プレゼントは遠く離れていても渡せるソーシャルギフト!
アンケートから導くZ世代が考える新しいギフトの在り方
アンケートから導くZ世代が考える新しいギフトの在り方
近年、デジタル化が進んでいく中で様々な常識が変化してきています。その中でも今回は、デジタルを活用したプレゼントやギフトに焦点を当てZ世代のギフトの在り方を解説していきます。
さらに、「遠く離れた相手にも気軽にプレゼントを渡せる」新しいギフトの在り方について現役大学生にアンケートをとり、流行りのギフトサイトやギフトに求める生の声を掲載しています。
近年、デジタル化が進んでいく中で様々な常識が変化してきています。その中でも今回は、デジタルを活用したプレゼントやギフトに焦点を当てZ世代のギフトの在り方を解説していきます。
さらに、「遠く離れた相手にも気軽にプレゼントを渡せる」新しいギフトの在り方について現役大学生にアンケートをとり、流行りのギフトサイトやギフトに求める生の声を掲載しています。
昨今のギフト市場
株式会社矢野研究所が2022年1月28日に発表したデータによると、人生の特別なシーンにおいて根付いているフォーマルギフト市場は規模縮小が続いている一方で、コミュニケーション手段としてのカジュアルギフトは年々重要度が高まり、市場規模は拡大してきました。
2020年以降のコロナ禍においてのギフト市場は、新型コロナウイルス感染拡大による様々な影響を受け、フォーマルギフトである冠婚葬祭は密を避けるためにギフトの贈呈機会が激減しました。その反面、「誕生日」や「母の日」といった、より近しい間柄で贈られるカジュアルギフトは好調に推移するなど、オケージョンごとに異なる様相を示しています。
「より近しい間柄」「カジュアルギフト」など、年に何度か贈る機会があるものの需要が高まっており、今後もさらに拡大の見込みがある市場といえます。
また、コロナ禍の影響は贈る商品にも影響を及ぼし、旅行にいけないからこその特定地域の特産品を選んだり、少し変わった遊び心のある商品を選ぶ人も増えています。
出典:ギフト市場に関する調査を実施(2021年) | ニュース・トピックス | 市場調査とマーケティングの矢野経済研究所 (yano.co.jp)
Z世代に聞いたアンケートとリアルな声
Z世代46人に、独自に聞いたアンケ―トでは、プレゼントを渡す側と貰う側の気持ちについての質問をしたところ、渡す立場になったときも、貰う立場になったときも、どちらも「状況に応じて変わる」と回答したのが60%以上を超えていることがわかりました。また、貰う立場になったときのほうがより、「オンラインでもらうでも良い」と回答した方が多いこともわかりました。
※以降のデータは、2023年3月実施 アンケート調査(18歳〜25歳の現役大学生男女46名)を基にした内容になります。
アンケート:プレゼントを渡す側の気持ちを教えてください
アンケート:プレゼントをもらう側の気持ちを教えてください
このように、様々な多様化がすすめられている中で、ギフト市場もフォーマルギフトとカジュアルギフトの多様化が見られます。そんな中、近年注目されているのが「ソーシャルギフト」です。
ソーシャルギフトとは?
住所を知らない相手にも、LINEやSNSなどで受け取り専用URLをシェアすることで、手軽にギフトを送れるサービスのことをいいます。SNSなどオンラインでつながっている相手にギフトが送れるため、住所、電話番号、在宅予定など聞く必要がないのが特徴です。送りたい時にすぐに送れるのも特徴です。
出典:SNSでギフトが贈れる!「ソーシャルギフト」とは?便利な使い方を紹介|ギフト プレゼントのMOO:D MARK by ISETAN(伊勢丹)
ギフトECとの違い
ギフトECはギフト商品を専門に展開しているECサイトです。結婚・出産・入学などのお祝いから、暑中見舞いやお歳暮などの季節の贈り物、バレンタインデーなど様々な祝い事に合ったギフトを揃えています。
さらに、特徴としてラッピングや名前入れメッセージカードなど送り主も受け取る側も楽しくなるオプションを用意しています。
ソーシャルギフトはLINEやSNSのメッセージ機能などを使って贈る事ができます。住所は受け取る側が記入するので、住んでいる場所を教えなくても知らなくてもギフトを贈る事ができるのが特徴です。コーヒー1杯やアイス一個のギフトもあり、低価格のギフトを手軽に贈る事ができます。
ソーシャルギフトを使う理由
ITmediaビジネスONLiNEの記事より、オンラインギフト総研が調査したソーシャルギフトの利用実態調査によると、「ソーシャルギフトを利用する理由」は、
1位 サプライズになる
2位 気楽なお礼、プチギフトとして使える
3位 住所を聞くことで身構えたり遠慮される
4位 うっかり忘れていた
5位 すぐに購入出来て、気楽に送れる
その他、「SNS上だけの友達に送りたい」「いつ家にいるかわからないしギフトなら相手が自分で受け取り日時を設定できる」「出産の入院中など会えない相手に送りたい」「手土産替わりに使える」「リモート環境か出会えない同僚におくりたい」 という結果でした。
出典:あえてソーシャルギフトを使う理由 2位「プチギフトに便利」、1位は?:オンラインギフト総研調べ - ITmedia ビジネスオンライン
ソーシャルギフトの需要
Z世代46人に、独自に聞いたアンケ―トにて、「ソーシャルギフトの利用」を聞いたところ、利用率は約7割という結果であり、さらには集計の男女比率も女性54.3%:男性45.7%とほぼ半々であったことから、男女ともに需要があり、ターゲット層は広くとれると考えられます。
アンケート:ソーシャルギフトを利用したことがありますか?
