KOSÉのブランドを集約した「Maison KOSÉ」。
チャネルを問わないデジタルを活用でLTV・会員数・流入数・回遊率が向上。
マーケティングの主流が個人に最適化される方向へ変化している今、LTVの重要性はますます高まっています。
今回の記事では、LTVについて解説するとともに、LTVが重要視される理由やLTV向上のための施策をご紹介します。
「LTV」という指標は、ECに携わっている人なら誰しも聞いたことがあるでしょう。しかし言葉を知っていても、LTVの重要性について正しく理解できていない人もいるのではないでしょうか。
マーケティングの主流が個人に最適化される方向へ変化している今、LTVの重要性はますます高まっています。今回の記事では、LTVについて解説するとともに、LTVが重要視される理由やLTV向上のための施策をご紹介します。
まずはLTVの指標の意味から見ていきましょう。
LTV(LifeTime Value:顧客生涯価値)は、顧客が特定の企業やブランドに対し、一生のうちにどれほどの利益をもたらすかを数値化した指標です。
LTVが高いと、その顧客は購入額が多く、商品やサービスに満足している状態であると判断できます。
LTVは主に既存顧客の維持や売上増加の施策を考えるにあたって、指標として活用されています。
LTVが重視されている背景には、既存顧客を維持することの重要性があります。
では、なぜ既存顧客を維持することが重要なのでしょうか。その理由としては、以下の2点が挙げられます。
@新規顧客獲得の難しさ
1つめは、新規顧客の獲得が既存顧客の維持よりも難しいことです。
成長途中の市場においては、新商品の発売やプロモーションを通して新規顧客を獲得することが比較的容易です。
一方、成熟した市場では、新商品の販売だけでは注目されにくく、新規顧客を獲得することは簡単ではありません。
特にBtoBビジネスでは、新規顧客の獲得が難しいため、既存顧客との関係を維持する傾向にあります。
A新規顧客獲得コストの高さ
2つめは、コスト面の問題です。
たいていの場合、新規顧客の獲得よりも既存顧客の維持の方が、コストが低くなります。
一般的に、新規顧客を獲得するためのコストは、既存顧客の維持にかかるコストの5倍になると言われています。
コストがかかれば収益率が低下するため、収益率向上のためにも既存顧客の維持が必要となります。
このように既存顧客維持のメリットは大きく、その指標であるLTVが重要視されているのです。
近年特にLTVが注目を集めるようになったのは、「One to Oneマーケティング」への移行やサブスクリプション型ビジネスなどの普及が背景にあります。
・One to One マーケティングへの移行
マーケティングはインターネットの普及やコンテンツの多様化、人口の減少などに伴い、不特定多数に向けた「マスマーケティング」から「One to One マーケティング」へ移行しつつあります。
One to One マーケティングとは、顧客一人一人の興味関心に合わせて、個別に最適化したマーケティング活動のことです。
One to One マーケティングのために活用されているのが、CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)です。
・CRMの広まり
CRMとは、顧客との良好な関係性を築き維持していくための仕組みや、そのためのツールのことを指します。
CRMツールでは、ページのアクセス状況の確認やクーポン配布といったことができます。
これらの機能を活用することで、LTVの改善、ひいては既存顧客との関係性の向上に役立てるのです。One to Oneマーケティングが主流になった現代では、CRMの重要性が叫ばれるようになり、その結果、LTVを指標として活用するようになったという背景があります。
・サブスクリプション型ビジネスの普及
もうひとつ、LTVが指標として注目される理由には、サブスクリプション型ビジネスモデルの普及があります。
近年では、さまざまな分野でサブスクリプション型のビジネスが展開されています。定額料金で提供されるサブスクリプションにおいては、顧客の継続利用が事業の目標となるため、LTVが重要となってくるのです。
ここまで、LTVの重要性について解説してきました。ここからは、LTVの算出方法について紹介していきます。
LTVの算出方法はいくつかあり、何を考慮したいかによって構成する要素が異なります。よく使われている計算式をご紹介します。
計算式は以下のとおりです。
<計算式>
LTVを上げるためには、LTV算出の計算式に使われている各要素を改善する施策が必要です。
ただ、各要素を改善するといっても、単に値上げをしたり商品の品質を落としたりすれば、顧客の購買意欲が下がってしまいます。場合によっては、「購買頻度」や「継続購買期間」の値が低下し、LTVも下がりかねません。
