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    ワールドスポーツが長年続けるオムニチャネル施策で店舗受取での注文が倍増
    〜釣り業界独特のコンテンツやハウス電子マネーで顧客のファン化と販促を強化〜

ワールドスポーツが長年続けるオムニチャネル施策で店舗受取での注文が倍増
〜釣り業界独特のコンテンツやハウス電子マネーで顧客のファン化と販促を強化〜

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公開日:

「釣りがつなぐ笑顔の先へ…」を企業理念に掲げ、釣りを通じてオフラインでもオンラインでもお客様が今すぐにでも釣りに行きたくなるようなお買い物体験を提供し、豊かな生活への貢献活動に取り組まれる株式会社ワールドスポーツは、2016年に「キャスティングオンラインストア」を構築し、当時はまだ少なかった実店舗とのオムニチャネル化をスタートしました。
今回はそのサイト構築の目的や戦略、効果、そして現在・今後のお取組みについて、株式会社ワールドスポーツ 山ア 郁夫 氏と清水 仁 氏にお話し頂きました。

株式会社ワールドスポーツ 山ア 郁夫 氏 
株式会社ワールドスポーツ 清水 仁 氏(上記写真被写体)

業界/業種
釣用品の卸売業
運用形態
オープン型
導入ソリューション
ecbeing/visumo
目的/課題
・モール販売だけでなく自社ECとしてオンライン販売を強化したい。
・店舗とECの相乗効果を狙ったオムニチャネル施策を実施したい。
導入効果
・ポイントを共通化しオンラインでもオフラインでも変わらない購買体験を実現。
・店舗受取で店舗スタッフがアップセル・クロスセルに繋げ売上拡大
・店舗とECの双方で活用できるコンテンツで顧客のファン化

「釣りがつなぐ笑顔の先へ…」を企業理念に掲げ、釣りを通じてオフラインでもオンラインでもお客様が今すぐにでも釣りに行きたくなるようなお買い物体験を提供し、豊かな生活への貢献活動に取り組まれる株式会社ワールドスポーツは、2016年に「キャスティングオンラインストア」を構築し、当時はまだ少なかった実店舗とのオムニチャネル化をスタートしました。
今回はそのサイト構築の目的や戦略、効果、そして現在・今後のお取組みについて、株式会社ワールドスポーツ 山ア 郁夫 氏と清水 仁 氏にお話し頂きました。

株式会社ワールドスポーツ 基本情報

<社名>
株式会社ワールドスポーツ
<創業>
1970年7月
<事業内容>
・釣用品の販売や旅行業

先進的に進めたオムニチャネルで効率的に販売促進

サイトTOP画面

新規サイト構築をおこなった背景と目的について教えてください。

山ア氏:自社ECを始める以前はモール出店で商品を販売していましたが、よりオンラインでの販売を強化するにあたり自社EC構築を検討しました。当時オムニチャネルのスキームが出始めたころで、オフラインとオンラインを繋ぎ集客を含む相乗効果に期待が持てましたので、先駆けてオムニチャネルも視野に入れた自社ECの構築を会社として進めることになりました。

ECサイト構築にecbeingを採用いただいた理由を教えてください。

山ア氏:複数のベンダーさんにお声がけしてお話を聞いていたのですが、当時は先進的な取り組みでしたので難しいと判断されるベンダーさんがほとんどでしたが、ecbeingさんは快く引き受けていただき、プロジェクトが始まりました。
実際ecbeingさんの担当者と一緒に構築をするにあたって安心感もあり、お願いしてよかったと当時強く感じたことを今でも覚えています。

当時まだオムニチャネルという手法が珍しい時代に、どのようにして導入を進められたのか教えてください。

山ア氏:当時各店舗のスタッフも「オムニチャネル」というものがどのようなシステムなのかわからないところからスタートしていますので、研修や店長会議、メンバーへの説明を通じ、1年をかけてオムニチャネルという取り組みを定着させました。

