックを行っていただきました。
サイトリニューアルによって得られた効果などを教えてください。
熊井氏:リニューアルでクレジットカード対応を導入しましたが、リリース後すぐに利用されている方も多く、反響を感じています。クレジットカードのポイントと自社サイト内のポイントの相乗効果でメリットを感じられている方もいるからではと思っています。
青田氏:将来的に活用できるところで、管理画面は今回のリニューアルで以前よりも使いやすくなったというところはあります。
以前からあった分析機能もデータ量が多くチューニングが難しかったですが、リニューアルをきっかけに過去のデータをクリアにしてもらい、以前よりも効率よく商品やカテゴリ別の売上集計を活用しています。
今後ecbeingを活用して取り組んでいかれたい構想や、戦略をお聞かせください。
熊井氏:前提としては売上を継続していくのが大きなところで、どれだけお客様にわかりやすく選びやすくしていくかが一番のポイントになっていくかと考えています。
調剤・医科・介護の方にとって購入しやすいようなデザインや導線を随時改善するとともに、コロナ禍でもありますので、除菌・脱臭機などの旬な商品やイベント商品の販売を引き続きしていきたいと考えています。
これからECを構築したい方や、ECのリニューアルを検討している方にアドバイスがあればお願いします。
平野氏:ECシステムの柔軟性や拡張性は大事だと考えています。
基幹システムの入れ替えや仕組み変更を行った際にそれに合わせてEC側も改修が依頼できる環境というのは、ecbeingさんにしてよかったメリットの一つでもあります。
また、医療業界でもDX化が進んでいます。DX化に伴うECに関わる連携対応や改修が都度発生した際にもスピーディに対応できるか否かは、今後の業務効率面を鑑みてもECシステムを検討する上では重要な点かと思います。
――
株式会社EMシステムズ
青田 玄 氏
株式会社EMシステムズ
熊井 忍 氏
株式会社ウィードプランニング
平野 竜吾 氏
・「EMシステムズ オンラインSHOP」はこちら
●取材・文:塩見 駿介