ECサイトの構築方法|費用や手順・作り方を比較 【Web担当初心者でも簡単】
ECサイトの構築を行う場合にはまず、自社のECサイトの売上規模に合う、システムやサービスを検討することがとても大切です。
また、システムには立ち上げの際に発生する初期費用と毎月発生する月額費用があります。特に月額費用の料金体系は様々です。
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たとえば企業や個人事業主が「ECサイトを立ち上げて自社商品をネットでも販売したい」といったことや、現在ECサイトを楽天やYahoo!ショッピングで運営をしていて、いよいよ「自社ECサイトを構築したい」という場合もあります。他にも「現在のECサイトの機能が不満、サイトが重い!」などの、課題や不満からECサイトのシステムをリニューアルしたいということもあります。
また、コロナ禍の影響でECサイトの作成や構築に注目が集まっております。
日本各地での緊急事態宣言により、店舗での販売ができないケースや対面接客の方法そのものの見直しなど、コロナ禍における店舗での接客方法に大きな変化がおきております。
それらを補完する販売チャネルとして、ECサイトの役割は今まで以上に重要になってきております。
上記のような新規ECサイト構築、ECサイトのリニューアルを検討している担当者の方は多くいるものの、自社にとって最適なECサイト構築はどんな方法があるのか?という「疑問」から調査を開始するケースはとても多いです。
今回は、ECサイトの構築に関するさまざまな手段や手順をはじめ、各種メリット・デメリット、そして費用感・作成方法をとことんお伝えします!
ECサイトを運営するさまざまな構築方法とは?
ECサイトの構築を行う場合にはまず、自社のECサイトの売上規模に合う、システムやサービスを検討することがとても大切です。
また、システムには立ち上げの際に発生する初期費用と毎月発生する月額費用があります。特に月額費用の料金体系は様々です。
- サイトのアクセス数による課金
- サイトの売上による課金
- システム構成による固定費
上記をはじめ、利用するサービスごとに月額費用は異なります。
ECサイト構築方法 比較表|費用・拡張性に関して
構築方法 | サイト 年商規模 |
初期費用 | 月額費用 | 拡張性 (カスタマイズ) |
製品例 |
フルスクラッチ | 50億円〜 | 数千万円〜 | 数十万円以上 | 可能 | - |
パッケージ | 1億円〜 | 500万円〜 | 10万円〜 | 可能 | ・ecbeing ・コマース21 |
オープンソース | 1億円〜 5億円 |
0円 (制作費等は除く) |
10万円〜 | 可能 | ・EC-CUBE |
有料ASP | 〜1億円 | 〜10万円 | 〜10万円 | 不可 | ・Makeshop ・FutureShop |
無料ASP | 〜1億円 | 0円 | 0円 (手数料は除く) |
不可 | ・BASE |
クラウドEC・SaaS | 1億円〜 20億円 |
300万円〜 | 10万円〜 | 可能 (一部制限あり) |
・メルカート ・エビスマート |
海外クラウドEC・SaaS | 1億円〜 20億円 |
0円〜 (制作費・拡張費等は除く) |
10万円〜 | 可能 (一部制限あり) |
・shopify ・SalesForce CommerceCloud |
SNS | 〜1億円 | 0円 | 0円 | 不可 | ・Facebook |
まずはECサイトの構築方法として、上記5つのプラットフォーム(土台)を選ぶ必要があります。
サイト年商規模に関してはあくまでも目安になりますので、厳密なきまりはりません。それよりも重要なのは各サービスの機能や各社の特性、そして「初期費用」と「月額費用」「拡張性(カスタマイズ)」を把握して自社に合うサービスを見つける事です。
特に新規でECサイトを構築したいという企業に関しては、社内の予算や月々の運営費用に関わってくるので、「初期費用」と「月額費用」は必ず抑えておかなければいけないポイントです。
拡張性(カスタマイズ)に関しては、もともと備えているECサイトの機能に備えていない、新しい機能を追加する。外部のシステムと自動連携させていく。といったシステム自体に拡張が可能なのか?ということです。
それでは具体的にそれぞれの方法をご紹介します。
拡張性や機能が充実している「パッケージ」
ターゲット:EC年商1億以上の法人、販売方法が独自な商品を取り扱う法人
構築方法 | サイト 年商規模 |
初期費用 | 月額費用 | 拡張性 (カスタマイズ) |
製品例 |
パッケージ | 1億円〜 | 500万円〜 | 10万円〜 | 可能 | ・ecbeing ・コマース21 |
「パッケージ」とは、ECサイトに必要な機能をパッケージ化したシステムを指します。
ECパッケージには最初からカート機能や受注・売上管理、顧客管理などECサイト運営に必要な機能がパッケージとして含まれており、パッケージを基本とした自社サイト独自のECサイトを構築できます。
システム会社がパッケージ化している基本機能に無いものはカスタマイズをして機能追加をしていくことになりますので、システム会社がパッケージしている機能が充実していればいるほど、構築に時間と費用がかからないというメリットがあります。
そのため、年商規模が比較的大きいECサイトから小・中規模まで、幅広くさまざまな企業に採用されています。
関連記事:ECパッケージでシステム構築。最大のメリットは拡張性にあり!