もともと店舗専用のポイントカードがあり、ecbeingさんでECサイト構築すると同時にポイントも共通化することでお客様にオンラインでもオフラインでも変わらぬ購買体験を実感いただけるようにしました。それに合わせてスタッフのオペレーションもガラッと変わりました。
またオムニチャネルにおける一番のポイントは、ECでお客様が注文し店舗決済をすると店舗の売上になるという座組の理解を社内に浸透させるところでした。
リアル店舗は物理的な売り場面積の制限があるため、どうしても品ぞろえに上限があります。地方の3割ほどの店舗からすると、例えば甲府店の場合、磯釣り・海釣りのサーフやリール等を購入するお客様が一定数いるのですが、どうしてもターゲットとして甲府という土地柄、海に面していないため海釣り用の商品を在庫できないでいました。
今まで甲府店にて海釣り商品のお問い合わせがあった場合は、仕入先に確認し在庫の有無、入荷についてやりとりをおこなっていましたが、オムニチャネルによりECの在庫をあたかも実店舗の在庫のようにお客様へ提案することができるようになりました。
在庫数もリアルタイムでわかり、弊社の物流に対し接客スタッフがタブレットで発注すると店舗決済で2日後には商品が届くという流れが生まれ、今まで以上に効率的に販売を促進することができるようになりました。

お客様にとってもオムニチャネルを通じた購入体験は当時新鮮だったかと思いますが、当時お客様にどのような成功体験を与えることを戦略として掲げていたのでしょうか。

山ア氏:お客様視点でいうと、店舗にお客様が来店し欲しい商品が見つからない時に店舗スタッフに「この商品ってありますか?」と聞く方は正直1割ぐらいしかいません。
そういった現状の中で、オムニチャネルでお客様に一番実感してほしかった成功体験は、「キャスティングという店は店頭に商品がなくてもスタッフに相談するとタブレットで注文してもらえる」という今では当たり前になりつつあることを、お客様に認知していただくことでした。実際その認知には約3年かかりました
当初は店舗に在庫がない商品に関しては、店舗スタッフが接客しながらタブレットで注文をおこなっていたのですが、今では積極的にお客様が弊社のECサイトに訪問してもらいご自宅で購入するケースも増えているので、だいぶ認知が広がってきたのではと感じています。
また最初のころは店舗内にオムニチャネルコーナーというエリアを設け、お客様が自発的に店内のデバイスを使って注文できるようにしていましたが、現在はお客様に成功体験がはぐくまれ、お客様自身でECにおいて店舗受取での注文ができるというのが当たり前となりそのエリアもなくなっています。

清水氏:お客様自身での注文が増えたため、店舗スタッフが接客しながらタブレットで注文すること自体減ってはきていますが、店舗での活用がどんどん根付いてきています。 以前は慣れていないためアナログで注文を取るスタッフもおり、ばらつきがあったのですが、今はまずオンラインストアで探し、お取り寄せするといったオペレーションの形に変わってきています。

オムニチャネルを成功させるポイントとして店舗スタッフの関りが重要となりますが、どのような教育や説明で協力体制を築いたのでしょうか。

山ア氏:例えばECサイトで購入・決済し店舗で受け取られる場合、店舗スタッフからすると店舗としての売上には反映されないため、当然ジレンマや取り組みへのギャップは出てきてしまう部分だと思います。
そのため店舗の場合は来店客数というのを一つのKPI、売上を稼ぐための要素として考え、お客様が店舗に受け取りに来ていただけること自体がECサイトで購入した商品をお渡しするときのアップセル・クロスセルのチャンスになるということを伝えて意識を変えていけるようにしていきました。

清水氏:実際オンラインで注文する商品は竿などが多いのですが、その商品を受け取りに来た際に、付属の小物や釣り糸などを接客してプラスに繋げるといった動きは出来ており、店舗やスタッフの体感としてもオムニチャネルがあったから注文に繋げられたと感じてもらえていると思います。
また釣具という商品特性上、竿だけでは釣りはできませんし、道具だけがあっても魚を釣るための仕掛けや情報がなければ釣るのは難しいです。店舗がそういった釣るための情報を伝える場としても活用できるという意味では、釣り業界自体がオムニチャネルに向いていると感じています。

店舗とECの双方でコンテンツを活性化し売上にも貢献

オムニチャネル施策の一つとして特集ページやコンテンツ強化などを実施されていますが、オムニチャネルを成功させるための具体的な取り組みや工夫について教えてください。

清水氏:店舗でコンテンツを見せることと、ECでコンテンツを見せること、それぞれにメリットがあります。店舗であれば店舗独自のコンテンツはもちろん、店舗スタッフに直接情報を伺うことができ、ECの場合は店舗に行かなくても全国の方にコンテンツを見てもらうことができます。
そういった意味で、店舗とECの双方でコンテンツを活性化するような動きが重要であること踏まえて施策を考え実装しています。

