Claude3とは?料金プラン別の機能やChatGPTとの違い

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更新日:   公開日:

2024年3月に公開されたClaude3は、GPT-4(ChatGPT)にも劣らない生成AIサービスとして注目されています。実際にGPT-4と比較すると、主にどのような点が優れており、どういった業務に活用できるのでしょうか。

本記事では、Claude3の料金プランや機能、使い方などをまとめました。ChatGPTと比較検討をしたい方に向けて、GPT-4との違いについても紹介します。

(※本記事で紹介している各サービスの料金・機能などは、2024年6月時点での情報です。)

Claude3(クロードスリー)とは?

Claude3とは、米国のスタートアップであるAnthropic社が開発した生成AIサービスです。同サービスには、大規模言語モデル(LLM)である「claude.ai」が搭載されており、2024年6月現在では日本を含む176ヵ国に対応しています。


Claude3は対話型の生成AIですが、単に質疑応答をしてくれるだけではありません。膨大な学習用データから、AI自身が指示テキストや添付データなどを分析するため、工夫次第ではさまざまな業務に活用できます。


ビジネス分野ではどのような活用方法があるのか、いくつか例を紹介しましょう。


<Claude3の活用例>
・レポートや長文の要約
・外国語で書かれたテキストの翻訳
・PDFファイルから要点の抽出
・アイデアやコンセプトの提案
・添付の画像ファイルから店舗情報などを出力
・コーディング(プログラミング)のサポート

上記のほか、添付した動画をテキストに変換したり、高度な論文を理解させたりすることも可能です。


Claude3の料金プランと性能

2024年6月現在、Claude3は3つのモデルが展開されています。


Claude3の料金プランには、全モデルを利用できる「Pro」と、5人以上の組織を対象にした「Team」があります。なお、ウェブブラウザではなく外部のシステムなどから利用する「API」の場合は、出入力の容量に応じた以下の料金がかかります。

(※上記は100万トークンあたりの金額)


ここからは3つのモデルに分けて、具体的な機能を紹介します。


1.Sonnet

無料で利用できるSonnetは、従来のClaude2より処理速度が2倍ほど速いモデルです。Opusの高度な処理と、Haikuの高速処理を兼ね合わせたバランス型であり、公式サイトでは「企業の業務(enterprise workloads)」に向いていると紹介されています。


主な用途としては、画像からのテキスト抽出やマーケティング戦略の策定、プロダクトの売上予測などがあります。また、膨大な学習用データが備わっているため、検索エンジンのように情報収集用のツールとしても活用できます。


2.Opus

APIの料金が最も高いOpusは、高精度・高機能なアルゴリズムを備えたモデルです。複雑なデータ分析や数式の解読が可能であり、プロンプト(指示)の理解力も高いとされています。


主な用途としては、研究内容のレビューや仮説検証、高度な経営分析などがあります。また、外部のシステムやデータベースと連携させて、複雑なアクションをさせることも可能です。


3.Haiku

Haikuは高速処理に優れており、一般的な研究論文を3秒未満で読み取れます。処理の精度やレベルを表すインテリジェンスはSonnetやOpusに劣りますが、APIの料金は最も安く設定されています。


プロンプトによっては即時に応答するため、顧客とのコミュニケーションや画像解析、在庫管理などの分野に活用できるでしょう。ほかにも資料の要約や翻訳など、工夫次第でさまざまな業務に活用できます。


Claude3とChatGPTの比較表

Claude3は、同じ生成AIであるChatGPTと比較されることがあります。ChatGPTは米国のOpenAI社が開発した生成AIであり、「GPT-3.5」を中心とした複数のモデルが展開されています。


以下の表は、主要モデルを中心にClaude3とChatGPTを比較したものです。

(※上記は2024年6月時点での情報)


具体的にどのような違いがあるのか、ここからは要点を絞って解説します。


違い1.無料で使える範囲

Claude3の無料プランでは、画像やドキュメントについて質問したり、iOS(※)でclaude.aiと会話をしたりすることが可能です。また、Sonnetも利用できるため、事務作業などの基本業務には問題なく活用できるでしょう。


(※)iPhoneやiPod touchなどに搭載されているオペレーティングシステム。


一方で、ChatGPTの主要モデルのうち、無料で利用できるものはGPT-3.5とGPT-4o(※一部)です。これらのモデルではウェブを参照した質疑応答のほか、ファイルのアップロードやデータ分析などができます。


違い2.学習の時期

いずれの生成AIサービスも不定期でアップデートが行われているため、学習の時期(参照できる最新の情報)はサービスページで公開されていません。Claude3(Sonnet)とChatGPT(GPT-3.5)に対して「どの時点までの情報を学習しているか」を聞いてみると、2024年6月現在では以下のような回答が返ってきました。


<Claude3の回答>

私のナレッジベースは2023年8月に更新されており、それ以降の情報は得られていません。2023年8月より後に起こった出来事や発表については正確に把握していない可能性があります。


<ChatGPTの回答>

私の学習データは2023年10月までの情報を含んでいます。それ以降の出来事についてはリアルタイムの情報を提供することができませんが、できる限りお手伝いしますので、具体的な質問があれば教えてください。


ChatGPTのほうが参照できる情報は新しいことがわかりましたが、モデルや時期によって結果は変わる可能性があります。


違い3.専門知識のレベル

専門知識のレベルについては、Claude3のほうが高い傾向にあります。以下の表は、Anthropic社が公式サイトで紹介している比較表の一部を、日本語に翻訳して並べ替えたものです。