ちなみに弊社が提供するecbeingは16年連続シェアNo.1、導入実績1,600サイトを超えるパッケージ型プラットフォームです。幅広い業種・業界で利用されている実績がありますので、同業種の事例を知りたいというEC担当者様や、こういうことをやりたくて似た事例を探している、というEC担当者様は是非一度お問合せください。
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他の構築方法としてオープンソースという方法もあります。パッケージの場合はソースを開示しているオープンソースモデルのパッケージと、ソース非公開モデルが存在します。
ではオープンソースとは何か?解説していきます。
「オープンソース」はリスクを把握し取り組むべし
オープンソースとはECシステムの内部構造(プログラムコード)が公開されており、だれでもプログラムの知識があれば、サイトの機能を追加したり改造したりすることができる、オープンなシステムを利用したECサイト構築手法です。
オープンソースのメリットとデメリットを見ていきましょう。
▼メリット
- 無料で使用できる
- だれでも開発が可能
- 様々なテンプレートやオプションが充実している
オープンソースは企業や個人が開発した一般公開されているプログラムでライセンス費用がかからず、基本的なECサイトを構築することができます。
国内で最も有名なオープンソースは『EC-CUBE』です。
オープンソースは、自由にカスタマイズが可能な為、機能的制約に縛られず、自由度の高い独自のECサイト構築を行うことも可能です。
▼デメリット
- 知見のある技術者が必須
- セキュリティ面に不安が残る
開発にあたっては技術者が必要なこと、不具合や障害があった際には自社の責任で対応しなければならない点は考慮しなければなりません。
だれでも開発が可能なので、ECの知見のない開発会社もオープンソースで対応可能。になります。その為、技術力やセキュリティ面の知見が不足した結果、システム障害や個人情報漏洩等の大きな問題に発展する可能性があります。ここ数年でも多くのオープンソースで個人情報の漏洩事故が発生してしまっているのが現状です。
また、オープンソースの場合、開発会社を都度変えることも可能といわれております。
しかし、実際には他社が作成したシステムを別の会社がそのまま引き継ぐということは他社が作成した仕様面の理解、プログラムをゼロからチェックする必要などがあり、現実的には完全に引継ぎで拡張を続けるのは責任問題等も発生しがちでとても難しいです。
自社内にエンジニアがいる場合や信頼のおける開発会社がいて、セキュリティアップデートや対策をしっかりと講じる事ができる場合等は良いかもしれません。
さて、自社に最適なサービスの大枠がみえてきたところで、ECサイトオープンまでの手順を詳しく解説していきます。
会社でどうしても予算が決まってしまっている!という方は「予算別のECサイト構築方法を徹底解説!」をご覧ください。
無料で使える「ASP」は手軽に始められる
ターゲット:個人事業主、試験的にECサイトを始める法人、EC年商1,000万円以下の法人
構築方法 | サイト 年商規模 |
初期費用 | 月額費用 | 拡張性 (カスタマイズ) |
製品例 |
無料ASP | 〜1億円 | 0円 | 0円 (手数料は除く) |
不可 | ・BASE |
代表的な無料ASPとしては、【BASE(ベイス)】や【STORE.jp】が挙げられます。両者ともに無料で簡単にECサイトを構築できる人気のサービスです。
無料ASPの特徴としては、インターネット系の専門知識も不要で、だれでも簡単にECサイトを立ち上げが可能です。
BASEは初期費用や月額費用も無料であり、販売したい商品数に関しても、制限がありません。STORE.jpも同じく初期費用と月額費用は無料ですが、プレミアムプラン(980円/月)があり、このプランにすることにより、販売商品数は無制限、集客支援のサービスも利用が可能になります。
ECサイトでは決済手段の豊富さも、お客様の幅を広げるのに重要です。その一方で共通のECプラットフォームの為、外部システムとの連携やフロントや管理画面(バックオフィス)の拡張性(カスタマイズ)が低く、 独自のECサイトを構築することや運営するということが難しいというデメリットもあります。詳しくは「無料でECサイトを構築するメリットとデメリットとは?」をご覧ください。
