成長を続けるリユースECとは?
二次流通市場の現状から、オンラインでの中古買取まで徹底解説
中古・リユース品を取り扱う二次流通市場は年々拡大しています。またECを通じて二次流通の取引も行われており、オンラインで中古・リユース品の買取を依頼して自宅から事業者に配送できるサービスを導入している企業も増えています。
今回は二次流通市場や、オンラインでの中古・リユース品の販売買取について詳しくご紹介します。
中古・リユース品を取り扱う二次流通市場は年々拡大しています。またECを通じて二次流通の取引も行われており、オンラインで中古・リユース品の買取を依頼して自宅から事業者に配送できるサービスを導入している企業も増えています。
今回は二次流通市場や、オンラインでの中古・リユース品の販売買取について詳しくご紹介します。
中古・リユース品ECの特徴
二次流通市場の現状
中古・リユースビジネスに関する専門メディアである「リサイクル通信」の調査によると、中古・リユース品を販売する二次流通市場の規模は調査の対象となっている2009年から12年連続で右肩上がりを続けています。2021年は前年比の11.7%アップの約2.7兆円まで拡大し、2022年には3兆円、2025年には約3.5兆円の規模まで市場が拡大すると予想されています。
出典:リユース通信(2022)
リユース業界の市場規模推計2022(2021年版)
そんな二次流通市場において最も取引金額が大きい販売形態は、「メルカリ」などのフリマサービス、「ヤフオク!」といったオークションサイトなどを通して個人間が取引を行う「CtoC」となっています。
二次流通市場におけるECサイトを介したBtoC取引の今
中古・リユース品の販売などECを介した二次流通のBtoC取引は、全体の2割にも満たない数字ではありますが、約5000億円規模の市場となっています。2020年の新型コロナウイルスの感染が拡大したことにより店舗の休業や時短営業を強いられてBtoCの取引額が減少する中、ECでの販売を強化した事業者が多かったこともあり前年の市場規模を上回るという結果になりました。
そして、ECにシフトする流れは現在も継続しており、2021年もECを介した中古品の取引の拡大は続いています。
二次流通のBtoC ECにおける取り扱い商品の特徴と在庫管理
二次流通市場で取り扱われる中古品は、基本的には一点物が多いという特徴があります。実店舗とECの両方で一点物の商品を併売する場合は、相互で商品在庫の連携を行わなければなりません。
もし在庫の連携ができていなければ、実店舗で商品が購入されて在庫が不足している状態にも関わらずECサイト上には在庫があるという情報が掲載されたままになってしまい、ECでも購入されるという事態が発生するリスクがあります。
ECサイトを活用することで販路を広げたり、販売機会を増やしたりすることができる一方、在庫管理業務が上手くいかない場合は店舗の評価が下がる可能性があることを踏まえて併売を検討する必要があります。また、実店舗とECの併売を効率良く行うためには在庫管理システムを導入するという方法があります。
オンラインを経由した中古買取
近年の二次流通ビジネスにおけるデジタルの活用は、販路拡大などを目的にECで商品を販売するだけではありません。「オンライン買取」を導入する事業者が増え、ユーザーが実店舗に足を運ばなくても中古・リユース品の買取をしてもらえるようになりました。
「宅配買取」や「ウェブ買取」とも呼ばれるこの買取方法は、主にユーザーがウェブサイト上から買取を申し込んだ上で指定の方法で自宅から品物を配送し、事業者が査定をした後に買取金額が振り込まれるという仕組みです。その他にもブランド品を取り扱う事業者では、店舗にいる鑑定士とビデオ通話で繋いだ上で査定を行い、その場で買取金額が確定させた上でユーザーが買取金額に納得した場合は宅配で商品を発送するといった買取方法を採用している事業者もあります。
環境省の調査によると、オンライン買取など宅配での買取サービスを利用して中古・リユース品の買取をしてもらった人の割合は、実店舗での買取やインターネットオークションでの販売といったような方法と同様に約10年で徐々に下がっているというデータが出ています。
その背景には、2013年のメルカリの登場以来フリマサービスが日本国内でも普及し、事業者を介さず一般消費者が希望する金額での中古品の取引を手軽に行えるようになったということがあります。実際に2015年に中古・リユース品のやり取りを行った人のうちフリマサービスを利用した人はわずか2%でしたが、2021年には11%の人が利用するようになるまで大幅に利用者が増えているのです。
出典:環境省環境再生・資源循環局総務課リサイクル推進室(2022)
令和3年度 リユース市場規模調査 報告書
しかし一方で、掲載されている商品が届かない、写真や説明とは異なる商品が届いた、悪質なクレームなどフリマサービスを経由した取引はトラブルが発生するリスクを孕んでいます。また、フリマサービスを経由した取引は個人間での取引となるため、原則トラブル解決は当事者間で解決しなければならないため泣き寝入りをしなければならない可能性が大いにあります。こうしたトラブルに巻き込まれないために、事業者を経由したBtoC取引で購入・買取をする人が絶えることはないでしょう。
中古・リユース品の買取で事業者に発生する義務とは
中古・リユース品の買取販売などの二次流通に関する事業を営む場合は、店舗など営業所を管轄している警察署に古物商許可を申請する必要があります。また、中古・リユース品の買取販売を行う事業者は、盗品が売買されることの防止、速やかな発見のために制定された「古物営業法」と呼ばれる法律を順守しなければなりません。中でも下記の「三大義務」と呼ばれる防犯ルールは特に守る必要があります。
・取引相手の確認
中古品の買取を行う場合、事業者は取引相手の本人確認を行うことが義務付けられています。対面による本人確認の際は、身分証明書の提示やその場で自筆した買取申込書の提出などで住所・氏名・年齢・職業を確認した上で記録しておく必要があります。
