JRE MALLがショールーミング拠点を初展開し、独自のコミュニケーション戦略を推進 〜横浜駅に開業した体験型ショールーム「JRE MALL Cafe」に行ってみた!〜
東日本の名産品や食品、ふるさと納税を取り扱い、最近では多くのメディアにも取り上げられるほど注目を浴びているモールサイト「JRE MALL」。
「JRE MALL」はecbeingでサイト構築がされており、今回新しい取り組みをされているということで、運営をされている東日本旅客鉄道株式会社に直接お話をお伺いする機会を頂きました。
新しいお取り組みとして、JRE MALLでは新しくショールーミング拠点の展開を行い、駅空間にECサイトで扱う商品の展示、ECサイトでの購入の入り口を設置しています。
生活動線である駅構内にカフェやイベントスペースも兼ね備えたJRE MALL初の体験型リアルショップを設置したことで、JRE MALLを知ってもらうきっかけづくりや、前衛的なお買い物体験、独自のコミュニケーション戦略を推進しています。
今回は、2021年11月30日に横浜駅にてオープンした体験型ショールーム「JRE MALL Cafe」にお伺いし、実際に購買体験をさせていただきました。
東日本の名産品や食品、ふるさと納税を取り扱い、最近では多くのメディアにも取り上げられるほど注目を浴びているモールサイト「JRE MALL」。
「JRE MALL」はecbeingでサイト構築がされており、今回新しい取り組みをされているということで、運営をされている東日本旅客鉄道株式会社に直接お話をお伺いする機会を頂きました。
新しいお取り組みとして、JRE MALLでは新しくショールーミング拠点の展開を行い、駅空間にECサイトで扱う商品の展示、ECサイトでの購入の入り口を設置しています。
生活動線である駅構内にカフェやイベントスペースも兼ね備えたJRE MALL初の体験型リアルショップを設置したことで、JRE MALLを知ってもらうきっかけづくりや、前衛的なお買い物体験、独自のコミュニケーション戦略を推進しています。
今回は、2021年11月30日に横浜駅にてオープンした体験型ショールーム「JRE MALL Cafe」にお伺いし、実際に購買体験をさせていただきました。
JRE MALL Cafe概要
<所在地>
JR横浜駅 中央北改札内(神奈川県横浜市西区高島2-16-1)
<営業時間>
〔カフェ〕7:00〜21:00(L.O 20:30)
〔ショールーム〕11:00〜20:00
JRE MALL Cafeを体験してみた!
JR横浜駅のホームから中央北改札方向へ階段を降りると、見えてくるのが「JRE MALL Cafe」。
電車の乗り換えの間に設置されており、電車の待ち時間としても利用しやすい位置にありました。
JRE MALL Cafe入口
ロボバリスタ「Ella(エラ)」によるカフェ体験
実際に中に入り、最初に目に入るのがなんとロボバリスタの「Ella(エラ)」!
まさに次世代のカフェって感じがしました!
ロボバリスタ「Ella(エラ)」
購入は左側のタッチパネルでコーヒーやカフェオレなどの商品を選択し、Suicaなど交通系電子マネーで決済するだけで、あとはこのロボバリスタが自動で作って持ってきてくれます。
ロボバリスタ「Ella(エラ)」での商品選択と決済
購入したコーヒー
今回はコーヒーとトマトスープを注文させていただきました。
ちなみにトマトスープは期間限定販売になっており、定期的にご当地スイーツなどの食べ物を楽しむことができます!
このトマトスープは、JR東日本様ならではの地域の食材を活用した商品で、今回私が体験訪問したタイミングのテーマが「福島」であったことから、福島のトマト農園で育てたトマトを利用して作られているとのことでした。
今後も、その時々のテーマに合わせた食材や商品を味わうことができるので、通勤や通学、お出かけの際にJR横浜駅をご利用される方にはぜひおすすめしたいです!
(※こちらの福島フェアは2022年1月16日までのピックアップテーマとなっており、現在は別地域のメニューを取り揃えています。)
地方の生産者や出店者とのコミュニケーションが可能なイベント空間
コーヒーを注文した後、次に目に入るのは「98インチの大画面モニター」と「42インチの縦型モニター」。
98インチの大画面モニター
42インチの縦型モニター
JRE MALL Cafeでは、定期的に横浜と全国各地の生産者を双方向にオンラインで繋げた体験型ワークショップや試飲会を行っています。その際に活用するのがこの画面!!