機能が充実してリーズナブルな有料ASP
ターゲット:ECに本気で取り組む個人事業主の方、試験的にECサイトを始める法人、EC年商1,000万以下の法人
構築方法 | サイト 年商規模 |
初期費用 | 月額費用 | 拡張性 (カスタマイズ) |
製品例 |
有料ASP | 〜1億円 | 〜10万円 | 〜10万円 | 不可 | ・Makeshop ・FutureShop |
ASPには有料でシステムを提供しているサービスもあり、有名なところでは「MakeShop」や「Future Shop2」などがあります。
初期費用や月額費用も1万円以下でスタートできるものも多く、無料版と比べて「サポート」や「機能面」の充実が特徴で、外部ツールと連携するなどの機能拡張にも積極的で、時流に応じた新しいサービスが比較的早く利用可能になるのも特徴です。
ASPのシステムは基本的にはカスタマイズを行わないため、利用している企業が共通のシステムを使うというところが特徴で、ASPのシステム自体が保有している機能の追加や拡張が簡単におこなえないケースも多い為、、外部サービスとの連携を行って機能拡充を行っているケースが多いです。
業務効率改善を目的とした自動化等さまざまな対応が必要になるケースが多く、ASPの場合はカスタマイズができないため、有料ASPから卒業し、拡張性の高いプラットフォームへの乗り換えが必要になってきます。
それではその拡張性の高いプラットフォームをご紹介していきます。
クラウドサービス
構築方法 | サイト 年商規模 |
初期費用 | 月額費用 | 拡張性 (カスタマイズ) |
製品例 |
クラウドEC・SaaS | 1億円〜 20億円 |
300万円〜 | 10万円〜 | 可能 (一部制限あり) |
・メルカート ・エビスマート |
クラウドサービスというのはASPと似ておりますが、ユーザーがインフラやソフトウェアを持たなくても、サービスを必要な時に必要な分だけ利用するサービスとなります。
国内では【メルカート】や【ebisumart】というサービスが代表的です。各社ごとに当然機能は異なりますが、自分たちに必要なサービスだけを使うことができるのが特徴です。
さらにクラウドサービスの場合、サービスの利用とさらにカスタマイズを行うことが可能なモデルもあるので、ASPでこれから売上アップを狙っていきたいという場合に、限界を感じた次のステップとして採用する企業が多いです。
月々数万円のASPほど廉価ではありませんが、必要なサービスだけを絞って利用することができるので、コストを抑えた利用が可能となります。
関連記事:クラウドECプラットフォーム『メルカート』でECサイト構築
また、クラウドサービスには【Salesforce社 Commerce Cloud】のようなグローバル企業を中心とした、大規模ECサイト向けのクラウドサービスもあるので、クラウド=中堅向けとも言い切れません。
クラウドサービスでも各社強みにしている内容は異なるので、クラウドの性質を理解した上で、各社のサービスの違いを理解していくことが大切です。
クラウドサービス(海外ソリューション)
構築方法 | サイト 年商規模 |
初期費用 | 月額費用 | 拡張性 (カスタマイズ) |
製品例 |
海外クラウドEC・SaaS | 1億円〜 20億円 |
0円〜 (制作費・拡張費等は除く) |
10万円〜 | 可能 (一部制限あり) |
・shopify ・SalesForce CommerceCloud |
最近では海外のECクラウドサービスを国内企業が導入するケースも増えてきました。
代表的なサービスとしては【Shopify】や【SalesForce CommerceCloud】といったサービスがあります。
Shopifyはカナダ発祥のグローバルに展開するECクラウドサービスです。
国内ではまだ、日本語対応やローカライズ等の部分で課題はあるものの、初期費用や月額費用も有料ASPと大差がないため、導入を検討する国内企業も増えてきております。