・不正品の申告
盗品と思わしき物品の買取を依頼された場合は、不正品として管轄の警察署に申告しなければなりません。
・取引記録の記載
中古品の買取を行った場合は、取引相手の情報(住所・氏名・年齢・職業)・取引内容・取引年月日・買い取った品物の特徴を帳簿に記録する義務があります。またこの記録は、最後の取引記録から3年間は保管しなければなりません。
eKYCを活用することでオンライン買取時の本人確認が簡単に
オンラインを経由した二次流通ビジネスも古物営業法を遵守しなければなりません。そのため、ユーザーから買取依頼があった段階で本人確認を行う必要があります。オンライン買取では主に、身分証明書を撮影した画像を会員登録・買取依頼時にアップロードする、コピーを品物の配送時に同封する、集荷時に対面で確認するといった方法で対応しています。
店舗に直接足を運ぶ必要はないという利点はありますが、この方法ではユーザーにとって身分証のアップロードやコピーの準備、集荷時間を指定してそこに合わせて自宅で待機するといった手間が発生するだけではなく、買取申し込みから完了まで1〜2週間程度のリードタイムがありました。また事業者側も、送付された身分証の情報管理や確認業務、外部の運送業者への依頼を含めた集荷対応などのオペレーションが発生します。
こうしたユーザー、事業者共に手間のかかる本人確認業務を効率化させる方法の一つがeKYC(電子での本人確認)の活用です。eKYCを導入すれば、ユーザーが本人確認書類と顔写真といった容貌の画像送信のみで本人確認をオンライン上で完結させることが可能になります。
本人確認を簡単に行えるようになることで、ユーザーの買取依頼が手軽になるだけではなく事業者側で発生していた業務やコストの削減できるといったメリットを得ることができます。
独自のオンライン買取サービスを行っている主なリユースECサイト
独自のオンライン買取を行っているリユースECサイトをいくつかピックアップしてみました。
ブックオフオンライン(ブックオフオンライン株式会社)
2007年にオープンした中古の書籍・コミックや、CD、DVD、ゲームソフトなどを取り扱う日本最大規模のオンライン中古書店です。買取方法として最短翌日に対面で品物が集荷される「宅配買取」だけではなく、宅配ボックスがあるマンションでは宅配ボックスに預けるだけで配送が作業が完了する「宅配ボックス買取サービス」も選ぶことができます。また、ブックオフオンラインで注文した商品を送料無料でブックオフの実店舗で受け取れる店舗受け取りサービスを行っているという特徴もあります。
駿河屋.jp(株式会社エーツー)
ゲームソフトやアニメグッズ、おもちゃなど中古ホビーの売上でナンバーワンを誇るECサイトです。売りたい商品を詰めて発送するだけで買取ができる「かんたん買取」と、オンラインで査定依頼をして買取価格が分かった状態で商品の発送を行う「あんしん買取」の2種類のオンライン買取の方法があります。またECサイト上で査定の依頼をした上で、実店舗の商品を持ち込んで買取をしてもらえる「あんしん持込」という買取サービスも行っています。
KOMEHYO ONLINE(株式会社コメ兵)
ブランド品の買取販売を行う老舗・コメ兵では自宅から品物を箱に詰めて送る「宅配買取」だけではなく、事前に買取価格を査定した上で配送する買取も行っています。事前の査定はLINEの友達登録をした上でトークルームから画像を送付する「LINEで査定」、ビデオ通話で鑑定士とコミュニケーションを取りながら査定を受けることができる「ビデオ査定」という2種類の方法があります。ECサイト上では、欲しい商品の画像をアップロードすればそれを基に商品を検索できる機能が搭載されています。
ecbeingでリユースECサイトを構築した事例
中堅・大手を中心に1,500以上のECサイトに導入されているECサイト構築パッケージecbeingは、標準機能だけではなくカスタマイズを加えながら事業者の希望に合わせたECサイトを実現させることができます。
そんなecbeingを利用してリユースECサイトを構築・リニューアルを行った事例をご紹介します。
ゴルフパートナーオンラインショップ(株式会社ゴルフパートナー様)
中古ゴルフクラブをはじめ、ゴルフ用品を取り扱うゴルフパートナー様は、システムの老朽化と販売機能の不足という課題を解決するためにecbeingの仕組みを導入してECサイトのリニューアルを実施しました。
このリニューアルでサイトのシステム構築だけではなく、サイトデザインの制作もecbeingが行うようになり、社内の業務最適化を実現できました。
ALLUオンラインストア(バリュエンスジャパン株式会社様)
ブランド品・貴金属の買取販売を行うバリュエンスジャパン様が展開するBtoC向けのリユースECサイトです。ALLUではECサイト上で集めた顧客の声を活用して改善を進めていきながら事業ならびにサイト作りを進めていき、2年間でECの売上が4倍アップという結果を出しました。
まとめ
中古品を販売するリユース市場は年々右肩上がりを続けており、2025年には3.5兆円の規模まで拡大することが見込まれています。その中でECを経由したBtoC取引が盛んに行われたり、オンラインから中古品の買取を依頼できるサービスを展開する事業者も増えています。
こうした二次流通のEC事業を行う際は中古買取の実店舗との在庫の連携、買取時に必要な本人確認業務を効率的に行えなければトラブルへの発展、業務の煩雑化、ユーザーの離脱に繋がる可能性もあります。
中古品の買取販売のECサイトを成功させるためには、既存サイトのベンチマークやシステムの比較を行いながら自社で実現したいことを明確にしていくことが大切です。今後、二次流通のECサイトを検討される方は、この記事を参考にしてみてはいかがでしょうか。
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