クラウドECとは? ASPやパッケージとの違いからメリットまで解説
ECサイト構築をするには4つの方法があります。ASP、オープンソース、パッケージ、フルスクラッチの4つです。近年のECサイト構築において注目されているのは「クラウドEC」です。クラウドECとはECサイト構築「4つの方法」の中では「パッケージ」に該当するのですが、ASPとの違い、パッケージとの違いが混同しがちです。
今回は改めてクラウドECプラットフォームとは?の説明をしていきたいと思います。
スマートフォンの普及により、消費者の購買行動は大きく変化しました。そんな現代のEC業界において、必須ともいえるオムニチャネル戦略。今回の記事では、そんなオムニチャネル戦略について、今注目されている理由やメリット、オムニチャネル戦略の成功事例を紹介します。オムニチャネル戦略の導入を検討されている方はぜひ参考にしてください。
クラウドECとは
クラウドECとは、クラウド上にあるプラットフォームからECサイトを構築する方法で、SaaS(Software as a Service)と呼ばれる提供形態に分類されます。
クラウドECの特徴として以下の5つの要素が挙げられます。
- @自社サーバーやプラットフォームが必要ない
- Aベンダーが管理をするため、常に最新のシステムの利用が可能
- B外部連携が可能
- Cカスタマイズの自由度が比較的高い
- D先行事例が豊富
ASPでのサイト構築から、売上アップを目指したステップアップとしてクラウドECを採用する企業が多くみられます。
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ASP・ECパッケージとの違い
ECサイト構築方法の中でもASP・ECパッケージとクラウドECは特徴の一部が似ており、よく混同されています。そこで、ここでは3つの構築方法の違いを紹介します。
▼クラウドEC・ASP・ECパッケージの違い
クラウドEC | ASP | ECパッケージ | |
初期費用 | 300万円〜 | 0〜10万円 | 500万円〜 |
月額費用 | 10万円〜 | 0〜10万円 | 10万円〜 |
導入期間 | 最短3カ月 | 最短1週間 | 最短3カ月 |
拡張性 | ◯ | × | ◯ |
セキュリティ | ◯ | ◯ | ◯ |
最新性 | ◯ | ◯ | × |
企業規模 | 中規模企業以上 | 小規模企業 | 中規模企業以上 |
ASPとの違い
ASPカートは、クラウドという概念だけでいうとクラウドECとほぼ同じタイプです。ASPは初期費用・月額費用が非常に安価ということがメリットとして挙げられます。しかし、クラウドECプラットフォームとASPカートとでは機能性に大きく差があります。なかでも、ASPにできないこととして以下の点があります。
- ✓ 拡張性がない(独自のECサイトができない)
- ✓ 外部システムとの連携ができない
拡張性がないということに関しては、販売するフロントの機能から管理側の機能まで、ASPに合わせてECサイトの運営をしていく必要があります。当然売上があがってくるとお客様へのサービス向上をするために機能を追加したり、売上をさばくための管理機能を拡張していきたいということになりますが、そういった機能の拡張が不可能なのがASPカートというわけです。
合わせて外部システムとの連携ができないことに関しては、店舗や基幹システムとのデータ連携を始め、オムニチャネルを行うにあたっては必須のカスタマイズになります。
要するにカスタマイズができないという点がASPの弱点となります。
ECパッケージとの違い
ECパッケージはカスタマイズが可能なECシステムです。国内の大規模ECサイト構築においてはECパッケージで構築されていることが一般的です。クラウドECプラットフォームはASPではなくこちらのパッケージに該当することが多いですが、ECパッケージとの違いとして以下が挙げられます。
- ✓ ECシステムの導入後、システムが古くなっていく
- ✓ 構築費用がASPに比べて割高
ECパッケージはASPのように常に最新のシステムに自動アップデートがされません。システムを事業者のためだけに切り出して構築をするため、共通のプラットフォームではなくなってしまい自動アップデートができないという点がECパッケージの弱点です。
拡張性が非常に高く、基本的にはどんなカスタマイズでもできるようになりますが、独自のカスタマイズが可能なプラットフォームとなるため、費用はASPに比べて割高になります。
ECシステムの構築は「パッケージ」と「ASP」どっちが良いの?
