BtoB/BtoCへの販売をひとつのECサイトで実現
〜ユニバーサルファッションの販売を行うケアファッションの戦略とは〜
〜ユニバーサルファッションの販売を行うケアファッションの戦略とは〜
高齢者の暮らしに豊かさ・便利さ・楽しさを備えた衣料品をどこでも買える社会にすることをミッションとして掲げている株式会社ケアファッションは、「介護する人が着させやすい」「介護される人が自分で着やすい」といった着脱が簡単になる工夫を凝らした服【ユニバーサルファッション】を販売し、社会に貢献しています。
そんな株式会社ケアファッションは、法人向け(BtoB)の受注を目的にECを始め、消費者向け(BtoC)としてもご利用いただけるECサイトを構築し運用しています。
今回は構築当初の背景や目的、機能面、運用面、今後について株式会社ケアファッションのサイトご担当者にお話しいただきました。
・BtoC向けの販売や情報発信の場としてもサイトを活用したい。
・情報発信と購入のしやすさを考慮したシニア向けECを実現。
高齢者の暮らしに豊かさ・便利さ・楽しさを備えた衣料品をどこでも買える社会にすることをミッションとして掲げている株式会社ケアファッションは、「介護する人が着させやすい」「介護される人が自分で着やすい」といった着脱が簡単になる工夫を凝らした服【ユニバーサルファッション】を販売し、社会に貢献しています。
そんな株式会社ケアファッションは、法人向け(BtoB)の受注を目的にECを始め、消費者向け(BtoC)としてもご利用いただけるECサイトを構築し運用しています。
今回は構築当初の背景や目的、機能面、運用面、今後について株式会社ケアファッションのサイトご担当者にお話しいただきました。
株式会社ケアファッション 基本情報
<社名>
株式会社ケアファッション
<設立>
2015年3月
<資本金>
1000万円
<事業内容>
高齢者衣料品・介護衣料品の企画・販売・卸売
BtoB向けの業務効率だけではない、BtoC向けの情報発信の場
ECサイトを構築した背景と目的を教えてください。
ECを構築する以前は介護施設などの法人に対して、カタログを通じた電話やFAXなどのアナログな受注業務を行っていました。
そういったBtoB向けの受注をWeb上で受けられるようにし、業務効率化していくことを当初は目的として構築を行いました。
様々な施設と取引をしていく中で、「個人で購入したい」という声をいただくようになり、BtoC向けにも購入ができるよう確立するようになっていきました。
現状、高齢者からのご注文は、電話・FAX・はがき等のアナログ受注がどうしても多くなってしまう中で、2割くらいのお客様は代理購買ということもあり、ECでの注文強化をしていかなければならないと考えていました。
その上でECサイトの目的は2つあり、1つ目は「窓口」、2つ目は「情報発信の場」として考えています。
代理で購入いただく方というのは、例えば自身の母親が施設に入るために服を買わなければならない、といったケースのときなどが想定されると思います。
そういった方は、どういった服を購入すべきなのかが初めての経験のためわからないことも多く、ケアファッションの中でそういった情報を提供することで、代理注文される方も気楽に買っていただけるのではないかなと思います。そういった点は今後もフォローできるようにサイト運営していきたいと思っています。
「商品の利用ユーザー」と「サイトを使うユーザー」の別々にターゲットがいる中でどのような情報発信をされていますか。
例えば、着やすく・着せやすいように洋服のボタンが持ちやすいように大きくなっている商品や、ボタンがマジックテープで簡単に外せるような商品があることを知らない方も世の中的にまだまだ多いと思います。
またそれ以外にも、施設内で他の方の洋服と間違えないように、弊社商品のように名前がかけるタグがついていること、乾燥機にかけられるかどうかなどといった基本的な情報も含めしっかりサイトに記載されています。
弊社ではこういった誰もが障壁なく着られる洋服を【ユニバーサルファッション】として、潜在層を顕在層にしていくことを目指しています。
高齢者向けの「衣食住」の話をするときに、「食」であれば食べやすい、「住」あればバリアフリーなどがありますが、「衣」はすぐに出てこないのが社会の実情としてあると思います。
そこを、【高齢者にとっての衣食住の「衣」は「ケアファッション」】となれるようなところを目指しています。
新規顧客獲得につながるECでの取り組みについて教えてください。
アナログ注文がどうしても多いので、結局新聞広告やテレビ広告での集客が強くなってしまいます。そこからWEBに流入するというよりは電話やFAXでアクションを起こす方が多いです。