「98インチの大画面モニター」ではコミュニケーションシアターとしてzoom会議のような形で、地域の生産者や出店者と参加者とで会話し、カメラでお互いの様子を見ながらイベントを実施することができます。
イベント・ワークショップ風景
例えば、過去に行ったイベントで言うと、モールサイト「JRE MALL」にご出店されている新潟の酒蔵の方とオンラインでつなぎ、JRE MALL Cafeで紹介している日本酒を実際に試飲していただきながら、味の説明やどのような食事のシーンで飲むのがいいのかなど、質問をしながら体験できるイベントも行っています。
また、ワークショップとしては秋田杉を糊やボンドを使わずに組み立てていく「組子細工」の体験も行っていました。「組子細工」は高価なうえ、認知されていない方もいらっしゃるため体験を通して伝統工芸品の良さを広げています。
コネクトドアの活用風景
また、42インチの縦型モニターは「コネクトドア」という名前で利用されており、1対1のオンライン接客モニターとなっています。参加者が、ここから地域の生産者の方にビデオ通話をかけることができ、気になる商品について質問をしたり、おすすめの商品を聞いたりなど、オンラインで接客を受けることができます。イベントに参加いただいた方が生産者の方と直接コミュニケーションが取れ、もっと詳しく相談できるので、とても重宝されているようです。
こういったイベントの参加は、有料イベントの場合にはモールサイト「JRE MALL」上でチケット販売を行っており、お申し込み頂くことができます。
イベントの集客に関しては、サイト内だけでなくチラシや駅構内放送、LINEを活用し、普段からサイトだけでなく駅をご利用いただいている方に情報をお届けしていました。
2週間に1回変わるピックアップテーマ
店内はカフェとショールーミングスペースが併設され2週間に1回変わるテーマに合わせた商品が並べられています。
これらはモールサイト「JRE MALL」上で取り扱っている商品や、ふるさと納税の返礼品になります。
体験しにお伺いした2022年1月12日段階では福島フェアを行っており、福島にちなんだ赤べこなどの伝統工芸品からご当地のお酒やお菓子などの食品まで豊富に取り揃えていらっしゃいました。
(※こちらの福島フェアは2022年1月16日までのピックアップテーマとなっており、現在は別の地域をテーマにしています。)
店内販売商品
もちろん、JRE MALLと聞くとやはり鉄道を思い浮かべる方も多いと思います。JRE MALLならではの商品として、鉄道関連のグッズやSuicaのペンギングッズも取り揃えていました。
Suicaのペンギングッズ
これらの商品の横には値札と一緒に、QRコードが設置されています。
スマホでQRコードを読み取るとモールサイト「JRE MALL」内の商品詳細ページに遷移し、サイト上で商品を購入することができます。
※QRコードは(株)デンソーウェーブの登録商標です。
商品QRコードの読み取り
また、直接並んでいる商品のQRコードを読み取らなくても、常時設置してあるインフォメーションテーブルと呼ばれる液晶タブレットで商品を一覧で見ることができ、そこから商品を選択すると詳細内容とQRコードが表示されますので、こちらから購入に進むこともできます。
こちらの液晶タブレットに表示されるデータはモールサイト「JRE MALL」の商品詳細ページから持ってきています。
液晶タブレットでの商品検索
購入した商品はもちろん、指定した住所に後日届くため、重いものを購入した際には持ち帰る必要がなく楽々!
こういった“その場では購入できずに、ECサイトで購入をさせるショールーム型店舗”は、まだまだ一般的ではなく、慣れないお客様も多いですが、JRE MALLはカフェと併設することで入りやすさもあり、新しい購買体験に触れていただくきっかけになっているようでした。
カフェの立地も湘南新宿ラインや東海道線のホームに向かう階段に挟まれており、次の電車が来るまでの15分ほどの間に、次の電車までの待ち時間でご利用いただくなど、認知していただいているようです。
また、実はこの日JRE MALL Cafeの前ではPOP UP SHOPとして「東北物産展」を行っていました。
JRE MALL Cafe前の物産展エリア
ご担当者の方に伺ったところ、JRE MALL Cafeのテーマである福島フェアと連動して、東北の商品を集めた物産展を行っていたようでした。
まさに駅をフル活用したOMO施策と購買戦略が取り組まれていることを実感しました。
JR東日本のご担当者様にお話を聞いてみた!