海外のソリューションの場合、基本的には英語で作成されたものを翻訳して提供しているので、サポートや管理画面の一部などまだまだ英語の部分が残っていたりするので、英語での運用が全く問題ない場合は良いサービスです。
海外のソリューションの特徴として、製品本体は海外で製造されており、導入には別途国内のインプリベンダーと呼ばれる導入支援やカスタマイズをおこなうベンダーを別途選定する必要があります。
インプリベンダーのECに対しての知見や実績数によって左右される可能性があるので製品の見極めだけでなく、導入製品決定後もしくは同時並行でインプリベンダーの選定も2重にはなりますが、重要な要素となります。
また、月額費用に関してもしっかりとしたシュミレーションが必要となります。
海外のソリューションの場合、月額費用の一部ライセンスなどの費用が売上連動になっていたり、アクセス数によって費用があがる従量課金の料金体系になっているケースが国内のソリューションより多い傾向にあります。
提示された額は最低限のスタート金額で、実際にスタートし売上が伸びれば伸びるほど月額のコストも比例してあがってきてしまい、利益を逼迫する可能性もあるので特に月額のシュミレーションをしっかり行うことも重要となります。
グローバルECソリューションのもう一つの特徴として、システムに自社の事業を合わせる必要があります。また、運用後のトラブル対応等含めて自社責任での運用する必要性がでてきます。
国産のECパッケージであれば、日本の商習慣や自社の業務にあわせたシステムでEC事業者の業務を把握し、製品開発からカスタマイズまで一貫して提供できます。導入後の運用サポートまでトータルサポートが可能です。
グローバルECソリューションの特徴と課題点まとめ
特徴1:エコシステム
グローバルECシステムは、複数の製品がお互いに連携することで、1つのシステムとして形になる「エコシステム」というモデルを多く起用しています。
ユーザーが自社のビジネスに合わせてサービスやアプリを取捨選択することが可能となっています。
▼課題点
- 提供するアプリベンダーが“海外”の場合が多く、サポートが難しい
- 個人情報などのデータがECソリューションに集約されず、各サービスに点在するセキュリティリスク
- トラブルが発生した場合の原因切り分けや責任をEC事業者側の責任で対応する必要がある
- アプリ同士の相性から速度低下を招く可能性がある (相性の問題や削除しても一部ソースが残り遅延等が発生する可能性)
- 海外のサービスが多い為、利用していたアプリ自体のサービス提供が停止したり終わる可能性がある
特徴2:サポート体制
グローバルなECソリューションの場合、
製品開発:海外で開発
適用:日本国内のインプリベンダー
製造体制と導入を行うベンダーがそれぞれ異なります。
▼課題点
リソース、経営基盤
インプリベンダーのリソース不足による品質低下や経営基盤の安定性などに不安の残るベンダーも多く存在し、継続的なサポートに課題があります。
また、優秀なエンジニアがどれだけ確保できる会社なのか。優秀なエンジニアを採用するにはコストだけでなく、その企業自体の採用力が重要です。
また、24時間365日+緊急連絡先を提供するインプリベンダーはとてもすくなく、平日の営業時間にメールでの対応というレベルがほとんどです。 緊急時の対応などで致命的な問題になりかねません。
責任分界点の曖昧化
製品開発と導入が分かれることにより、トラブル時の責任範囲が問題なる場合があります。
また、製造元は海外の為、しっかりとしたメーカーサポートは期待できず、コミニュティなどからEC事業者自身が責任をもって解決する必要性があります。
リリース後のサポート
リリース後にメーカーサポートという概念がまず存在しません。
問い合わせに関しても英語対応や、インプリベンダー経由での問い合わせなどは可能ですが、不具合への対応などはアプリ単位で都度異なる海外の制作会社に行う必要があり、対応難易度が高い傾向にあります。
特徴3:日本の商習慣への対応
代引き、国内サービス
代引き手数料の事前徴収などに対応していないケースがいまだにあります。
また、日本国内では独自の決済( PayPay、楽天Pay 等)や国産サービスが多く存在します。
