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株式会社ダルトンが業務効率化だけでなく、お客様が求めている売る側の考えを形にしたBtoBサイトとは?

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更新日:   公開日:

1988年創業のインテリア雑貨メーカーである株式会社ダルトンは、“海外の香りと空気を持つ刺激と発見のある空間”をテーマに人々の生活に寄り添ってきました。
ファニチャー、ハウスウェア、ガーデンツール、キッチンツール、ステーショナリー等、生活にまつわるあらゆるラインナップを展開し、ダルトン直営店ではその独自の世界を存分に味わうことができます。
そんな株式会社ダルトンが、2020年9月末に法人向けのBtoBサイト『DULTON WHOLESALE SITE』を立ち上げました。今回はBtoBサイトの目的や背景、運用、今後の展望について株式会社ダルトン 齋藤 悠二さんに聞く。

株式会社ダルトン 基本情報

<社 名>

株式会社ダルトン

<設立年月>

1988年7月14日

<事業内容>

ファッション、インテリア雑貨等の輸入・卸売業務全般

<資本金>

1000万円

<所在地>

本社:静岡県静岡市葵区長沼南11-5


お客様に飽きられないサイト作り



――今回新規でBtoBサイトを立ち上げた目的と背景について教えてください。

齋藤:今までアナログで行っていた受発注をデジタル化することでお客様の発注処理をスムーズに行い、弊社の受注業務も同時にスムーズにできるようにするというのが一番の目的です。
受発注のデジタル化を行う中で、お客様の購買率を上げていけるよう飽きさせないサイトを作ることも意識していました。
また弊社ブランドコンセプトが強くあるためイメージを崩さないサイト作り、かつ簡易的に使えるようなシステム構築を目指しておりました。

実際、BtoBサイト導入前は、FAXが7割、メールが3割で注文が来ており一つひとつ対応しておりました。中には電話で注文してくるお客様もいらっしゃり、聞き漏れが起こる可能性もありました。
それに加え、お客様も様々でアカウント数も多く全部を対応するとなると、外回り等の他の営業業務にも影響が出てくる状況でした。

――BtoCサイトとはターゲットが大きく異なると思いますが、BtoBサイトを構築する上で意識していたことは何でしょうか?

齋藤:BtoCサイトはダルトンの世界観を前面に出しており、例えば英語表記や色使いもブランドイメージを意識しております。BtoBサイトに関しては誰もが発注業務を簡易的にこなせるように理解がしやすいように、BtoCサイトとは逆に商品を日本語で表記しつつ、その中でもダルトンの世界観が崩れないようにイメージ維持していくようにしています。

――今回BtoBサイト立ち上げにecbeingを採用した理由は何でしょうか?

齋藤:元々BtoCサイトを構築して頂いた経緯もあり、BtoCサイトを運営しているチームからも良心的にご対応いただけることは伺っていましたので、BtoCサイトとの統一化を図るためにも採用させていただきました。
また、弊社内では迅速にBtoBサイトを立ち上げる必要があったため、ecbeingさんにご依頼し短納期というかなりわがままな状況にお答えいただいた形になります。
金額面も別の会社に見積もりを取りましたが、そこまで差はなく実際活用してみても、親切にご対応いただき、逆に私が営業なので外出していることもありご迷惑おかけしていた部分もあったかと思います。そのような状況下で、短納期という中でも一緒に進めて頂けたところは感謝しています。

限られた期間の中でお客様が簡易的に利用できるサイト環境の構築

――BtoBサイトを構築、運用する上で重要視していることは何でしょうか?

齋藤:一番はお客様が簡易的にご利用いただける環境づくりです。カタログの時は商品の読み方を聞かれることや、そもそもどういった商品なのかなどのご質問を受けることがありました。
実際、素材や原産国といった商品詳細の部分も掲載することでお客様からの電話問い合わせが減り、業務効率にも貢献しています。
お客様がカタログじゃわからない情報をサイトの商品詳細ページに掲載してあげることによって、業務効率化させるだけでなく、そのままお客様に商品の購入をしていただけるよう促していければと考えております。

また、営業で卸先に行った際には売れ筋商品が何か伺われることが多いため、サイトで人気商品を表示するようにしています。


他に、どこのサイトでも実施しているかとは思いますが、ジャンル分けはこだわりがあります。
ブライダルやアウトドア、DIYなどの商品の使用イメージに合わせた「シーン別」、メタルやガラス、プラスチックなど素材で探せる「マテリアル」、お客様によっては、『今年のクリスマスは黄色い商品だけのエリアを店舗に設けたい』『赤い新色の車を発売するため、赤い車に合わせたノベルティグッズを用意する必要があり、赤い商品だけをピックアップしたい』などの要望にも応えられるよう「カラー」でも探せれるようにしています。
特に「カラー」は、他のお客様でも需要が高く、『今回は何色の商品だけでセレクトしていきましょう』といったこともあり、今までは営業側でカタログからカラーバリエーションをピックアップしてまとめていたのですが、お客様の方でもピックアップができるようになりお互いにメリットがある形になっております。


――サイト構築時に苦労したことは何でしょうか?