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クラウドECのメリット
クラウドECにはカスタマイズ性やセキュリティ面などでさまざまなメリットが挙げられます。ここではクラウドECを運用する代表的なメリットを5つ紹介します。
1.システムの最新性
ECパッケージはECサイトの構築から時間が経過すると、システムの老朽化やセキュリティ面で不安が出てきてしまいます。
一方、クラウドECでサイト構築をした場合は、ベンダー管理のもとシステムのアップデートが自動で行われるため、常に最新のシステムを利用できます。
また、追加機能のリリースも多く、運用のニーズに応えやすいのも特徴です。初期費用は決して安くはありませんが、常に最新のシステムが保たれているため、システムアップデートの改修コストも不要です。中長期的な視点で見た場合コストを抑えることが可能です。
2.セキュリティの安全性
システムのアップデートと同じく、セキュリティの更新も自動で行われます。都度更新がされることで、常に高いセキュリティ対策を行うことができるのもクラウドECの強みです。
特に、金融機関のようにセキュリティ基準の高い企業が導入しているクラウドECは、ベンダーが強固なセキュリティ体制を整えています。そのため、同じクラウドECを提供するベンダーを利用すれば、同様の高いセキュリティ対策の恩恵を受けることができます。ECサイトでは顧客情報などのデータを取り扱うため、セキュリティの安全性からもクラウドECを選択するメリットは大きいといえます。
3.多様なカスタマイズ性
近年、クラウドECを導入する企業の増加により、ニーズに応えるためのカスタマイズに富んだサービスが増えています。フルスクラッチには及ばないものの、ASPやECモールへの出店に比べると、幅の広いカスタマイズが可能です。
ベンダーによって追加可能なオプション機能も豊富に用意されていたり、外部システムとの連携にも対応していたり、EC事業の成長に応じた柔軟なサイト構築、機能の拡張ができるのがクラウドECの魅力です。
4.自社インフラが不要
ECパッケージやフルスクラッチのサイト構築では、システムやデータを自社サーバーで管理する必要があります。クラウドECの場合は、ECサイトの運営において必要なでデータやシステムをクラウド上で管理することが可能なため、自社でサーバーを持つ必要がありません。
また、サーバーの保守やセキュリティ管理に人員を割く必要がなく、専門知識がなくても運用が可能である点も、多くの企業がクラウドEC構築を選択する理由の一つです。
5.サーバーダウンの対策が可能
ECサイトを運営するうえで、アクセス集中によるサーバーダウンは機会損失となり大きな痛手を負う可能性がある課題です。クラウドECでは、サーバーの増減を柔軟に設定することができます。
セールやキャンペーンのように通常時と比較して一時的なアクセス集中が予測できるタイミングに応じて、一時的なサーバー強化などの対応が可能です。
クラウドECの注意点
多くのメリットを持つクラウドECですが、導入するうえで注意しておかなければならない点もあります。ここではクラウドECの導入の際に知っておきたい注意点を2つ紹介します。
1.ソースコードの開示がない
多くのクラウドECを提供するベンダーはソースコードの開示をしていません。自社でECシステムの保守管理をしたい場合には注意が必要です。
また、オンプレミスが導入の条件である企業の場合はクラウドECの導入が難しいと考えられます。
2.コストがかかりやすい
クラウドECの導入で長期的なコストを抑えることが可能と前述しましたが、比較的安価で導入できるASPやオープンソースなどの構築方法と比べると、初期費用がかかることを理解しておく必要があります。
また、導入までの開発期間もASPと比較すると長くかかるため、スピーディな対応を求める企業にとってはデメリットとなる場合もあります。
クラウドECがおすすめの企業
クラウドECは、ASPよりもバックエンド業務が少なく、運営するために専門知識を必要としないなどの特徴があります。それらの要素から、ECサイトを運営する企業でクラウド型の構築方法が向いている企業の特徴として、以下が挙げられます。
- ✓ 社内のリソースを割くことが難しい
- ✓ 専門知識のある人材を採用することが難しい
- ✓ 常に最新の機能をサイトに取り入れたい
- ✓ EC年商1億〜20億円規模
クラウドECサービスならメルカート
ECサイトの構築実績ナンバーワンの『ecbeing』が提供するECクラウドサービス『メルカート』。豊富な実績を基にした標準機能の充実度はecbeingと同等に搭載されており、ECに特化した高水準のセキュリティ対策も万全です。
集客からCRMまで専門スタッフによるバックアップも充実しているうえ、EC未経験でも安心のサポート体制が整っています。また、売上アップのためのフロント・バックオフィス機能も豊富に揃っており、小人数体制のEC運営にもマッチしたサービスです。
メルカートでは、ASPのシステムでは実現できず、ECパッケージでは割高になってしまっていたECサイト構築を実現できます。ECサイト構築でお悩みの場合はメルカートにお気軽にご相談ください。
【参考】ecbeingのECサイト構築事例
弊社はパッケージにおいて、1600超のサイト運営・構築実績があります。 ご検討されている方には特にどのようなサイトを作りたいというイメージを持っていただくことが重要になりますので、弊社の事例を参考にご覧ください。
構築事例はこちらパッケージとASPの中間に位置するクラウドEC
クラウドECは、ASPとパッケージのメリットの一部を併せ持ったECサイト構築として注目されています。ECサイトのカスタマイズ性を重視したい企業や、常に最新の機能を取り入れたい企業にはおすすめなサイト構築方法といえます。
ASPカートではできないことが多い場合や、パッケージで自社に最適化したECサイトを構築するまではいかない小規模〜中規模企業のEC担当者様の場合は、一度ECサイトの目的やゴールを明確にし、ECクラウドサービスを提供するベンダーへ相談してみてはいかがでしょうか。