今後、ソーシャルギフトはギフト市場の中でどんどん拡大していくとされています。
利用したことがないと答えた方に、「利用しない理由」を聞いたところ、「知らなかった」「使う機会がない」と回答されたほかに、
「実際に見に行って購入し、自分の手で渡したいから」
「具体的にどんなものがプレゼントできるのか想像できない」
という回答もありました。
このことから、ソーシャルギフトでプレゼントできる商品を、どんなシチュエーションで渡せることが可能なのかを連想させることや、自分の手で渡したようなサービスを提供できるサイト運営など、プレゼントを渡す側の顧客視点を踏まえることで、更なる需要が見込まれ ます。
利用するシチュエーション
Z世代は、ソーシャルギフトをどのように活用しているのか。アンケートにて「ソーシャルギフトを使う時はどんなときか」というアンケートでは、「友達への誕生日」「お礼・お詫び」「何でもないとき」の3つのパターンに分けられました。
・「友達への誕生日」
⇒その中でも「なかなか会えない友達」や「そこまで深く親しくない友人」
・「お礼・お詫び」
⇒「ご馳走してもらった」「バイトを代わってもらった」「モノを貸してくれた」「待ち合わせに遅刻した」
・「何でもないとき」
⇒「特に理由はないけどあげてみたかった」「面白そうだからいつも親しくしてくれている人にあげた」
このことから、Z世代のソーシャルギフトの使い方は、
・フランクな相手に贈ることが多い
・行動として相手にしてもらった場合の、お礼のお返しとして渡される傾向がある
・興味、好奇心でプレゼントとして渡す
という、日常生活の中の「フランク」「カジュアル」な場面で利用されることが多いことがわかります。
ソーシャルギフトの事例
LINEギフト
2500万人ものユーザーが使っています。LINEで繋がっていればいつでもどこでも手軽にギフトを送れるのが特徴的です。ギフトは低価格な商品から高級商品まで幅広く揃えています。出店ショップ数は約1000店舗、10万点もの商品の中から相手に合ったギフトを選ぶ事ができます。利用シーンは様々で、誕生日や感謝の贈り物、応援などで多く利用されます。メッセージカードを添えて送れるので気持ちを伝えることもできます。
出典:LINEギフト、累計ユーザー数2,500万人突破!最新のユーザー属性・利用動向を公開|LINE株式会社のプレスリリース (prtimes.jp)
MOO:D MARK by ISETAN
MOO:D MARKは伊勢丹が運営しているソーシャルギフトサイトです。特徴としてギフトコンシェルジュという機能があります。性別や好み、特徴などを入力すると受け取り側に合った商品をピックアップしてくれる機能です。さらに、専用フォームに質問を送ると伊勢丹のバイヤーや販売員に直接相談を受けることもできます。
MOO:D MARKはカフェやホテルのアフタヌーンティー利用権など非日常を味わえる体験型のギフトが人気です。その他にも、店舗で扱っている商品よりも低価格で高品質な商品も扱っています。MOO:D MARKの特徴として、シンプルなラッピングや10種類ものメッセージカードを用意しています。ただ贈るだけでなく、感謝やお祝いなどを多彩なオプションで表現できます。
出典:贈りたいギフト・プレゼントが見つかる通販サイト|MOO:D MARK by ISETAN(伊勢丹) (mistore.jp)
アフタヌーンティー
ギフトカタログが人気なソーシャルギフトサイトです。様々な価格帯のカタログがあり、受け取り側はカタログを見ながら好きな商品を選ぶ事ができます。
商品の特徴は、キッチングッズやリビング用品、ベビーグッズ、生活雑貨などが人気で可愛らしい商品が多く揃っています。それだけでなく、フードやアフタヌーンティー限定グッズなどもあります。
新婚さんへのプレゼントや、出産祝い、女性へのプレゼントにおすすめです。
出典:ソーシャルギフト | アフタヌーンティー公式通販サイト (afternoon-tea.net)
dozo(どーぞ)
dooは個性豊かなテーマやイラストから、ギフト選びができるのが特徴です。その人の個性やメッセージを思い描きながらギフト探しができます。例えば、「#肉しか勝たん。」「#ご自愛プリーズ」「#ダンディズム入門」など88種類ものテーマから選んだり、受け取り側のイメージに合ったイラストから選ぶなど、贈る側も楽しくギフト探しができます。複数人で贈る場合には、受け取り側のイメージなどをワイワイ話しながら選べて楽しいという声もあります。