LTVを上げるためには、顧客のロイヤリティを高めることが必要となります。そのためには、ブランドや商品、ECサイトのファンになってもらえる施策を実施することが重要です。
ブランドや商品に対し愛着を持ってもらうことで、繰り返し購入したり、口コミで商品を紹介したりしてもらえるようになるのです。
LTVの各要素を上げるための施策の基本となるのは、顧客との接点(コンタクトポイント/タッチポイント)の多様化です。
情報発信の手法は従来、メールや郵送によるDMが主流でした。現在ではSNSの普及により、企業アカウントからの発信やDMが主となっています。
先にご紹介した計算式を例に、具体策をご紹介します。
@平均購買単価を上げる
平均購買単価を上げるためには、高額な商品への乗り換えをしていただく「アップセル」、追加で関連商品を購入していただく「クロスセル」の施策が効果的です。
アップセルでは、高額な商品を購入する際の割引や無料サポートの追加、おまけのノベルティグッズを提供するというような施策を、タイミングに合わせて実施する方法があります。
クロスセルの代表的な施策は、関連商品のレコメンドです。顧客の購入時に関連商品をレコメンドする、購入後の連絡で新商品のお知らせをするというような施策が考えられます。
A購買頻度を上げる
購買頻度を上げる主な施策としては、セール情報や、自社商品に関する知識や活用方法などの定期的な情報発信が挙げられます。また、過去に取引があった休眠顧客への施策も有効となります。
顧客が商品・サービスの利用をやめたきっかけを調査し、再度利用する可能性の高い休眠顧客に対してアプローチを行えば、再度顧客となる可能性があります。
B継続購買期間を延ばす
継続購買期間を延ばすには、次に購入する際のベネフィットを顧客に提示するのが方法のひとつです。
例として、初回購入時に特典として次回使えるクーポンを進呈する、購入ポイント制度を作る、累計購入額によって会員のランクが決まる、といったような施策があります。
また、オムニチャネル戦略も効果的とされています。オムニチャネルとは、実店舗や通販、インターネットなど複数の購入経路(チャネル)をまとめ、どの購入経路でも同じように購入できたり特典が受けられたりする施策です。オムニチャネルの利便性の向上や新たな顧客体験の提供によって、顧客の行動を促せます。
LTVの向上には、顧客情報を一元管理して顧客との良好な関係性を築くCRMツールも有効です。
一般的にCRMツールには、顧客情報の管理や分析、施策の実施といった機能を備えています。
データ分析結果に基づき施策を行うことで売上やロイヤリティの向上が期待でき、コスト削減にもつながります。その施策の効果は指標であるLTVに表れてくるでしょう。
ecbeingでは、CDP(Customer Data Platform:顧客データ基盤)とCRMの機能を備えたマーケティング分析ツール「Sechstant(ゼクスタント)」を提供しています。
「Sechstant CDP」と「Sechstant CRM」を導入すれば、オムニチャネル分析から施策実行までワンストップで行えます。 また企業の環境に応じて、CDPかCRMのどちらかのツールを個別に導入することも可能です。
それぞれどのような機能があり、LTV向上にどのように貢献できるのか、簡単にご紹介します。
・Sechstant CDP
Sechstant CDPは、オムニチャネル分析を行えるツールです。LTVを算出できるほか、F2転換やRFM分析などの各種分析機能を標準機能として提供しています。
また店舗データとECデータを連携させて分析ができるため、チャネルを横断した施策を検討でき、分析業務の効率化も図れます。
分析に利用したデータは、CRMにも活用可能です。レポート機能や課題整理など、今後の経営戦略を検討するための機能も備えています。
・Sechstant CRM
Sechstant CRMでは算出・分析したデータをもとに、施策を実行します。購入後のフォロー、ポイント失効前のリマインド、誕生月のクーポン配布などの機能を備え、メールやLINE、ecbeingアプリ、Yappliにプッシュ通知を行うことも可能です。
配信後もABテスト機能やメール開封結果分岐機能を活用でき、シナリオ分析も1クリックで簡単に行えます。
> Sechstantに関する詳細はこちら
ECサイトの運営には、効率的な施策の実施に目を向ける必要があるものの、大前提として、適切に管理された顧客データからLTVを正しく算出・分析しなければなりません。
LTVを上げるためには、顧客のロイヤリティ向上が不可欠です。CRMは特にECサイトの運営には欠かせないツールで、ロイヤリティ向上にも役立ちます。
自社にデータ分析や顧客管理の有効な実績がない場合は、CDP機能も備えたCRMツールの導入を検討してみてはいかがでしょうか。