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DtoC ECサイト運営方法を解説!大手メーカーの直販EC事例から学ぶ秘訣を紹介

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更新日:   公開日:

ECサイトで商品を買う時に、皆様はどのサイトで商品を探しますか?amazonや楽天で探せば、安い商品もきっとありますし、手元に届くのも早い。とても便利なサービスをamazonや楽天はECサイトとして展開していますよね。ですが近年はメーカーが直接お客様にECサイトで販売をするというケースが増えてきております。ですがメーカーECで売上を上げていくのは簡単なことではありません。社内には卸先の流通の問題だったり、その小売店が出店しているamazonや楽天などのモール、定価で勝負しなければいけない。など売上を上げるための課題がメーカーサイトでは山積みです。

最近では、これらのメーカーがECサイト等をつうじてお客様に販売する手法はDtoC(Direct to Consumer)と呼ばれ注目をされております。

ecbeingは大手メーカー様のDtoCのECサイト構築を多数行なっております。2017年にメーカーEC担当者様を集め“メーカーEC”におけるDtoC課題共有・勉強会を行いました。今回はその課題やお悩みをここでご紹介します!

目次

\EC運営担当者必見 お役立ち資料はこちら/

DtoCとは?

DtoC(D2C)は、Direct-to-Consumerの略です。通常メーカーは販売元に商品を卸して利益を出しますがDtoCの場合、卸売業者等を通さずに消費者へ直接販売するモデルになります。メーカーが直接消費者に販売できるメリットとしてはメーカー自身が掲げる商品への想いを消費者に伝えることができファンを獲得することに繋がります。結果ファンがリピーターとなり売り上げ拡大にも貢献できます。
また、今まで卸売業者等に支払っていた中間マージンをなくすことができ無駄なコストを削減、かつスピーディに商品を販売・対応できることで業務効率の点でもメリットがあります。

DtoCとBtoCの違いとは?

BtoC(B2C)はBusiness to Consumerの略で、小売店などの企業が消費者に販売するモデルです。それに対し上記で説明した通り、DtoC(D2C)は小売店などの企業を通さず商品の開発元であるメーカーが直接消費者に販売するモデルという点で違いがあります。

EC直販について

メーカーが直販のECサイトを展開している理由として大きく3つあります。

  • 販売経路の拡大
  • 顧客データの活用
  • 顧客とのコミュニケーション

販売経路の拡大

ECを活用することで、卸し以外での商品を売る場所を確保できます。
また販売チャネルを拡大するだけではありません。今まで卸で販売していた商品価格は定価の半値ほどの卸価格になりますので、直接販売することで利益の拡大にもつながります。

顧客データの活用

直接販売を行うことで、お客様のデータを収集することができます。例えば、年齢・性別・購入する時間帯・売れ筋商品の特長など、ニーズやターゲットを把握することで、商品の在庫を調整したり、余っている在庫商品であれば直販サイト限定のクーポンやセールを行うことも可能になります。
またプロモーションをかけて特定の商品を売り出していくとなった場合にも、顧客データは活用していくことができます。

顧客とのコミュニケーション

顧客データを収集しマーケティングしていくだけでなく、直接お客様の声を聞くことができるという点でも利点があります。
通常だとエンドユーザーとの間に小売会社が入りますので、直接お客様とコミュニケーションが取りづらいと思いますが、直販できることによりお客様からのレビューも蓄積することができ商品開発にも活かすことができます。

DtoCにおける課題を抱えたメーカーECサイト担当者様 30名/14社

今回はecbeingをご導入いただいている誰もが知っている大手・有名メーカーのECサイト担当者様(30名/14社)にお集まりいただき、課題共有・勉強会を行いました。各社様々なECサイトにおける課題をお持ちで、その課題を発表・共有し、他社メーカー様はどんな施策を打っていて、どんな効果が出ているのか?など大変盛り上がる会になりました。その中から出た質問・課題・施策などをいくつかご紹介します!

他社メーカーのサイト担当者は何人いるの?

サイト運営は商品企画から商品登録、受注から発送まで、運用業務が大変多いですよね?弊社のEC担当は3名ですごく忙しいんだけど、他社メーカー様は何名で運営してるの?そんな質問が飛び交いました。その結果はこちらになります。

【EC年商ベースでのEC人員体制】


EC年商 EC人員
5億円〜10億円 5〜10名
1億円〜5億円 3〜5名
〜1億円 2〜4名


ECサイトのスタートアップ企業様に関しては人員が2名〜4名ですが、それ以上のECサイトの年商がある企業様は売上1億円に対して約1名の担当者がいるということがわかりました。うちはecbeingをカスタマイズしてECサイトに関わる運用業務軽減を図っているから、システムに助けられているよ!と嬉しいお声もいただきました。ECサイトの運営は集客など売上をあげるマーケティング施策と、受注をさばくシステムの両軸が必要です。

メーカー企業様のECサイト メインの目的は?