グローバルECソーシャルの場合、対象が日本だけではありませんので、グローバルなサービスとの連携は豊富な一方、日本国内独自のサービスへの対応は必然的に対応外の場合や、リリースが遅くなるといった課題があります。
特徴4:カスタマイズ性
グローバルなECソリューションの場合、買い物カゴ以降のカスタマイズと管理画面のカスタマイズに対応できないケースがほとんどです。
結果として、業務に最適化できず、自社の業務をシステムにあわせて変更し運用せざる負えません。
誰もが簡単に始められるSNSのECサイト
代表的なSNSでのECサイトはFacebookやInstagramがあげられます。身近なSNSでだれもが簡単にECサイトを始められるようになってきています。
Facebookショップは2020年6月16日より日本で提供開始されました。Facebook上にオンラインショップを無料で開設できる機能です。
ユーザーは企業のFacebookページやInstagramのプロフィール、ストーリーズからFacebookショップにアクセスでき、 Facebookショップに掲載されている商品の中から、ユーザーの興味のある商品を保存したり注文したりすることが可能になります。
また、Instagramでは新しいECの機能として、Instagramショップという機能が今年の夏に、まずは米国から開始されます。
Instagramの発見タブに「Instagramショップ」という機能が追加され、今までにはない、新たな方法で興味のある商品を探し、さらには購入できるようになります。
Facebookショップ・Instagramショップの詳細についてはこちら⇒
Facebookショップとは?国内で提供開始!Facebook上に無料でオンラインショップを開設
ECサイト構築の手順
サービスの選定
これは無料ASPでも、有償ASPでも、クラウドサービスであれ、すべてにおいて利用するサービスの選定が必要となります。選定には各サービスの特性だけでなく、
- コスト
- 機能充実度
- セキュリティ
- サポート体制
などから最適なソリューションを選定することが重要です。
まずはどういうサービス形態を利用するかを決定した後、それぞれ比較する要素を解説したいと思います。
コスト
無料ASPでも完全にすべてが無料というわけではありません。多くの場合、クレジットカード決済などを利用する際の手数料が発生します。
他にもアイテム数によって追加費用が発生する場合等、サービスによってさまざまな形で特に月額費用が発生しますので、まず各サービスでどういう費用が発生するのか?そして自分たちのECサイトでは、どれくらいの月額用(維持費)が発生するのかを比較することは重要です。
上記に挙げたASP、オープンソース、パッケージ、フルスクラッチそれぞれの構築方法では、利用している企業のEC年商規模に大まかな傾向があります。
機能充実度
標準で備えている機能がどれだけ充実しているか?ということも選定基準として非常に重要です。
ECサイトを運営する機能分類としては大きく分けて2つあり、商品を販売するためのフロントエンド機能と受注や商品を管理するようなバックエンド機能があります。詳しくは「ECサイト担当者のフロント業務、バックエンド業務を徹底解説」で解説しています。
各システムそれぞれ様々な機能を備えていますが、当然ASPよりはクラウドサービスやパッケージの方が機能充実度が高く、標準機能にない機能はカスタマイズでつくることができるので、独自のECサイトを構築するには後者のプラットフォームの方が向いています。
関連記事:ECシステムの構築は「パッケージ」と「ASP」どっちが良いの?
セキュリティ
ECサイトにとってセキュリティ対策はとても重要です。
2017年〜2020年までセキュリティ事故、特に個人情報の漏洩事故とクレジットカード情報漏洩事故は増加傾向にあります。
さらにコロナ禍になった現在はECサイトの利用も増え、より注意が必要となります。
100点満点の万全なセキュリティはありませんが、ECシステムおよびインフラ部分、システムを提供しているベンダー内のセキュリティに関しても重要です。
関連記事:ECサイト構築の際に必要なセキュリティ対策は外部対策だけでない!