現在特集ページなどは基本的に内作しており、主に30〜50代の男性をメインターゲットとしています。年齢層的にも見やすいページを意識し、実際閲覧率は店舗共通のマイページを同ドメインで持つ中で全体の約24%あり、各種SEO対策や分析をおこないながら売上貢献施策の一つとして動かしています。

例えば旬の対象魚のコーナーを店舗と共有し、オンラインでも店舗おすすめの商品とともに展開するといったことを連携しておこなっています。
またInstagram連携ツールの「visumo(ビジュモ)」を活用しトピックス商品を日々ブログのような形で見せ、その情報を店舗スタッフにも見てもらい、オンラインで取り扱っていることを知ってもらうことで接客時のネタとして活用することや店舗の掲示板へ掲載するといったことを各店舗オリジナルでおこなっています。
visumoの別の使い方としては、「おしえて!釣り名人」というコンテンツがあり、弊社スタッフの釣り名人がコンシェルジュとなり釣具やアパレルなど今イチオシの商品を紹介し、その裏側では商品購入にアシストしているかなどを確認し、そのスタッフの評価に繋げるようにしています。

おしえて!釣り名人

あとは今まで釣りのアパレル商品の着衣画像はなかったのですが、着衣したものを撮影しvisumoで投稿することによりイメージがつきやすく重宝しています。
画像のギャラリー形式での表示を簡単に実装できるので実務の業務の効率化もでき、なによりvisumoのトピックス経由の売上が全体の約16%を占めており、なくてはならない機能となっています。

visumoを活用した釣りのアパレルウェア紹介

visumo(ビジュモ)とは…
Instagram・Twitterのユーザー投稿、スタッフによるコーディネート例や接客コメント、LIVE配信動画やIGTV、Youtubeなどの動画などをECサイトに埋め込み、コンテンツを充実させることができるビジュアルマーケティングプラットフォーム。

それ以外にも店舗スタッフから在庫状況が見えないという声が多くありましたので、当初はお客様向けに用意していたページではありますが、日々の入荷情報をデイリーでわかるようなページも設けています。

キャスティング 入荷情報ページ

デザイン面でUIUXなど意識されたことや工夫されたことなどを教えてください。

清水氏:釣具の業界的にサイトトレンドは遅れていますが、最低限のトレンドを抑えつつ、会社としてのコーポレートカラーやイメージを保つように意識しています。また回遊性、コンバージョンを増加させるためにトンマナの統一や分析を用いて細かな部分の調整を日々おこなっています。直近ではサイト速度向上のためCSSや画像などの最適化も進めています。

山ア氏:また他のページと異なる見せ方をしている特徴的なページもあり、セミオーダーでリールを自分の好きなパーツで組める商品を販売しており、そのランディングページを社内で作成・運用しています。
デザインテイストはグループ会社の意図もありますが高級路線で作成しています。
今までは紙ベースで注文を受けており、お客様もイメージがしづらかったのですが、サイト上で画像として見せることでわかりやすく、かつ在庫のないパーツは選べないようになったことで効率的に購入ができるようになっています。
店舗でも利用しており、お客様とサイト画面を見ながら商談し注文を入れるという形で、非常に満足頂いています。
こちらの商品は組み上がった商品を店舗受取・店舗決済する形になるため、店舗来店にも繋がります。

SALTIGA SEMIORDERページ

顧客の囲い込みと店舗への集客でアップセル・クロスセルへ繋げる

キャスティングで使用できる電子マネー『CASPay(キャスペイ)』を実現されていますが、目的や戦略について教えてください。

山ア氏:導入のきっかけは、マルチ決済や新しい決済を導入するほど手数料が非常に大きな経費となっていたためです。
ハウス電子マネー(自社店舗でのみ使える電子マネー)であれば、手数料が一般的には3%ぐらいのところ10分の1程度に抑えることができるというところがあり、経費削減のためにも導入を進めました。
更に『CASPay』にチャージいただくことによって釣行の際は意識的にキャスティングで買おうという囲い込みの手段の一つとしての役割も担っています。