安定して結果は出てきていますが、先を見据えたときにこのままでいいのかというと、今のターゲット層がその年齢層なだけで、10年後も同じ集客の方法が通用するかというとまた変わってくると思います。
そのため、ecbeingさんの運用担当者にも協力していただきながらWEB広告にも力を入れています。
若干話はそれますが、一つのサイトでBtoBとBtoC向けのサイトを運用しているため、BtoC向けに出稿している広告でBtoBのお客様が流入されるかもしれません。そうなると広告の効果というのは正値なのかというところもありますので、今回、Sechstant(ゼクスタント)という顧客データ・購買データを統合したマーケティング分析ツールを今後のWEB広告分析にも役立つのではないかとご提案いただき、導入を進めています。
Sechstant CDP(ゼクスタント)とは…
EC、実店舗の顧客・購買データ、アクセスログを外部ストレージに蓄積、数値を可視化することで、これまで見えてこなかった総合的なマーケティング分析が簡単に可能。施策立案の最適化、売上向上に寄与いたします。
Sechstantを導入することで、BtoB会員とBtoC会員をしっかり分け、どのチャネルからの売上かということを知ることができます。BtoBのお客様がBtoCの広告を踏んでしまうということが多く、広告の金額的にも大きくぶれてしまい、成果が出ているのかわからない、という課題がずっとありました。そのため、今まではWEB広告を避けて、他の手段で何ができるかというところを考えていましたが、今回それが切り分けられるということで、期待しています。使ってみたらもっとやりたいことも出てくると思います。
情報発信と購入のしやすさを考慮したシニア向けEC
ecbeingを選定された理由を教えてください。
重要視していたのは「BtoBの実績があること」「セキュリティがしっかりしていること」の2点で、それが費用に対してのバランスが一番よかったことが理由として大きいです。また、当時のecbeingさんのご担当者の熱量がとてもよかったと聞いています。
シニア向けのECサイトを運用されるにあたり意識された点や必要であった機能について教えてください。
やはり、サイトに流入してくれた人にきっちりと情報を伝え、商品の説明をしっかりとしていくという点は意識している部分だと思います。
ターゲット層が使いやすいデザイン改修も日々の課題ですが、購入のしやすさというところでいうと、カタログを見て購入される方もいらっしゃることを考慮して、商品検索を品番で行う際に、EC上の商品の品番ではなくカタログ上の品番で引っ掛かるようにしています。
また外部のWEB接客系ツールを導入しチャットボットを活用することで、お客様が目的の商品にたどり着きやすいような手助けをしています。
チャットボット画面
ECを通じた効果について教えてください。
顧客層の注文の間口が広がったという部分が一番大きな効果です。ターゲットは高齢者という凝り固まった発想ではなく、ecbeingさんとやり取りさせていただく中で新たなターゲット層に対する気づきを得られたことや、そこに対してどのようにアプローチをしていくかなどの考え方ができたのは大きな成果だと感じています。
また、私自身がECに対してまだまだ素人なので、ecbeingさんに様々なご提案をしていただけるのはとても助かっています。
例えばBtoBの他社事例を踏まえ、どのようなやり方をしているのかなどの情報をいただけるのは参考になっています。
今後ecbeingを活用して取り組んでいかれたい構想や、戦略をお聞かせください。
ECサイトで販売をするということに力を入れている中で、この先販売する商品も衣料品だけではなくなってくると思います。
高齢者の暮らしに豊かさや便利さ、楽しさを提供できるような衣料品を「どこでも買える社会を作る」というミッションを叶えるために、そういった商品を扱っていく必要もあると思いますし、マーケットプレイス化をしなくてはならないのではないかと考えています。
また、その先の最終着地点は高齢者のためのポータルサイトとして根付いたものを提供していければと思っています。
これからECを構築したい方や、ECのリニューアルを検討している方にアドバイスがあればお願いします。
今まで、システム会社に対してどうしても冷たい印象を持っていたこともあり、人間味を持って対応してくれるかどうかが個人的には大切だと感じています。
困ったときに連絡するとすぐに対応してくれることや、嫌な顔ひとつせずにしっかり話聞いてくれるというのは個人的にすごく助かっていてありがたいと思っています。
そういった意味でもecbeingさんにお願いしてよかったと思っています。
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●取材・文:塩見 駿介