出典:dōzo – SNSで贈れるソーシャルギフト《どーぞ》
Giftee(Giftee for Business)
Gifteeは他のソーシャルギフトと同じくSNSを使ってギフトを送ったりメッセージを送ったりする事ができます。しかし、Giftee for Businessではビジネス向けや福利厚生の一部として利用できます。例として、来店・来場プロモーションでソーシャルギフトを渡したり、新規登録者やアンケート回答者に向けて抽選応募できるシステムなどが利用できます。他には福利厚生として社員に贈る事ができます。Giftee for Businessを利用する事でコストの削減・効率化に繋がるビジネス向けのソーシャルギフトです。
出典:giftee for Business
これからのギフト市場をZ世代はどう考えているのか
これから、拡大が見込まれているソーシャルギフトを、Z世代はどう考えているのか。
独自でZ世代に聞いたアンケートでは、選ばれる基準は「手軽さ」「誰に渡しても喜んでくれるもの」が選ばれる基準であることがわかりました。
アンケート:使う、選ぶ基準は何ですか?
さらに、「ソーシャルギフトにあってほしいことや今後求めていること」について質問したところ、このような意見が出ました。
ソーシャルギフトにあってほしいことや今後求めていることは何ですか?
・同じようなものばかり送ってしまうのでもっと選択肢が広がってほしいのと、もっと細かくターゲットを決めてその人に対しておすすめのギフト提案などをしてほしい
・ギフトの種類を増やしてほしい
・相手が過去にもらったことのあるギフトを知りたい
・友達の誕生日が重なる月などに、毎回払うのが面倒なためギフトのツケ払い
・もっと使いやすくなってほしい
・複数のギフトを組み合わせて送れるようにしてほしい
・外部サービスを使うとややこしくなるため、支払いの手間を軽減してほしい
・ギフトの期限を無くしてほしい
・派手な演出が出るなどのプレゼント感を満載にしてほしい
・安さ
・高齢者にもわかりやすいようにチケットなどは紙に印刷できるようにしてほしい
・直接渡すときと比べ、オンライン上だとどうしても軽く感じるので、大切な友達に対してソーシャルギフトをあげるのに抵抗がある。何か工夫した付加価値がほしい
・限定の商品を買えるようにしてほしい
・お店で使うチケットが多いので、Amazonなどと連携してモノが届くようにしてほしい
・受け取り期間、使用期間が短いものは長くしてほしい
・ギフトの画像を詳しく載せてほしい
フランクに渡すことができるものとしての利用価値が高い一方で、きちんとプレゼントとして相手に渡すものだから、相手が好きそうなもの、喜ばれるものを渡したいという考えも多く、「相手の好みやギフト履歴がわかるようにしてほしい」という意見もありました。
まとめ
今回は、Z世代である著者が実際にZ世代にアンケートを取り、それを元にソーシャルギフトについて解説しました。
ソーシャルギフトが現在使われているのは、「手軽さ」「フランクにあげられる」ものとしての需要が高く、さらに渡す相手も「親しい間柄」以外にも「あまり深く親しい間柄ではない同世代」に送る傾向であることがわかりました。
「フランクに贈ることができるギフト」として、確立していく一方で、Z世代が今後ソーシャルギフトで求めていることは「プレゼントとして凝ったもの」であることも考えられます。直接自分の手で相手に渡せないからこそ、プレゼントとしてソーシャルギフトを利用する場合は、直接渡すときと同じくらい、あるいはそれ以上に凝ったものを贈りたい。というZ世代の意見がわかりました。
ソーシャルギフトは「お祝い」「感謝」「お詫び」の3つのパターンで利用されることが多く、「お祝い」の場合は、「プレゼントとして凝ったもの」「サプライズ性のあるもの」「感謝」や「お詫び」は、「お気持ちとして渡すことができるフランクなもの」と、利用するシチュエーションによって「フランクさ」と「凝ったもの」の二極化で利用されるのもソーシャルギフトの特徴です。