個人情報の漏えい事故について詳しくは、「個人情報漏えい事故多発!ECサイトのセキュリティについて」で解説しています。
個人情報の漏洩事故が発生すると数か月にわたってサイトの停止や調査等が発生し損害は数千万に上ることもあります。
サイト運営の継続が危ぶまれる危険性があるのが個人情報漏洩事故になる為、セキュリティ対策はしっかりとどのような具体的対策を実施しているかをシステム面、インフラ面、サポート面、企業としての取り組みなど多面的にしっかりと見極める事が重要となります。
セキュリティ強化の参考に下記もご覧ください。
関連記事:3Dセキュア2.0とは?ECサイトのセキュリティ強化のためのアップデートされたクレジットカードの本人認証
サポート体制
サポート体制とは、ECシステムを提供しているベンダー(業者)の体制のことです。サポート体制といっても多岐にわたり、
- プラットフォームを提供する
- ECシステム構築をする
- デザイン作成をする
- 機能を拡張(カスタマイズ)する
- 売上をアップする
- 広告運用をする
上記のようなサービスを提供しているベンダーもあります。
各ベンダーによってもどこまで対応できる体制があるのか?それを実行する人的リソースはあるのか?ということを把握しておく必要があります。
せっかくAというベンダーが多くのサポート体制を整えていても、「今は人が空いていないので半年待ちです」なんてことも多くあるので、注意が必要です。
サポートには人的リソースの数はとても重要です。
100サイトを1名がサポートするのと10名でサポートするのではやはりどうしても1社あたりにかけるサポート時間が変わってしまします。
また、構築時のメンバーがサポートを継続してくれるのか?サポート専用部隊がサポートを行うのか。という部分も重要なポイントです。
一番安心なのは、構築段階からやりとりをしているメンバーがサポートまで継続してくれるのが望ましいと言えるでしょう。
ECサイトをオープンするまでの作業手順
ASPの場合
サイトのURLをまず決めます。その際に「独自ドメイン」にするのか、「サブドメイン」にするのかを決めておく必要もあります。
そもそもの独自ドメインが何かやメリットなどに関してこちらを見てみてください。
関連記事:ネットショップには独自ドメインがいい?メリット・デメリットを解説!
テンプレートに関しては、大体どこのASPサービスを提供している会社であれば数十種類は用意されています。
基本、どんなコンセプト、ターゲットに向けてECサイトをオープンするかでテンプレートは決めるべきです。
例えば、年齢層の高い人がターゲットなのに、おしゃれすぎて文字が見にくいデザインテンプレートを選んでしまえば、ユーザビリティがいいとは言い切れません。
いかに、利用する方のことを考えてデザインテンプレートを選ぶかが重要です。
また有料ASPの場合は、自分で自由にデザインができる場合もあります。
その際には他の参考サイトなどをみて、検討してコンセプトとぶれないようにデザインしていく必要があります。
さらに、その場合はコーディングも自分たちで行う必要がありますので、HTMLやCSSの知識も必要になります。
商品登録に関しては、お客様が一番見る部分です。なので、商品名のつけ方や画像一つで与える印象は大きく変わります。
基本的にはわかりやすく、見やすいものを選んで設定してあげるのがいいと思われます。
また写真も一枚ではなく別のカットや色違いなども入れてあげると理解が深まり親切です。
もちろん、価格設定、在庫、説明文もしっかりと考える必要はあります。
ここまで設定が終われば、その後には必ずテスト注文を行います。
これをやらないと、そもそも売上につながるはずだったものがつながらなくなったり、万一の際にはクレームにも繋がります。
特に決済回りはクレジットカード決済以外にも、代引き決済や銀行決済、後払いなど複数ありますので、必ずちゃんとできるか確認しておく必要があります。
オープンソースの場合
オープンソースは知識があれば自由にカスタマイズもおこなえることが特徴です。
要件をまとめ、必要な機能を洗い出したのち、オープンソースをダウンロードして設定を行います。そこから、デザインまで行っていきます。
無料でECサイトを作れるというところは魅力ですが、前提として、フロントを構築する知識としてHTMLやCSSの知識が必要です。
テンプレートがあっても、自分でコーディングの調整をする必要があります。
そのため、ASPよりは導入はスムーズにはできないと思われますし、決済関連も自分たちで0から設定しなくてはならないためテストは必要以上に行う必要があります。
何より毎年どこかの企業が情報漏洩をおこすくらいセキュリティ面は穴があるため、公開される脆弱性情報については常にチェックしていなければなりません。
パッケージ、クラウドの場合
上記で上げたASPの場合と重なる部分もありますが、前提としてパッケージやクラウドはシステムから構築していくため、ASPのように最短でその日からできるといったことは難しいです。
システム構築には何が必要か、ざっくり考えても下記のフローが必要になります。
- @事業者様側のプロジェクトチーム発足
- Aどんなサイトを構築したいのかを検討する
(RFPの作成:目的、費用、スケジュール、なにで構築するのか?) - B開発会社を決定する (開発会社の調査、選定方法(各開発会社にお問い合わせ)、コンペ、決定、社内の承認)
- C開発するシステムの要件を決定する(要件定義)
(業務フロー、サーバ会社、デザイン会社、決済方法、配送方法) - D進捗確認や定例会議で状況を把握。
- Eサイトの運用準備を行う
(メールフォーマット、データ移行、運用ルール決定、保守・監視会社)
詳しく要件定義などについて知りたい方はこちらをご覧ください。
関連記事:ECサイトのリニューアル手順 費用や企画書も含めて完全解説
関連記事:ECサイト制作の手順や費用を解説!失敗しないためのポイントとは?
