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課題を明確にして開発だけでなくユーザビリティも意識した山櫻「corezo(コレッソ)」。リニューアルによるユーザー数・売上倍増の秘訣とは?

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BtoBパッケージ

1931年の創業以来、人と人、人と企業、企業と企業の繋がりを、名刺や封筒、挨拶状などの紙製品で支えてきた株式会社山櫻。お客様のご要望、時代のニーズに応えられるよう、製品ひとつ、ひとつについて素材の見直しや品質改善を続けている。2005年にはISO9001(品質マネジメントシステム)の認証を取得し継続的改善に努め、より良い製品づくりとサービスの提供、そして企業品質の向上にチャレンジをしている。
今回は、法人向けWeb名刺発注サービスをecbeingのBtoB版パッケージで2016年8月にサイトリニューアルを行った「corezo(コレッソ)」について目的や背景、日々の運用、今後の展望について株式会社山櫻 笠原祥子さんと山口宣之さん、江口友成さんに聞く。

基本情報

<社 名>

株式会社山櫻

<設立年月日>

1948年2月

<事業内容>

・紙製品の製造・販売と付帯する事業
・Webサービス事業
・名刺・はがき作成システムおよびプリンター等の開発と販売
・オリジナル文具の製造・販売と付帯する事業

<従業員数>

553名(2019年2月現在)

<資本金>

8,000万円

<本社所在地>

東京都中央区新富二丁目4番7号



複数のサイトで幅広いターゲットに販売

――はじめに、御社の事業についてと複数お持ちであるサイトのすみ分けについてお伺いさせてください。

複数のサイトで幅広いターゲットに販売


笠原:弊社のスタートは紙を名刺としてカットして付加価値を生むところから始まりました。その後、封筒・挨拶状・賞状などオフィス向け紙製品を生産して印刷業者様に販売するサービスに拡大し、20年程前から今の「corezo(コレッソ)」を立ち上げてBtoBのWeb名刺サービスをスタートしました。当時、同業者の中でも早くからWebを使用した名刺販売を進めていたと思います。

また、10年程前から地方のお客様にも幅広く山櫻製品をご利用いただくことをコンセプトに山櫻の全商品が購入できる「ソレアル」というオンラインショップを簡単なサービスを利用して細々と運営していました。これからはECサイトが主流になることを考えブレイクスルーするためには、思い切ってリニューアルをすべきと考え検討していた、まさにその時にecbeingさんを展示会でみつけたのです。
その後に作ったのが「TSUTAFU(ツタウ)」というコンシューマー向けの名刺を印刷して販売するサイトです。ターゲットはSO-HOや個人でビジネスをしている方をターゲットにした「corezo(コレッソ)」よりも、もう少しライトかつ高級志向なBtoCのお客様向けサイトになります。

――それぞれのサイトがターゲット別に作られているんですね。

笠原:はい。元々山櫻は印刷業者様への訪問商売が主流でしたが、ターゲットをWebサイト別に立上げていくことによって、企業直販、全国の印刷業者様、SO-HOなどの個人ユーザーへと販売経路の幅を広げつつあります。
また新しくサイトを立ち上げるたびに、それぞれ苦労はありましたが、特に「corezo(コレッソ)」を立ち上げる際は本当にecbeingさんでいいのか、決定はある意味冒険でした(笑)。



開発だけにとどまらない課題解決

――「corezo(コレッソ)」はもともと20年程前に立ち上げたサイトということですが、2016年8月にリニューアルした背景や目的について教えてください。

江口:そもそも「corezo(コレッソ)」は名刺受発注サービスで各お客様と契約を結んで専用のアカウントページをご提供する企業向けのサイトになります。
リニューアルを決めた時には600社様がご利用いただくサービスになっていましたが、新入社員が入る時期や異動期に想定していたパフォーマンスが出ないことや安定稼働しないことなどの問題があり無事にその時期を乗り越えられるか、いつも不安がつきまとっていました。お客様がどんどん増えていく中、これ以上は耐えられないと判断しリニューアルを決断しました。その時「ソレアル」のリニューアルからお付き合いのあったecbeingさんでできないだろうかとふと思ったのです。そして営業の方や開発の方に相談をした結果、開発に着手することが決まりました。

――数ある企業の中からecbeingを選んだ理由は?

