ECサイトのコンバージョン率を高める様々な工夫とは?
ECサイトのコンバージョン率をあげたい !というのはどのECサイトの担当者でも目指していくところだと思います。コンバージョン率の改善としては、ユーザー目線でのサイトデザインやサイト内周回を促す導線も考えられますし、もうひとつかご落ちしたユーザーに対するアプローチも大きな効果を上げられることが分かっています。
今回はECサイトのコンバージョンを上げるための事例などをご紹介します。
ECサイトのコンバージョン率を上げている事例
ECサイトでのコンバージョン率の上昇には、サイトのデザインも含めた包括的なサイト改善が必要になります。
1つ目の視点は自社のECサイトがユーザー目線であるかどうかです。
例えばTHE BODY SHOPのECサイトを見てみると、グローバルナビゲーションで商品カテゴリーの中に「シリーズから選ぶ」という入り口や「ギフト」カテゴリーなど、顧客のさまざまな欲求を見越してナビを設置しています。
さらにTOPページから商品ページにいたるまで送料無料キャンペーンをカウントダウンで告知することで、クリスマス前の購入喚起を訴求しています。
さらに商品レビューを掲載することで、より商品の良さがお客様に伝わりやすいですね。
さらにTHE BODY SHOPはお客様にECサイトでのお買い物のしやすさや、最寄りの店舗情報が簡単にわかり、ECサイトや実店舗でもポイントが貯まるアプリを提供しています。
ユーザー目線でECサイトやサービスを提供しておりファンも多く、リピーターも多いECサイトです。
ECサイトのコンテンツでもコンバージョン率の違いが出てきます。スポーツ&カジュアルウェアでおなじみのチャンピオンのECサイトをみるとスタッフスタイリングのコンテンツが非常に目立ち、人気のコンテンツになっております。通常の商品ページを見たユーザーよりも着用のイメージが湧き、コンバージョン率が高くなる傾向がございます。
いつも立ち寄る店舗のスタッフのスタイリングがひと目で見れると、店舗スタッフとの接点も増え、購入意欲も湧きますよね。
お客様のユーザーファーストを意識した素敵なサイトで、店舗とECサイトを連携したオムニチャネル施策も注目です。
Tシャツでおなじみの株式会社グラニフ様はInstagramのユーザーコーディネートと商品を紐付けて掲載しています。
購入しているユーザーの25%がこのコンテンツを閲覧していて、コンバージョン率は130%アップしています。こちらはInstagramとの連携ツール「visumo」を導入しています。
購入直前の「かご落ち」とは?
コンバージョン率悪化の一因となるのに「かご落ち」が挙げられます。かご落ちというのは一度ショッピングカートに商品を入れていたものの購入する前に離脱してしまうことで、あと一押しというところでコンバージョンを逃してしまうので非常にもったいない現象です。
e-Agencyの調べではECサイトのかご落ち率は平均で70%にも上ると言われています。
特に新規顧客のかご落ち率は70%だと言われており既存顧客の30%より高いことが分かっています。
かご落ちの大きな原因のひとつとしては「予想外のコストが表示された」「送料が意外にも高かった」「送料無料まで料金が届かなかった」などが挙げられており、ショッピングカートに行く前にしっかりと料金表示をしておくことも重要と言われております。
とはいえ、一度購入を検討した商品なのでまだ購入につながるチャンスはあります。どのようなかご落ち対策を行えばコンバージョンを上げることができるのでしょうか?
「かご落ち」ユーザーを再び呼び戻す工夫
かご落ちしたユーザーに再度購入を促進するために使われるのが「かご落ちメール」と「かご落ちリマーケティング広告」です。
まずかご落ちメールというのは特にメールアドレスなどの情報をすでに登録している既存顧客に対して再度アプローチするメルマガ手法です。
具体的な例を挙げると、J LoungeというECサイトではかご落ち1時間後にメールを配信することでコンバージョン率を5倍に上げています。
さらにメールアドレスなどの個人情報をまだ登録していない新規顧客に向けても使える工夫がかご落ちリマーケティング広告です。
かづら清老舗のECサイトでは非会員と会員ともにリマーケティング広告を配信し、かご落ちリマーケティング広告のコンバージョン率は通常のリマーケティング広告の42倍もアップしています。
このようにツールを導入することでも商品に興味がある方の欲望段階を上げることができ、積極的な販促対策を持ってコンバージョンを上げることができます。
サイトによって異なるかご落ち対策
Amazonや楽天などの大手ECサイトでは同じかご落ち対策でも若干ポイントが変わってきます。特に競合ECサイトが同じモールに多く存在し競争が激しい場合には、カートに一旦商品を入れて他の競合ECサイトの商品と比較するということが行われるようです。
ある化粧品メーカーの事例では他社商品との差別化をはっきりさせるコンテンツに改善してからかご落ち率が50%から30%に下がったと報告されています。
他にもショッピングカートアイコンに商品点数を表示する、最近チェックした商品を強調させる、送料無料を強調するなどかご落ち対策にもさまざまなバリエーションがあります。
まずは自社のかご落ち率を分析してみよう
かご落ちの状況はECサイトによっても異なります。カート内の未購入品が何点に上ってどのような商品だったのか、カートに投入した後にどのページで離脱しているのか?などを可視化させることがかご落ち対策に非常に重要です。
※ecbeingのかご落ち分析機能
ユーザーファーストを考慮したECサイトを目指そう
もちろんかご落ちの対策は非常に重要ですが、コンバージョン率を上げたい!と思う前にユーザーのためのECサイト構築を心がけましょう。より良い商品を販売するということは前提としてお客様が喜ぶサービス・コンテンツを充実させて、お客様目線でユーザビリティの良いサイトになっているのかということと、Googleオプティマイズなどを使ってPDCAを繰り返し、お客様がより良いお買いものができるECサイトを目指していきましょう。