今回の体験をさせていただくにあたり、JRE MALL Cafeについて東日本旅客鉄道株式会社の武田 雅美 氏と本多 孝道 氏にお話をお伺いすることができました。
体験型ショールーム「JRE MALL Cafe」を立ち上げた目的と背景は?
武田氏:目的としてはJRE MALLの認知向上と会員の獲得になります。
JRE MALLは2022年3月26日で4周年を迎えます。その中でやはり、JRE MALLと聞いてもJR東日本が運営しているモール型通販サイトだということを認知している方はまだまだ少ないと感じています。
他社のモールと比べると及ばないところもまだまだある中で、弊社が持っている駅というリアルとの接点は一番の強みになります。
その強みを最大化させるというところで横浜駅の構内を使って、JRE MALLで取り扱っている商品を実際に「見て・触れて・味わう」というような体験型の場所を作ることで、認知や会員獲得にもつながると考えています。
また他社のモールでOMO施策をやられるとやはり、オンラインからオフラインに送客する、いわゆるネットで商品を見て現物を確かめるためにリアル店舗に行くという流れになると思いますが、逆に「JRE MALL Cafe」のようにリアルの店舗からECサイトに送客するといった取り組みが今まで一般的にあまりなかったことだと思いますので、新しい取り組みができていると感じています。
本多氏:ちなみにJRE MALL Cafeを出店の際に横浜駅を選んだ理由の一つとして、新宿駅、池袋駅に次いで横浜駅が当社で3番目に乗降客が多い点があげられます。※JR東日本 各駅の乗車人員 2020年度
横浜駅は東京駅や品川駅よりも乗降客が多く、こういったトラフィックの多い駅でJRE MALLへの入り口を作ることで、より認知の拡大が図れるのではという想いがありました。
また横浜駅は、日々の通勤通学でご利用になられる方が多く、近隣にお住いの方が日中ゆったりとご利用いただくことや、乗り換えの間に使われる方もいらっしゃるので、いつ来店されても常に変化を感じられるよう意識して運営しています。
体験型ショールームを立ち上げてからの効果とお客様の傾向はいかがでしょうか?
武田氏:会員登録は当初の目標よりも上回った数字で、着実にご入会いただいているような状況にはなっています。
JRE MALLの入会に関しては、他の駅だと入会カウンターを設けているのですが、なかなか入会までつながらないことが課題でもありました。
JRE MALL Cafeのように、商品を実際に手に取って見ることができ、カフェとしても活用できる環境であることは強みであり、スタッフも常時配置しておりますので、コーヒーを飲んでいる方一人一人にお声がけしてご入会に繋げています。
本多氏:JRE MALL Cafeを経由したJRE MALLでの買い上げというところに関しては、まだまだこれからの数字ではありますが、実際にJRE MALL Cafeに自治体のふるさと納税の返礼品であるバームクーヘンを試食で提供したところ、非常に好評で実際にその場でQRコードをスキャンしてふるさと納税に寄付されたというお客様もいらっしゃいました。当初のJRE MALL Cafe の目的である「味わう」という体験も提供できているなと感じています。
今後の展望について教えてください。
武田氏:まだ店舗自体が開業して間もないため、引き続きまずは店舗の認知度を上げていくことだと考えています。
JRE MALL CafeでJRE MALLの商品を見て触れて味わい、加えて98インチモニターなどの機能を使って商品や自治体の返礼品の良さを知っていただいたうえで、関連した商品や返礼品を購入いただけるような流れが2週間に1回の頻度でお客様にお伝えしていければいいなと思っています。
中長期の施策としては認知が高まってきたら、プロモーションとして「JRE MALL Cafe」を活用したいと考えています。通常駅構内で大きな画面を使ってショップや自治体のプロモーションができるとなるとJRE MALLに出店しているショップやふるさと納税の自治体にとってJRE MALLに出店することへの価値につながると考えています。
またOMOに関しては、トライアルの要素も多く、これからいろいろなテーマのイベントをやりながらどういったところにお客様の反響が得られるかを探っていきたいと考えています。
――
東日本旅客鉄道株式会社
武田 雅美 氏
東日本旅客鉄道株式会社
本多 孝道 氏
「JRE MALL」はこちら
「JRE MALL Cafeについて」はこちら
●取材・文:塩見 駿介