参考:Anthropic 「Introducing the next generation of Claude


3つの指標で比較してみると、無料のモデルではSonnet、有料の中ではOpusが優れています。一般知識にあたる「common knowledge」や、テキストの理論性を測る「reasoning over text」のスコアも同様の結果になっています。


ただし、生成AIはモデルによって得意分野が異なり、時期によってはアップデートの影響を受けるため、必ずしもChatGPTの知識レベルが劣るとは限りません。


Claude3の使い方

Claude3の使い方・始め方は、利用するプランによって異なります。ここからは3つのプランに分けて、Claude3の導入プロセスを紹介します。


Sonnet(無料プラン)の始め方

Sonnetは無料プランでも利用できますが、導入にあたってはユーザー登録が必要です。


手順1
Claude3の公式サイトにアクセスする
手順2
「Try Claude」を選択する
手順3
Googleアカウントまたはメールアドレスを登録する
手順4
国(Japan)を選択し、携帯電話の番号を入力する
手順5
コード送信(Send Verification Code)を選択する
手順6
ショートメールで送信されてきたコードを入力する
手順7
ニックネームを入力する
手順8
注意事項を読み、次の画面へと進む
手順9
無料プランの利用開始

手順9まで進むと、Claude3(Sonnet)に指示・質問をするボックスが表示されます。試しに「私はClaude3を利用できていますか?」などと入力して、日本語の回答が返ってくることを確認してみましょう。


Opus・Haiku(有料プラン)の始め方

OpusやHaikuを利用する場合も、手順9までの流れは同じです。まずはSonnetを利用できるアカウントを作成してから、以下の手順で有料プランにアップグレードしましょう。


<Opus・Haiku(有料プラン)を始める手順>
手順1
ログイン後に画面右上のアイコンを選択する
手順2
「Upgrade Plan」を選択する
手順3
「Pro」または「Team」のプランを選択する
手順4
クレジットカード情報などを入力する

最後に「Subscribe」を選択すると、OpusやHaikuを利用できる環境になります。モデルを切り替えるプルダウン(入力ボックスの左側)から、利用したいモデルを選びましょう。


APIの始め方

Claude3をAPIで利用したい場合は、公式サイトの「Get API Access」から認証用トークンを購入します。


<APIでClaude3を始める手順>
手順1
Claude3の公式サイトにアクセスする
手順2
「Get API Access」を選択する
手順3
登録したアカウントでログインする
手順4
「Get API Keys」を選択する
手順5
「Create Key」を選択する
手順6
作成したAPIキーの名称を定義する
手順7
表示された認証キーを確認して保管する

以降の手順については、使用するAPI管理ツールによって異なります。ツール上でClaude 3のAPIプロジェクトにアクセスし、保管した認証キーを入力すると、各モデルをAPIで使用できるようになります。


Claude3の弱点は?使用時の注意点

Claude3は専門分野にも対応できる生成AIサービスですが、リアルタイムでの検索機能は備わっていません。現時点では、2023年8月までの学習データに基づいて分析・出力がされるため、新しい知識・技術には対応できない可能性があります。


新しい機能が追加されていくと、既存の機能が低下することも考えられます。Claude3に限らず、生成AIサービスは時期によって性能が変わるため、常に最新の情報を追うことが重要です。


また、導入範囲によってはひとつの分野に特化していないことが、デメリットになる場合もあります。たとえば、高度なプログラムを組みたい場合は、コーディングに特化したサービスのほうが便利かもしれません。


新たに登場する生成AIも含めて、さまざまなサービスと比較しながら利用を検討しましょう。


プログラミング分野ではGitHubCopilotが活躍

高度なプログラミング分野では、AIがコードを補完してくれる「GitHub Copilot」も検討したいツールです。GitHub Copilotは感覚的に使いこなせるUIが特徴であり、一般的な形式のコーディングを得意分野にしています。


当社の業務にGitHub Copilotを導入したところ、若手社員31人を対象にした効果測定では以下のデータが得られました。


・コーディングの効率が1.3倍にアップ

・1日あたり45分の作業時間を削減(1人あたり)

・約8割の社員が効果を実感


企業独自のプログラムは苦手分野に含まれますが、GitHub Copilotが提案したコードは実務でも30%が採用されました。導入費用については、実用的なEnterprise版で月額39ドル(1人あたり)となります。


料金が安いプランも用意されていますが、個人版ではソースコードをウェブ上に公開してしまうリスクがあります。安全かつ効率的なプログラミング環境を整えたい場合は、Enterprise版から検討してみてください。



予算や目的に合った生成AIサービスを選ぼう

Claude3には3つのモデル(Sonnet・Opus・Haiku)があり、それぞれ強みや弱みが異なります。また、導入範囲によっては別の生成AIサービスが望ましいかもしれません。予算や目的を意識しながら、費用対効果の高いサービスを選びましょう。


当社は生成系AIを検討している企業様に向けて、「Safe AI Gateway」や「AIデジタルスタッフ」などのサービスを提供しております。


Safe AI Gatewayは、お客様専用の導入環境を整備し、安全かつ簡単に生成系AIを導入できるサービスです。製品情報などの会社固有のデータを提供することで、GPTモデルをベースとしたAIが高精度な質疑応答をしてくれるようになります。社内システムとの連携もできるため、AIの導入環境にお悩みの企業様はぜひご相談くださいませ。


参考:ソフトクリエイト「Safe AI Gateway - 生成AIを「安全・簡単」に


また、AIデジタルスタッフは24時間365日の顧客対応が可能なチャットボットです。ECサイトなどの問い合わせを代行するサービスであり、月額1万円から導入できます。問い合わせに対してAI自身が商品提案まで行ってくれるため、ECサイトの購買促進にもつながります。


参考:ecbeing「AIデジタルスタッフ





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