アメリカの生の空気感を伝える『オッシュマンズ オンライン』
EC市場においてファッション・アパレル関連は人気の高いジャンルのひとつです。それゆえ競争は激化の一途をたどっており、いかに独自性を打ち出して他社との差別化を図るかがポイントになっています。
今回はアメリカのスポーツウェアを中心に取り扱っているオッシュマンズ・ジャパンの事例をご紹介し、ファッション・アパレル関連のECサイトにおける他社との差別化ポイントを探っていきます。
株式会社オッシュマンズ・ジャパンの概要
1933年にアメリカのヒューストンにアウトドア用品ショップの第1号店を出店したOSHMAN'Sは徐々に事業を拡大し、1960年代にはアメリカ南西部で最大規模のスポーツ用品店チェーンに成長しました。
そして1984年、OSHMAN'Sとイトーヨーカドーの業務提携により「アメリカ生まれのスポーツショップ」をコンセプトとするオッシュマンズ・ジャパンが誕生しました。
OSHMAN'Sの日本第1号店は原宿に出店され、1980年代はアメカジ、1990年代はサーフ系、2000年代はヨガやアウトドア系と、それぞれの時代のトレンドとスポーツを融合させたファッションを発信し続けています。
オッシュマンズ・ジャパンの特徴は、アメリカの生の空気感を伝える店内と品揃えにあります。バイヤーが定期的にアメリカを訪れ、現地の流行をいち早くキャッチする体制が取られています。
オッシュマンズ・ジャパンはスポーツウェアやスポーツギアをいち早くファッションに取り入れ、日本のストリートと融合させた立役者と言えるでしょう。
オッシュマンズ オンラインの特徴
『オッシュマンズ オンライン』は、セレクトショップのECサイトだからといって商品を冒頭から並べるのではなく、トレンドを発信するオッシュマンズらしさが表現されたECサイトになっています。
最先端トレンドや季節に合わせた特集
オッシュマンズの強みはバイヤーによるアメリカ現地のリサーチにあります。バイヤーが入手した最新のトレンド情報や新商品の情報は『オッシュマンズ オンライン』の特集ページに反映されます。
この特集ページでは、日本ではまだ馴染みの薄い新鋭ブランドの商品が紹介され、いち早くそれらの商品を入手することが可能です。
また梅雨の時期には防水グッズ、夏には水着やウェットスーツ、そしてスポーツの秋にはトレーニングウェアなど、季節に合ったアクティビティの特集も組まれており、ユーザーのニーズにタイムリーに応えています。
別注や限定商品などのレアアイテム
別注商品はカラーパターンやロゴなどが一般商品と異なり、販売数量が限定されることにより希少価値も生まれるため、他人とは違うものを持ちたい、レアアイテムを持ちたいというユーザーに人気があります。
『オッシュマンズ オンライン』では「オッシュマンズ別注」の商品を充実させて他社との差別化を図り、「ここでしか買えない」という特別感を与え、ファンの獲得につなげています。
トレンド情報を発信し購入につなげる
オッシュマンズ・ジャパンのコーポレートサイトにはヨガやサーフィンスクール、ランニングなど、様々なイベントの情報を掲載しています。
またスタッフブログで新商品のレビューを行ったり、バイヤーによる現地レポやおすすめアイテム情報を掲載したりするなど、さまざまな角度からトレンドを発信しています。
ユーザーに有益となる情報を発信し、そこから関連するスポーツウェアやスポーツギアの購買につなげる工夫の一つです。
Instagramとの連携
『オッシュマンズ オンライン』では、オッシュマンズで購入した商品の利用シーンをユーザー同士でシェアできるようになっています。Instagramでハッシュタグ「#oshmans_online」をつけて投稿すると『オッシュマンズ オンライン』に掲載されるため、他のユーザーのコーディネイトや商品の活用方法を知ることができ、購入の際に参考となるだけでなく、オッシュマンズのファンを育てることにも一役買っています。
トレンドを創出しファンを育成しよう
今回ご紹介した『オッシュマンズ オンライン』は、アメリカの最先端トレンドを発掘するバイヤーの存在と、バイヤーが持ち帰った情報を魅力的に伝える情報発信力、そして別注商品の企画や各種イベントを通じてファンを育成する取り組みで独自性のあるECサイトづくりに成功しています。
ファッションのトレンドは日々変化しているので、ファッション・アパレル関連を扱うECサイトにとって「情報の鮮度」は重視すべきポイントです。最新の情報をいち早く特集ページやブログといった形にして、タイムリーにECサイトに反映させなければなりません。そのためには更新が迅速に行えるECプラットフォーム製品を選択することも重要です。
自社商品を持たないセレクトショップでは、特に商品の目利きやファンを育成するための企画力が問われます。セレクトショップ系ECサイトを運営されている企業は、今回ご紹介したオッシュマンズオンラインの取り組みを参考にして頂き、ファン育成のための施策を検討してみてはいかがでしょうか。
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