【株式会社ビームス様インタビュー 〜前半〜】ビームスが目指す次世代デジタル戦略のプラットフォーム化

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▼株式会社ビームス
1976年、東京・原宿に6.5坪の第1号店をオープンし、ファッションとライフスタイルにまつわるあらゆる物を世界中から仕入れ提案するセレクトショップの先駆けとしてスタート。
メンズ・ウィメンズ・キッズを中心としたデイリーウエアからビジネスなどのオンスタイルまで幅広いアイテムを取り揃え、雑貨、インテリア、音楽、アートなどファッション以外のカテゴリーなど多種多様なスタイルのレーベルを展開。
国内外に約150店舗のショップを構えながらも、アパレル以外の異業種との協業やさまざまなブランドとのコラボレーションなどの取り組みも数多く行い、個性豊かなモノやコト、新たなライフスタイルを提案している。

今回は株式会社ビームス 執行役員 DX推進室 室長 兼 オペレーション本部マーケティング部 矢嶋 正明様にお話を伺う。
後編:「ビームス様インタビュー後編」構築時の対応【内製化と外部連携編】はこちら

▼今回ご利用頂いたecbeing基本パッケージ
BtoC(ecbeing基本パッケージ)

▼今回ご利用頂いたカスタマイズ
・オフィシャルサイトとオンラインショップのサイト統合
・店舗とオンラインショップの顧客データ一元化
・基幹システムとの商品・売上連携
・WMSとの在庫・出荷連携
・CMSとの投稿データ連携
・検索エンジン連携

リニューアル・WEB統合化の背景

ビームスが目指す次世代デジタル戦略のプラットフォーム化

当初、オフィシャルサイトと自社ECサイトの2つを別々の部署で運営しておりました。
これ自体は、一般的にはごく当たり前のこととされますが、お客様の導線を考えた時には、各サイトを離脱して、相互を行き来しているという状況であることで、ユーザビリティーの視点やマーケティングの分断、非効率な運営面からしても、あまり好ましい状況では無いととらえておりました。これ以外にも、各レーベルごとに独自ドメインが乱立しており、バラバラな管理と、煩雑な運用が弊社内部の課題となっていました。

また、自社ECは2009年3月の立ち上げからサブドメインで運営しておりましたが、2013年になる頃には急激に成長していました。もともとオフィシャルサイトはモノやコトなどの情報を深く掘りさげ、BEAMSの個性や多面性を表現する異なる役割があった中ではありますが、メインのドメインを超える成長をとげているという逆転現象が存在していました。

すでに、一般的なファッションブランドのホームページの役割はお客様に対して限定的であり、新たなイノベーションが起こる場では無くなってきていたことも背景にあります。
その頃は、どこの企業もスマートフォン対応を命題としていたと思われますが、弊社としては、ブランディングやマーケティングとともに、在庫の管理や、顧客管理の統合によるCRMを推進するといったことが、ECサイトを中心に行われるフェーズが加速してきたと実感しており、ビームスとしてそもそものホームページがどうあるべきかという観点でずっと考えておりました。

これらの様々な課題を解決するべく、今回自社ECサイトのリニューアルと、オフィシャルサイトの統合というプロジェクトを企画立案し、スタートさせました。表面上はただのサイト統合に見えますが、実際はリアル店舗とのオムニチャネル化を見据えた、次のデジタル戦略として、ビームスが目指すプラットフォーム化を実現することが目的でした。

採用のポイント

未来のビジョンを理解し、共にゴールを目指せる会社

まず、プロジェクトの進行に際し、ECサイトの構築に関しては、幅広くシステムを提供できる企業があることは理解していましたので、大手SIer(エスアイヤー)企業から、小回りの効きやすそうな企業まで幅広くあたりました。
しかし、弊社の要望をまとめたRFPを提示していく中で、どの会社様もECのリニューアルは対応出来ても、その先にある、オフィシャルサイトまで含めてプラットフォーム化したいという開発に関しては、難易度が高かったことから、ある程度限られた会社様からコンペを開催しました。
弊社内では、関連部署ごとの意図や想いはそれぞれありましたが、どの会社様であれば一番一致したゴールを一緒に描けるのかということが重要な評価軸でした。
その中で、ecbeingさんからのご提案内容が、弊社の未来のビジョンを一番理解して頂き、具体的だったことも含め信頼できましたので、採用を決めました。

また、ecbeingさんは、もともと幅広い業種の企業をクライアントとされているという実績をお持ちですし、弊社の競合となるファッションブランド様へECシステムを提供されている経験がある点も評価ポイントの1つでした。

構築時の対応【ecbeing対応編】

過去最大難易度のリニューアルに挑む

今回、弊社プロジェクトをご担当して頂いた開発チームの皆さまは、本当にプロフェッショナルだという印象を受けました。最初から最後まで一貫して非常に高いパフォーマンスを発揮して頂きました。
今回のプロジェクトは、まず1次フェーズとして、自社ECのフルリニューアルを今年の5月に実施。その後、2次フェーズとして、9月にオフィシャルサイトとの統合という2段階を踏むというところが、プロジェクトの難易度として非常に高かったと思います。

まず、1次フェーズとして自社ECリニューアルにおけるミッションは4項目ありました。
@ 自社ECサイトのWEBデザインと裏側の管理システムを全面刷新すること
A リアル店舗も利用している顧客管理システムをECと統合させ、新しく入れ替えること
B 自社物流においてB to Cの個人配送業務を新規で立ち上げること
C 自社EC専用カスタマーサポートを新設すること、となります。
@〜Cのそれぞれどの項目もEC運営においては非常に重要で、失敗の許されないものばかりです。自社EC物流は本当にゼロからのスタートですし、その他の項目も経験や知識が乏しい状況で取り組みました。その際も、ecbeingの皆さんとは二人三脚で、16社もの連携先企業と接続を完了させ、5月のリニューアルに漕ぎ着けました。

また、さらに難易度を上げていた要素として、1次フェーズの開発からデータの移行、各種テスト、ローンチまでの期間と、2次フェーズの要件定義や基本設計と開発が、数か月に亘って同時に重なるスケジュールで進行していたのです。その間は、いろいろなタイミングで、プロジェクトの難所となる峠が何度も訪れました。
2次フェーズの要件定義や設計は、今年の1月後半から2月ぐらいに始めましたが、弊社や開発に参加いただいている各システムベンダー様にとってもその時期は、まだ世に出ていない自社ECサイトの設計書を頼りに想像しながら進めなければならず、大変苦労しました。
また、2次フェーズの統合サイトのデザインについても、同じことが言えました。デザインも重要視していましたが、如何に1次フェーズ(自社ECサイト)に2次フェーズ(統合サイト)の仕様を盛り込んで違和感のないサイトにするかにおいても、そのタイミングで決めていく必要があり、困難を極めました。

さらに、1次フェーズがローンチする1か月前の時点でもHTMLやスクリプトの修正、デザイン適用に関する課題項目が数百件あったものをデザイン会社様と対応しながら、OPENに間に合わせていただいたこと。そして、2次フェーズの開発を同時進行していたことを考えると、本当に想像を絶する苦労があったと思います。
それを、ご担当して頂いたecbeing社の開発チームの方々は、本当にうまく先頭に立って、舵取りをして頂けたと思っておりますし、かなりの離れ技だったのではないでしょうか!?

「ビームス様インタビュー後編」構築時の対応【内製化と外部連携編】につづく

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