齋藤:限られた期間の中で、必要最低限の機能を選ぶことが大変でした。一人では判断できないことも多く、その都度チームでMTGを開いていました。
担当している卸先によっては掛け率や取引条件が異なるなどイレギュラーな対応が必要でした。今までならば人が手作業で対応していましたが、システムに連動するとなると煩雑になるためかなり難しく、そこを含めて実装するとオープン日が伸びてしまう恐れがありました。
また、お客様ごとに臨機応変に対応できるよう何でもかんでもシステムに入れてしまうと、収拾が付かなくなるため、フラットな状態にしていくことを意識して進めていきました。
お客様によっては、昔からの付き合いがあるところや、昔のやり方が残っているところもありましたのでこれを機会にルールを定めBtoBサイトを利用してもらういい機会だったのではと考えています。

そのため構築段階では必要最低限の機能を搭載し、今後フェーズを分けてお客様にとって使いやすく、かつ業務効率向上できるようにサイトのカスタマイズをもっとしていきたいと考えております。

BtoB事業の円滑化。運用効率化とお客様の利便性向上

――コロナ禍における取り組みはいかがでしょうか?

齋藤:実店舗とBtoCサイトが頑張ってくれていました。ただ、他の企業にも言えることだと思いますが、やはり影響は受けております。
お客様とのやりとりにも影響が出ており、例えば5、6月の緊急事態宣言が発令された際には弊社も営業に行けませんでした。
9月位からお客様のところへ足を運んで商品を紹介しに行くことができましたが、やはりそれでも地方のお客様は行きづらい状況でした。
その中でZoomを利用したオンライン会議を活用していたのですが、どうしても商品ありきのため画面越しで商品を見て頂き紹介することはできるが導入までのハードルが高く、お客様のところへ行って実際に触ってもらい素材感や使いやすさなどを知ってもらいたいという想いが高まっていきました。
逆に正直、そういったコロナウイルスによる影響によって今まで通りの営業活動が難しいという状況もあり、BtoBサイトを構築していくことになったと感じています。
展示会も10月に入ってやっとできるようになったぐらいでしたので、今後はBtoBサイトを利用してオンライン上で展示会などもやっていきたいと考えています。

――BtoBサイトによる効果はいかがでしょうか?

齋藤:BtoBサイト経由で既存のお客様からの発注も徐々に来るようになってきております。お客様からもBtoBサイトで注文するのに慣れ、今後BtoBサイトを使っていくとのお言葉もいただいております。
今までは大体お客様がFAXで注文を流してきて、それを営業のオーダー専用スタッフ3名がメインで発注書を作成し、弊社の静岡にある倉庫に発注書を流していました。
それがBtoBサイトを使うと、お客様の方から直接弊社の静岡にある倉庫へ注文が行くので、こちらからすると窓口業務の作業軽減に繋がる感覚があります。
今まではメールでお客様からの注文情報を経由していたのがなくなった分、サイトのバックオフィスで見ると注文が入っており、多少そういったところでは注文処理の作業量が多少減り業務効率化に貢献しているのではと思います。

現在60件ぐらいの移行は完了しており、その中でも半分ぐらいがBtoBサイトを通じて注文が来ています。
目指しているところは数千件なのでまだまだこれからなのですが、とにかく数を増やしていくということと、現在使用頂いているお客様に対し継続して利用してもらう中で、使いやすさや改善点など意見などもあるかとは思うので、今ちょうどそういったところをお客様にヒアリングしているところです。

また今までは在庫確認も大変で、特に休み明けの月曜の朝一は在庫確認の電話に追われることも頻繁にありました。
それに関しても、倉庫自体がBtoC向けとBtoB向けの商品で分かれていないため、BtoCサイトで購入される商品と卸先から注文される商品の在庫をシステムで連携し共通で在庫管理することができるようにしました。
BtoCサイトとBtoBサイトの在庫を共通化することで、サイト上の在庫表示が自動で変動するようになり、今まで卸先からの在庫確認を電話等で対応していた工数を削減することができました。

お客様が求めているのは売る側の意見

――現在の課題と今後の展望について教えてください。

齋藤:商品の使い方や営業による商品紹介動画などの動画コンテンツを活用した施策や、イベントの打ち出しを行っていきたいと考えています。
商品紹介や商品仕様の説明などは、他社様でも実施されていると思うのですが、実際にエンドユーザー様が商品を使っているところを伝えるのは、やられているところも少ないと思います。
社内で完結するのではなく実際にロケなどをして商品を使ってもらった意見を動画に入れ込みコンテンツ化して、使用イメージを伝えるようにしたいと考えています。
またお客様は売る側の意見を求めているので、例えばこの棚をこういう風な活かし方をすればこのような売り場ができるといった空間デザインを提案し、商品単体ではなく商品を活用した店舗構成のご提案もしていけるようなサイトにしていきたいと考えています。


――ありがとうございました。最後に、これからEC事業をはじめる企業にアドバイスをお願いします。

齋藤:ユーザー目線で物事を考えることが大事だと思います。
自分たちが運用しやすいというよりはお客様が使用しやすく、尚且つ企業イメージ、コンセプトを壊さないようなサイト作りをすることを私自身心掛けていました。
また、サイトを立ち上げること自体、私自身慣れていないことばかりでしたのでタスク管理を意識し、常に状況や情報はチームに共有して、様々な方を巻き込み相談しながら進めていました。


――


株式会社ダルトン
齋藤 悠二(さいとう ゆうじ)


BtoBサイト:DULTON WHOLESALE SITEはこちら
BtoCサイト:ダルトン公式オンラインショップはこちら


●取材・文:塩見 駿介


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