一般的にポイントカードなどのハウスカード申込みを増やすためには付加価値がないと中々増えない中で、弊社では「ハウスカードを申込む=CASPayも使える」といった形で、会員だからこそできることの付加価値を高めています。
さらに『CASPay』はハウスポイントとは全く違うロジックで考えています。チャージの際にボーナスチャージがあり、通常はチャージ金額の0.5%割り増し、特定の日にチャージすると5%割り増しにするといったことを反響に合わせて色々おこなっていきたいと考えています。
現在『CASPay』自体はECでも店舗でも利用ができる仕組みになっており、店舗への来店が狙いにあったため店舗のみでのチャージ可能としていましたが、今後はオンラインでチャージできるように拡大していくことも視野に入れています。

販売だけでなくレンタルもおこなわれていますが、どのような運用をされているか教えてください。

清水氏:初めて釣りをされる方や使ってみたい釣具があるがなかなか購入に踏み切れないお客様へ釣具を買う以外の選択の間口を広げるべくオンラインでのレンタルサービスをおこなっています。
利用に際し、決済はオンラインのみでレンタル商品は店舗での引き渡しもしくは、自宅配送になります。もちろん店舗での受取・返却なら往復送料もかからない上、店舗スタッフから釣り方やおすすめ品など、レクチャーを受けられます。
基本的にはレンタル後にそのまま購入できず貸出のみですが、1機種だけサブスクとして提供しており12カ月払うと購入となる取り組みもおこなっています。
またレンタルした商品はレンタルした店舗に返してもらうルールでおこなっており、それもいかにお客様に店舗へ足を運んでもらうかを考えた上での戦略になっています。

実際、限られた予算の中で全てハイクラスの釣具を揃えたいが揃えられない方に、例えば電動リールはハイクラスを購入し、竿はハイクラスをレンタルしてもらうといった形で直接お客様に解決策を提案しアップセル・クロスセルに繋げているケースも多々あります。

店舗受取注文の拡大と顧客のファン化

オムニチャネルによって得られた効果などを教えてください。

山ア氏:店舗受取での注文は自社売上の倍ぐらいを占めています。それはお客様がECで注文して店舗受取をしているだけではなく、店舗スタッフがお客様に接客をおこない注文したものも含めていますが、クロスセルがすごく効いている状況です。
店舗からすると仕入先に発注する感覚で店舗受取・店舗決済・EC在庫を活用していますので、スタッフの力ありきで成功していると言えます。
実際、送料無料を目的にお客様が自主的に店舗受取をおこなうため、ルアー1個をオンラインで購入し店舗へ受け取りに行くといった方がかなり増えており、その比率もだんだん上がってきています。

清水氏:当初は検索性や探しやすさなどに課題がありましたが、現在ではUIがかなり改善されそういった使いにくいといった声も減りました。 逆に新着情報やコンテンツ情報が充実したことで面白いといったポジティブなお言葉をいただくことが増えました。

今後ecbeingを活用して取り組んでいかれたい構想や、戦略をお聞かせください。

山ア氏:釣具はバリエーションなどが非常に多い商材ですので、日々そういった見せ方や探しやすさは、今後も大事にしていきたいと考えています。
お客様の使い勝手の向上もですが、目的の商品にすぐたどり着けるようなサイトを目指し、モールなどで購入するよりも「キャスティングオンラインストア」で購入した方が楽で直接受け取れて便利と思ってもらえるよう、サイトを進化させていきたいと考えています。

これからECを構築したい方や、ECのリニューアルを検討している方にアドバイスがあればお願いします。

山ア氏:ECを構築する上で、機能面や価格面、拡張性などベンダーやシステムを選ぶ基準はそれぞれあるかとは思いますが、安心安全に進められるような体制や環境を備えていることも重要な指標だと考えています。
そういった中でecbeingさんはサーバー環境やセキュリティ、体制面もしっかりとしており、担当して下さる方々も親身に対応いただけるためおすすめです。



――
株式会社ワールドスポーツ
山ア 郁夫 氏

株式会社ワールドスポーツ
清水 仁 氏


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●取材・文:岡田 美生




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