笠原:まず「ソレアル」のリニューアルの際から感じていたことなのですが、開発だけでなくデザインなどもしっかり対応してくれるところが大きかったです。
BtoBなどのシステム的なサイトを作ってくれる会社さんはあくまでも専門的な開発部分のみで、ユーザビリティを意識したデザインなどを行ってくれる会社が少ない印象にありました。その点、ecbeingさんはECサイトという最先端の分野でシステム開発を行っていたので、ユーザビリティには力を注いでいるいうこと、セキュリティに非常に重きを置いているところに弊社の悩みの一つを解決していただけるであろうという確信がありました。
ecbeingさんならセキュリティを強化しつつ課題解決もできるはずだということは「ソレアル」のリニューアルがあったからこそ直観的に感じられたのかも知れませんね。

――リニューアルの企業選びは苦労されたんですね。

山口:はい、リニューアルを検討する際は本当に大変でした。名刺の組版エンジンを組み込んだ専門性が高いシステムなので、通常のWebサイトを開発するベンダーではできないことがあり、クラウドになっていないベンダーも多かったです。
もちろん組版エンジン専門で開発をしている会社もあり機能としては実現できそうでしたが、その代わりデザインや保守、サーバー管理などが思うようなものにできないなどの悩みがありました。



将来に向けてやりたいことを洗い出しリニューアルした1年

――実際リニューアルが進んでいった時に特にこだわった点はどのような点でしたか?

将来に向けてやりたいことを洗い出しリニューアルした1年


山口:こだわった点はいくつかありますがデザインでいうと、とにかく使いやすいインターフェースを意識していました。特に名刺を編集したり校正したりする画面はマニュアル見たり説明をしなくてもお客様がすぐに使っていただけるようなインターフェイスであったり、トップ画面では迷うことなく、使いたい機能に行きつけるようなボタンの配置をしました。名刺は様々な方が発注するので色弱の方でも判別できるような色調にするなどこだわりましたね。

笠原:また今までは自社でサーバーを抱えなければいけなかったので、その分サーバーに関するコストも高く困っていました。それがecbeingさんに依頼することによって、自社でサーバーを持たずに済むだけではなく、毎月発生するサーバーコストの差額で開発費が賄えるぐらいのコスト削減をすることができました。

江口:選定にあたっては開発やサーバーだけではなく、セキュリティも重要視しておりました。というのも、特に大手企業のお客様の多くからは個人情報を守らなければならないという部分でセキュリティポリシーを求められておりました。リニューアルしてセキュリティも強化することで弊社を選んでいただくということが多くなっていきました。

結果的にサーバー環境、開発環境、デザインもできてセキュリティも厳重で当初開発をご依頼した時以上にお願いししてよかったと今は思っています。

――こだわった点がたくさんあるかと思いますが、その分どのような点で苦労されましたか?

笠原:苦労した点はお客様ごとに独自のカスタマイズをしていた機能を移植するのが大変でした。
まず今まであった機能を洗い出しするところから始まり、どうやったらさらに使いやすくなるのかというのをお客様から集めたヒアリングリストをもとにecbeingさんと打合せをしながら一緒に考えました。
実際に要望として上がった例としてはお客様ごとの管理画面の各項目を使いやすいように並び替えが弊社側でできるようにしたり、項目名もカスタマイズでお客様ごとに変えるのではなく管理画面の設定で変えられるようにしていきました。


将来に向けてやりたいことを洗い出しリニューアルした1年


山口:とにかく時間がかかり一年以上の時間をかけてリニューアルでしたね。
リニューアル当初から弊社にとって「corezo(コレッソ)」の事業そのものが将来に向けての大きな事業になると考えていましたから、先々を見てちゃんと作り直さないといけないという課題がありました。名刺は企業が営業活動をするのになくてはならない必要なものですので、さらなる市場拡大のためのリニューアルでもありました。



顧客数と売り上げが倍増

――こだわりや苦労がたくさん詰まったサイトですね!実際、リニューアルの効果はいかがでしょうか?

笠原:リニューアル前後で考えると顧客数と売上が倍になりました。リニューアル後から急激に伸び、今現在も伸びています。当時顧客企業数は500社ぐらいでしたが、現在1000社を超えています。ユーザー数でいうと以前は20〜30万人ほどでしたが、現在は100万人近い方に「corezo(コレッソ)」をご利用いただいています。
顧客を増やせた要因としては、システムが使いやすいという事やセキュリティがしっかりしているということが大きかったと思います。もちろん山櫻ブランドも関係しているかとは思いますが、トータル的に価格ではなく、名刺やセキュリティやUIも含めたシステムの品質で競合先に差をつけることができたと思います。

