商材別のECサイト一覧! 構築するならどのタイプ?
ECサイトを構築する方法には、さまざまなタイプが存在します。
これから自社のECサイトを開設しようという場合、まずECサイトにはどのようなタイプがあるのかを知り、そして自社の商材にマッチする形態を選択する必要があります。
そこで今回は、さまざまなECサイトの形態をご紹介し、それぞれ向いている商材・ビジネスモデルや、メリット・デメリット、導入費用などの観点から比較していきます。
ECサイトにはどんな種類がある?
ECサイトと一口に言っても、多種多様な形態が存在します。人によって「ECサイト」という言葉の定義が異なる場合もあるので、まずはECサイトの定義を明らかにしておきましょう。
ECとは「electronic commerce(=電子商取引)」の略で、コンピュータネットワーク上で商品やサービスを取引することを意味します。
そしてECサイトとは「ECを行う場所」つまり、インターネット上に公開された商取引用のウェブサイトを指します。
ECサイトを区別する際には、一般的に2つの分類方法が用いられます。
1つ目は「店舗形態別」です。自社で独自にECサイトを構築・運営する場合は「自社ECサイト」、複数の企業やショップが集まってできたものは「モール型ECサイト」と呼びます。
2つ目は「取引相手別」です。取引相手が「企業」か「一般消費者」なのかによって分類する方法で、「企業 対 一般消費者」のECサイトを「BtoC」、「企業 対 企業」のECサイトを「BtoB」と呼びます。
自社ECサイト
まずECサイトを「店舗形態別」で分類した「自社ECサイト」についてご紹介します。
「モール型ECサイト」と対比して「単一店舗型」と表現することができますが、自社でドメインやサーバーを用意して、独自ドメインでECサイトを運営するのが特徴です。
自社で独自にECサイトを構築できるので、自由度の高いサイト設計が可能な半面、集客のためのSEO対策などのマーケティング施策も自社でやらなければならないという側面があります。
自社ECサイトをさらに「BtoC」と「BtoB」に分類し、それぞれの特徴や事例について見ていきましょう。
BtoC向けECサイト
「BtoC」とは「Business to Consumer」の略で、企業と一般消費者間での商取引を指します。企業がネットショップで自社の商品を販売し、一般消費者がその商品を購入するという、一般的なネット通販の形態がこれにあたります。
自社ECサイト最大の難関は集客、つまり自社のECサイトにアクセスを集めることです。そのため自社ECサイトを採用するのは、知名度の高い企業や、実店舗での実績がある会社がネットショップに参入するケースなど、集客力のある企業が採用する傾向にあります。
また自社ECサイトは、サイト設計にあたって制約が少なく、サイトデザインの自由度も高いので、さまざまな商材と相性が良いと言えます。食料品、アパレル、化粧品、電化製品、家具など、あらゆるジャンルのショップが採用している形態です。
自社ECサイトの運用にかかる月額費用は、規模や構築方式によって大きく異なり、数千円から数百万円の幅があります。
また運用に必要な人員も規模によって変わり、小規模なサイトなら1名、サイト規模や注文数が増えるごとに必要な人数も増えていきます。
【BtoC向け自社ECサイトの構築事例/株式会社ロッテ】
単なる通販サイトにとどまらず、ロッテのファンを拡大するという命題のため、2012年にecbeingでECサイトをリニューアルしました。
ファン同士が交流できる「コミュニケーションアンケート機能」や、季節ごとにサイトの背景を変更するなどの新しい取り組みによって、旧サイトと比較して30倍以上もの売上を達成しました。
BtoB向けECサイト
「BtoB」とは「Business to Business」の略で、企業同士での商取引を指します。
自動車メーカーが部品メーカーから部品を購入するといった取引が「BtoB」です。一般にはあまり馴染みがないものの、市場規模からいえば「BtoC」の約20倍もあり、EC市場の大部分を占めています。
BtoB-ECはインターネットが誕生する以前から存在し、主に企業間で結ばれた専用回線を用いて取引が行われてきましたが、近年は「モノタロウ」や「ミスミ」など、インターネット上のBtoB向けECサイトの成功事例が目立つようになり、注目を集めています。
BtoB向けECサイトに向く業種は、企業相手に事業を行っているメーカーや卸売業、商社など多岐にわたります。特に取り扱い商品点数の多い部品メーカーや部品卸売などが採用すれば、売り手と買い手双方の受発注業務を効率化できるため相性が良いでしょう。
ECサイト運用にかかる月額費用は、BtoC同様に規模や構築方式によって異なりますが、数千円から利用できるサービスもあります。
【BtoB向け自社ECサイトの構築事例/イシグロ株式会社】
https://ec.ishiguro-gr.co.jp/shop/
受注管理をシステム化することによって、営業マンやオペレーターの工数を削減することを目的に、ecbeingでECサイトの構築を行いました。
既存の商品データとの外部連携や、業界専門用語にも対応した絞り込み検索機能を実装している点が特徴的です。
モール型ECサイト
「モール型ECサイト」とは、モール(商店街)のように、1つの場所に複数のショップが出店しているECサイトを指し、代表的なものとしては楽天市場やAmazonなどがあります。
出店や販売の際にはテナント料やロイヤリティが発生するものの、モール自体が持つ集客力を利用できる点が魅力です。
コストが掛かっても早期に集客したいという場合にはメリットが大きい形態と言えるでしょう。
モール型ECサイトにもいくつかの種類がありますので、それぞれの特徴やメリット・デメリットをご紹介します。
テナント型モール
テナント型モールとは、デパートのテナントのようなイメージで出店する形式を指し、事例としては楽天市場がその典型です。各企業は一つの店舗として楽天市場の中に出店する形を取り、各店舗専用のページを構築し管理することができます。
自社ECサイトと比較すると、サイトデザインの自由度は低く、楽天の定める規約や制約の中でサイト設計を行う必要があります。
マーケットプレイス型モール
マーケットプレイス型モールとは、「出店」というよりも「出品」という傾向が強く、楽天のような店舗専用ページを持たないのが特徴で、事例としてはAmazonがその代表格です。
受注管理や商品管理はAmazonセラーセントラルというページで行うことができます。
ユーザーはAmazonで商品を購入する際に、どのショップから購入したかということはあまり意識せず、「Amazonで買った」としか思わないのが大半です。そのためブランディングには不向きといえます。
独自ECモール
独自ECモールとは、自社で独自に構築したモールを運営する形式です。
例えば複数のブランドを持つ企業が、1つのサイトに各ブランドのショップを統合して運営・管理するようなケースに用いられ、アパレルメーカーや化粧品メーカーなどの採用例が目立ちます。
【ecbeingでの独自ECモール構築事例/株式会社ノエビア】
ノエビアグループには「NOV」「SANA」「EXCEL」といった複数のブランドがあり、これら異なるブランドのECサイトを横断的に回り、まとめて注文することができます。
各ブランドでメールアドレスや会員番号などが連携されているため、ユーザーは一度の会員登録で済ませることが可能です。
自社に合ったタイプでEC構築しよう
このようにECサイトにはさまざまな形態があり、それぞれ特徴やメリット・デメリットがあります。
費用やサイト制作期間などの観点から検討し、自社の商材や販売方針に合ったECサイトを選んで構築するようにしましょう。