2017年国内EC業界のまとめ・未来のEC業界の動向

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2017年12月には日経平均株価も大きく上昇しました。人々の消費行動も促進され、EC業界においても着実に成長した1年です。幅広い世代へのスマートフォンの普及からも、今後の成長が期待されるEC業界。今回は、そのEC業界2017年の振り返りと、今後の展望を見ていきましょう。

右肩上がりのEC市場とその背景

出所:経済産業省「平成28年度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備」

出所:経済産業省「平成28年度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備」


出所:経済産業省「平成28年度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備」

出所:経済産業省「平成28年度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備」


グラフが示す通り、BtoBのEC(企業間電子商取引)、BtoCのEC(消費者向け電子商取引)ともにEC市場規模は右肩上がりです。商取引のうち電子商取引が占める割合を示すEC化率も増加しております。多くの企業がECサイトを中心とした販売方法を導入しています。BtoB市場の数値はEDI(Electronic Data Interchange)の数値も入っているようです。近年BtoBの電子取引ではEDIをやめ、BtoB ECサイト構築をしている事例が増えております。


その理由はこちらの記事もご覧ください

BtoBサイト構築を成功に導くポイントをご紹介!

BtoCのEC市場規模は2010年の約2倍以上に拡大

日本のBtoCのEC市場規模は、リーマンショックの尾を引いていた2010年当時は7.7兆円でした。それが2016年には、約2倍の15兆円へと成長しています。背景には、スマートフォンデバイスの普及、企業と個人(SNS)の接触機会の増加、ライフスタイルの多様化が理由としてはありますが、市場規模としてが大きく伸びている理由としてはECサイト売上のTOPであるamazonや大手企業のEC売上が大きく増加した背景があります。EC市場は今後も右肩上がりで成長し続け、将来的にはオンラインとオフラインの購買量が逆転する日がくるかもしれませんね。

EC化率増加の背景

ecbeingが自社のECサイトでパソコンを販売し始めた1997年からECサイト構築システムの提供をし始めた1999年は、あの楽天市場でも数十店舗の規模でしたし、他のECサイトでも本や食料品など単価の低い商品が主流でした。しかし現在はブライダルリングや自動車など、高額商品を提供するECサイトも多くあります。

今はECサイトをオープンさせていない事業者様の方が少ないのではないでしょうか?
商品を実店舗で確認した後ECサイトで購入する「ショールーミング」や、逆の流れである「ウェブルーミング(ECサイトで情報を得てから実店舗で購入)」もユーザーに浸透してきています。2017年は当社ecbeingにも実店舗だけではなくECサイトを活用し、店舗との在庫連携、会員やポイントシステム連携などオムニチャネルを行いたい!とオムニチャネルに踏み出す企業も多く、実店舗とECサイトという別々のチャネルではなく、どのチャネルでもお客様と企業が接点をもてるような時代となり、結果的にEC化率増加に関係していると考えられます。

分野別ECサイトの市場規模と消費者行動

各企業のEC化は急速に進んでいます。それでは分野ごとに構成比率や伸び率を確認したうえで、消費者行動の変化についても振り返ってみましょう。

BtoC ECサイトの半分以上が物販系

BtoC ECサイトの半分以上が物販系

消費者の日常生活に一番身近な「物販系分野」が、市場規模の半分以上を占めており、伸び率も最も大きいです。理由として「個人のライフスタイルの多様化」が挙げられます。政府が進めている働き方改革に見られるように、「少しでも自分の時間を捻出したい」という消費者の希望を、ECサイトが補完している一面もあります。

消費者行動の変化

出所:「平成 28 年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備」


出所:「平成 28 年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備」


「画面を見てすぐに購入する」というフローを可能にしたのがスマートフォンです。物販系分野における2016年のスマートフォン経由の市場規模は、2兆5,559億円と1年で5,697億円増加しています。そしてこの1年でスマートフォンの比率は約4.5%上昇しました。時間や場所を選ばず購入できるECサイトはユーザーのライフスタイルや購買意欲を掻き立てるため、今後も市場規模は拡大すると推測できます。ecbeingをご導入いただいている事業者様でも、多くのECサイトではスマートフォンでのアクセス・購入が上回っているところも少なくありません。