山口:以前は繁忙期の時にはサイトが遅くなり止まってしまうこともありました。繁忙期は通常月の数倍利用者が増えるため発注できない、プレビューができないなどのことが頻繁にありました。現状リニューアル後は止まらないのが当たり前になっていますが、改めて質の高さを感じています。


顧客数と売り上げが倍増


江口:「corezo(コレッソ)」の仕組み自体が世の中で一般的なECサイトとは少し違っています。どこの企業も名刺はあるけれど、意外にこだわった名刺をWeb上で完結できるサイトを持っている印刷会社が少ないと感じています。一般的は、「名刺を選ぶ」「テキストを入力」「注文」で終わってしまい入力した内容をプレビューですぐ見ることができるサイトは少ないです。文字だけ入れて注文して頂いた後に、レイアウトは後で送るなどの手間がありましたので、企業様からも重宝されています。

他にも企業様から重宝される機能としては名刺に間違えた名前や役職を入れられると困るので、上長や総務の方が確認できるよう承認フローを設けております。
配送も細かく指定ができるようになっています。例えば支店ごとに名刺をバラバラに配送して納品書はまとめて本社に送るなどの設定ができます。

――企業様にはなくてはならないツールの一つとして根付いているのですね。

笠原:そうですね。大手企業様ですと総務が名刺を取りまとめて発注するのが大変ということもあり各社員が自分で名刺を発注するケースが増えています。
実際多くのお客様にご利用いただくと導入当初は使い方についてのお問い合わせが一時的増えることがありますが、今回のリニューアル後はお問合せいただく回数も減っていきました。

山口:社内的にはお問い合わせの対応も減りサーバーも止まらなくなったのでサポートセンターのメンバーの工数も楽になりました。以前は繁忙期の時などサーバーが止まってしまうこともあり大変でしたが今は大丈夫です。


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課題を明確にしてサービスを強化

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――今後の展望はどのようなことをお考えでしょうか?

笠原:スタート当初から特定の部署だけで「corezo(コレッソ)」を運営していますが、去年より全社的に「corezo(コレッソ)」の営業ができるような体制を整えつつあります。
今までは直販でエンドユーザー様に営業を行っておりましたが、印刷業者に代理店としての役割を行っていただき、印刷会社からエンドユーザー様にサービスのご提案をしてもらっています。名刺は細かい印刷物なので、そこはcorezoに任せていただき、印刷会社様には他の商品の販売に力を入れていただくことができ、お互いWIN-WINな関係にできると考えています。
そのため昨年は代理店様用の管理機能を強化し、お客様の名刺の進捗状況や納品書などの情報を確認していただけるようにしました。
エンドユーザー用・印刷業者用・代理店用の管理画面を一つのサイトで管理することによりシームレス化が図れるようになり効率よく業務を回せています。

名刺は企業の中の誰もが使うものですので、多くの方が「corezo」を使用しています。そのため「corezo」を基盤として 今後は名刺や封筒だけでなく挨拶状なども作れるような機能や弊社には新木場に物流センターがありますが、そこで企業様の封筒や手提げ袋などをお預かりし、手元になくなったら注文していただくというサービス提供も考えております。
また、名刺を発注される方それぞれに「マイページ」という個人のネット上のページを提供しています。名刺に入りきらない情報を「マイページ」で表現していただくための機能です。紙や印刷だけでないサービスを強化できるよう新しい動きも検討しています。

――ありがとうございました。では最後にこれからECをスタートする、またはリニューアルする企業に向けてアドバイスや注意点をお願いします。

笠原:ecbeingさんとお付き合いを始めたころから言われたことでもありますが、事業者自らがしっかりとポリシーを持って自分たちが運営していくという気持ちがないと成功しないと思っています。
サイトや機能を作ったからといって全部ベンダーさんに頼り切ってしまうのではなく、運営する事業者側が戦略を決め、そのためにサイトがどうあるべきかを考えていく必要があります。
たとえ同じ名刺の発注サイトであっても、運営する企業の思いや方針によって同じシステムはできないと思っていますので、自ら積極的に取り組むことが大切ですね。



――



株式会社山櫻

笠原祥子(かさはら さちこ)


株式会社山櫻

山口宣之(やまぐち のぶゆき)


株式会社山櫻

江口友成(えぐち ともなり)



・「corezo(コレッソ)」(http://service.corezo.yamazakura.jp/
・「ソレアル」(https://www.yamazakura.jp/shop/
・「TSUTAFU(ツタウ)」(https://tsutafu.yamazakura.jp/shop/


●取材・文:塩見駿介


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