ここまでしっかり土台を作る意味としては、それだけ自由に自分たちが考えるビジネスやコンセプト、目的をECサイトに取り入れることができます。
ただ機能を充実させるのではなく、自分たちが叶えたいことが前提にありそれを実現するために機能があるという、全てのことに根拠や理由を持たせることで効率よくECサイトを運用することができます。
ECシステムの乗り換えのポイント
ここまで、どちらかというと新規でECサイトを立ち上げる際の話がメインでしたが、すでにECサイトを持っており、システムのパワーアップを図るために乗り換えをご検討されている方もいらっしゃると思います。その際に気を付けておいたほうがいいポイントをご紹介します。
お客様がブラウザに覚えさせている会員ログインの「ID」と「パスワード」が無効になる
普段であれば、ECサイトの既存利用者はログインしてお買い物を行います。その際、自動でログインできるように、使用しているPCのブラウザにクッキーで「ID」と「パスワード」を覚えさせていることが多いです。
システムが変われば、当然覚えさせていた「ID」と「パスワード」は無効になります。
結果として再度お客様にログイン認証を求められることになります。それにより既存顧客の離脱原因にもなります。
対策として、リニューアル後にログインを促進するようなキャンペーン等を実施検討して準備しておく必要があります。
SEO設定の引継ぎ
リダイレクト設定などせずに、システムを変えて別のURLにしてしまったとき検索からの流入数は一気に減ります。
そのため、リニューアルする前には検索流入からの量が多いページを把握しておくこと、そのページをリニューアル後おなじURLで残すこと、もしくはリダイレクト設定をしておくこと、などを把握しておく必要があります。
システム変更のタイミングでレスポンシブ化
仮に今までスマホサイトがなければ、逆に回遊がしやすくなる可能性はありますが、セパレートからレスポンシブに変える場合、セパレートはスマホに特化して自由にデザインや回遊性、訴求を提供できますが、レスポンシブはPCのデザインをスマホのことも意識して設計するため、PCとスマホ両方100点のデザインにすることは難しいです。
その影響でどちらかのデバイスで使いにくさなどが発生してCVRが下がる可能性も考えられます。
ECサイト構築まとめ
ここまでお読みいただきありがとうございます。
まず、ECサイトを構築するには5つのプラットフォームを選ぶことから始まります。5つのプラットフォームとは、
@無料ASP
A有料ASP
Bクラウドサービス
Cパッケージ
Dオープンソース
の5つから、自社のECサイトの規模感や費用、お客様に提供したいサービスなどから選定をします。
どのプラットフォームで構築するかを決めたところで、その中でも各社様々なECシステムを提供しているので、各システムのサービスを比較していきます。
- コスト
- 機能充実度
- セキュリティ
- サポート体制
上記4つの要素を中心に比較をしていけば、自社のECビジネスにあったシステムを選定することができます。比較項目の詳細は「ECサイト構築システム・ベンダーの比較項目、比較表の作り方」で解説をしています。
またECサイトを制作する前に簡単な計画表を作り、目標を立てることもECサイトを運営する上で大事になってきます。
例えば「初年度は月商100万円を目指し、3年後には10倍にする」など、より具体的な目標を提示し、達成するために1年間をどのような施策を行う必要があるのかを考えます。
もちろん何かを行うにはコストが発生しますので費用対効果を考慮して検討する必要がありますが、利益を考える上では必要になります。
特にECサイトを構築後に最初の課題の多くは集客です。集客はSEOなどで地道にやっていくにしても、広告を行うにしてもコストがかかります。
いかに効率よく、結果を出していけるかが鍵になります。そういったことを考えるためにも、まずは計画を立てることが大切です。
ecbeingでは16年連続、1,600サイト以上に導入をしているECパッケージ「ecbeing」とクラウドサービスの「メルカート」を提供しております。
これからECサイトを運営したいというスタートアップのから、オムニチャネルを見据えた中〜大規模リニューアルをはじめ、有名・大手企業のECサイトに導入をいただいております。
ぜひECサイトを構築したいという場合は、お気軽にお問い合わせください。
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