2017年に注目を集めたキーワード

EC決済サービス

ECサイトの導入化が進むなか、さまざまな決済サービスが登場してきました。直近で注目された決済サービスは、「後払い」と「LINE・Apple Pay」です。欧米や他のアジア諸国と比べて、キャッシュレス化が遅れている日本ですが、決済サービスの多様化により、今後ECサイトでの決済方法は「現金以外」での方法に切り替わっていくと考えられます。


後払い

2017年は2016年に引き続き、後払いを採用するECサイトは多かったのではないでしょうか。決済代行会社も様々な後払いサービスを提供しておりますが、CMでもおなじみのファッション通販サイトの「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイが、2016年11月に始めたのが「ツケ払い」という決済サービスです。これは、近年導入されることが多い「後払い」システムを元にしたサービスで、商品を購入する際にお金を所持していなくても購入ができます。代金を2ヶ月後までに支払えばよいということもあり、支払い能力が低い消費者でも気軽に購入することが可能です。特に、アパレルや限られた季節の商品など、タイミングを逃すと購入できない商品に有効です。


LINE Pay

LINEアプリの新機能である送金・決済サービスです。LINE Payを使用することで、ネットショッピングの支払いはもちろん、LINE友達とのお金のやり取りまでLINE上で完結できます。相手の銀行口座情報を知らずとも送金できるのが特徴で、銀行口座開設やクレジットカードの作成申請なども一切不要です。LINEアプリをインストールしているユーザーなら、誰でも無料で利用できます。


Apple Pay

iPhoneなどに搭載されている電子マネーやクレジットカードなどの決済サービスです。SuicaやクレジットカードなどをApple Payに登録しておけば、iPhoneだけで決済できます。今までは、ECサイトでApple Payを導入するには、決済代行企業のシステムであるバックエンド側で実装する必要があり、フロント側(ユーザーインターフェイス)での実装は難しいと言われていました。しかし2017年には、フロント側で実装するケースも増えています。今後は「商品を買い物かご(カートシステム)に入れて情報を入力し決済する」という概念が変わってくるかもしれません。


越境EC

越境EC

越境ECとは、国境をまたいだオンライン上での商取引全般のことです。経済産業省によれば、越境EC規模は2020年に9,940億USドル、日本円に換算すると100兆円以上にまで拡大すると見られています。人やモノ、情報などが急激に動いている昨今、ECサイトの多言語対応は不可欠な要素になると考えられます。


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2018年以降の国内ECサイトの動向

ecbeingにご相談をいただくお客様の声からすると、実店舗とのオムニチャネルへの取組がますます増えていくと思われます。今までBtoCのオムニチャネルにおいては大手企業のみの話だと思っている方々は多いと思いますが、連携サービスなども安価に導入が出来るようになっており、昔ほど実店舗との在庫連携、会員連携などの取組は難しくなくなっているのが現状です。さらにオムニチャネルに踏み出すEC事業者は増えていくでしょう。


もう1点は海外向けにECサイトを対応していきたいというお声も多いです。「越境ECサイト」の構築とまではいかなくても、日本にいる外国人にECサイトで購入をしていただけるような多言語対応や通貨別の為替レートの更新、狙いたい国のお客様に多く使われている決済方法の拡充など、海外向けに対応するECサイトも今年多いと感じます。国内の百貨店やファッションビルなどでは、いち早く訪日外国人向けの対応はしておりましたので、ECサイトでも同じサービスを提供するのはあたりまえかもしれません。


ライフスタイルの多様化や消費者行動の変化により、ECサイトの需要は高まる一方です。購買場所の境界は薄れ、企業と個人が刺激し合う流れが加速するなかで、ユーザーニーズを満たす企業だけが生き残る「実力主義」時代に突入するのではないでしょうか。




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