コンバージョンAPI(CAPI)とは?Cookieに依存しないマーケティング
近年、ウェブブラウザに蓄積されている行動情報であるCookieを第三者が取得しマーケティングに利用されることが問題視されています。
実際いつの間にかリマーケティングでターゲティングされ、どこにいても広告バナーに追われあまり広告に良い印象を持っていない方も多いのではないでしょうか?
そういった背景の中、Cookieの利用が制限される時代に突入することで、どのような影響が出るのか?その影響に対応したFacebook社によるコンバージョンAPI(CAPI)とはどのようなものなのかご紹介します。
近年、ウェブブラウザに蓄積されている行動情報であるCookieを第三者が取得しマーケティングに利用されることが問題視されています。
実際いつの間にかリマーケティングでターゲティングされ、どこにいても広告バナーに追われあまり広告に良い印象を持っていない方も多いのではないでしょうか?
そういった背景の中、Cookieの利用が制限される時代に突入することで、どのような影響が出るのか?その影響に対応したFacebook社によるコンバージョンAPI(CAPI)とはどのようなものなのかご紹介します。
コンバージョンAPI(CAPI)とは
広告の効果を計測するのに利用されるCookieが制限されていく世の中の流れの中で、Facebook社がCookieに依存しない計測方法として提供しているのがコンバージョンAPI(CAPI)という仕組みになります。
コンバージョンAPI(CAPI)について説明するにあたり、こういった仕組みがそもそもなぜ必要になったかという経緯についてご説明します。
コンバージョンAPI(CAPI)が生まれるまでの経緯
冒頭にも記載しましたが、Cookieを活用しWebサイトを閲覧したユーザーの興味関心・行動履歴といった情報をマーケティング施策や広告配信などに利用することへの批判が強まっており、利用者のプライバシーを守ろうという動きが世界的にも広がっています。
そういった中でCookieは広告の成果(CV:コンバージョン)を計測するためにも用いられるため、Cookieが使用できないとなると単純に広告の効果を把握することが難しくなります。
すでにクロームやfirefoxなどのブラウザにおいてもサードパーティCookieの利用がデフォルトの設定でブロック設定になっており、ますます計測が難しい環境が増えています。
Cookieが制限されている一方で、広告からの成果(コンバージョン)を計測タグとCookieを用いて計測することがまだ主流になっています。
日本国内で主力となっている広告プラットフォームの多くは、ファーストパーティCookieを利用することで、ブラウザで発生したコンバージョンについては計測ができる状況ではあります。
Cookieに依存しない計測の仕組みへの理解、さらにそれらを導入していくためのプロジェクトマネジメントの役割が、インターネットを使ったマーケティング従事者に求められてきています。
Cookieが制限されることによる影響
Cookieの利用が制限されてしまうと、広告の効果計測できるデータに大きな欠損が発生します。
本当は広告経由のCVだったとしても、ブラウザやデバイスレベルでの制限が広がるほど広告の成果という判断がされず、広告がCVを獲得するのに有効なのかどうかを知ることができなくなってしまいます。
基本的に広告運用は費用対効果を見て、ラストコンバージョンだけでなくアシストコンバージョンになっているかを分析し、いかに費用を抑えつつCVを増やせるかが大切になってきます。
そのデータがわからなくなると、このまま広告費を投資し続けてもいいのか?など広告運用すること自体が困難になります。
また現在主流になっている広告の自動入札もまともに動かなくなってしまいます。
リターゲティング広告やコンバージョンの計測方法によってはもちろん、Cookieと個人情報が広告主側で紐付かないような運用をしている場合もあるので、そういった設定になっていれば今まで通りですが、そうでない場合は広告を配信される側に新しく同意を得るためのポップアップを表示する仕組みなどを導入する必要があります。
日本の改正個人情報保護法の場合、ケースによってCookieの利用に対して事前の同意が必要な場合とそうではない場合が存在するとみられています。日本でもサードパーティCookieだけではなく、Cookie利用の同意有無によってCookieの利用が制限される時代に既に突入していきます。
日本ではCookieの利用に際して事前の同意は必須ではありません。ただ、海外展開を行っている日本企業の場合はCookieの利用に際して同意を取る場合があり、すでに影響を受けやすい状況下に置かれています。
おそらくこのまま規制を強化していく流れがつづくと考えられ、日本でもいずれCookieを使った計測が出来なくなる日が来ることが考えられます。
コンバージョンAPI(CAPI)の仕組み
コンバージョンAPI(CAPI)の仕組みを説明すると、これまでFacebook広告のピクセルタグでCookieを使用して取得していたデータを広告主自身のサーバーからFacebookへデータ送信することでCookie制限の影響を受けない仕組みになっています。
メリットとして、単純にCookieに左右されることがなくなるので測定が正確になるだけでなく、接続性を向上させて顧客獲得単価を削減することができます。コンバージョンAPIのデータはピクセルと比べ、ブラウザの読み込みエラーや接続の問題、広告ブロッカーの影響を受けにくくなっています。
コンバージョンAPIをピクセルと組み合わせて使用すると、接続の信頼性が高まり、配信システムが顧客獲得単価を削減できるようになります。
またコンバージョンAPIでは、イベントのマッチングを増やしてイベントのマッチングクオリティのスコアを上げることができるよう、さまざまな顧客情報パラメーターをイベントとあわせて送信できます。
まとめ
これからの運用型広告は、いかにして世の中の動きを読み取り、テクノロジーを取り入れて運用を行うことが大きなカギになります。
ただデメリットとして、広告におけるプロモーション設計の理解が深い方やエンジニアのリソースが必要になることがあげられます。
APIでの連携が必要となり、広告配信に活用するデータの設計が必要であることから、導入する際の広告主側でのエンジニアのリソースや導入支援が可能なパートナーの確保が必要になります。
またデータをFacebook社のプラットフォームに連携するため、広告主側での社内での導入承認に時間がかかるなどが障壁となる可能性もあります。
コンバージョンAPI(CAPI)や手動詳細マッチングの導入に関しては、目先の導入コストだけを見るのではなく、計測漏れが発生する点やそこからの広告費用対効果の悪化、広告への投資をやめた事による機会損失など長期的に発生する大きなデメリットも考慮して検討をする必要があります。