メーカー企業様においてECサイトはどのような目的で運営をしているのでしょうか?当然ECサイトは受注が可能なシステムなわけですから、各社売上の為でしょ。と思っておりましたが、各社様は違った目的がありました。それをいくつかご紹介します。

顧客とのコミュニケーションを深めるのが目的のECサイト

■ロイヤルユーザーを増やすことがECサイトとして命題

■主力ブランドをメインとしたEC・店舗のリテールオウンドメディアとして

■ECサイトをモール形式にまとめ、ファン拡大を目指す

■ブランドのコアなファンづくりとエンゲージメントの強化するECサイト

■ファン化促進がメインの目的、流通保管も目的としている

■ファン育成のためのオウンドメディアとして保管

サービスを向上させるのが目的のECサイト

■ECサイトで既存販路がカバーできない顧客のフォロー

■購入に困る地域までECサイトで自社商品をお届けする、購買分析による社内サービス向上

■ブランドとして興味関心を持っている方へのサービス

売上が目的

■売上拡大のための販売チャネルとして



もちろん売上拡大のために、ECサイトを運営しているという企業様が多いですが、半分は「顧客とのコミュニケーション」と「サービス向上」が目的という企業様が多かったです。活用方法として、自社と顧客との接点を増やし、企業・商品のブランディングから、既存販路がカバーできないお客様に商品をお届けしたいなど、売上の拡大だけではなく目的を別にもっているメーカー企業様が多くみられました。

メーカーECサイト事業(DtoC)においての課題は何ですか?

メーカーサイト事業(DtoC)における悩みごとなどでも沢山の課題をお聞きしました。その中でも多かった課題を紹介します。


■価格戦略がとれない、ECサイトならではの魅力ある商品不足

■流通営業とDtoCのECサイトの衝突

■既存取引先や営業部門の関係でマーケットプレイスなどの販路に進出できない

■転売業者の対応

■不在や受け取り拒否による、再配達対応やキャンセルなど



この話題も会では盛り上がりました!

流通との関係でメーカーECサイト(DtoC)は基本定価販売になりますし、自社のECサイトで売るためにプロモーションをかけようとすると、卸先からはあまり良い顔をされず、ECサイトは営業部署からはあまり良く思われていない。。。など、メーカーECサイト(DtoC)で売上をあげるとなると、社外より社内のほうが課題が多いというECサイト担当者様のお声が多かったです。転売業者の対応ということも手を焼いているようです。特に海外からの購入が多いようで、海外発送にて保険をかけたり、国内ECサイトよりも手がかかることが多いようでした。さらに不在や受け取り拒否による、再配達対応やキャンセルなどのお客様対応に関しても、運用負荷がかかってしまうということで課題に思われている担当者様が多かったです。


こちらもご参考ください:ECサイトの配送問題を解消する受取サービスとは?

集客施策で最も注力していることはどんなこと?

ECサイトで売上アップのために一番重要な“集客”について、他社メーカーはどこに注力しているのか?メーカー担当者様は一番気にしているところでした。各社様注力しているポイントをご紹介します。

自社メディア活用に注力している

■自社商品の紹介サイトからECサイトへの導線を強化

■自社のファンクラブからの会員獲得を目指している

広告に注力している

■リスティング広告による集客に注力している

■facebook広告を2アイテムにて実施し、効果が確認できている

■ギフト時期など繁忙期にリスティングやfacebook広告を出稿している 

SEO(自然検索)に注力している

■リスティングではキーワードでの販路コンフリクトを避けることが出来ないため、SEOに注力。

CRMに注力している

■顧客向けにメルマガを配信

■MAツールの導入でメールマーケティング&LPOに注力

SNSに注力している

■自社のSNSアカウント(twitter)からの送客

■LINE公式アカウントからの送客


自社メディア(コーポレートサイト)が強い企業もあればそこからの集客に注力していたり、自社の人気のSNSアカウントを利用しサイトに集客したり、マーケティングオートメーションツールを活用しCRM施策に注力したりと、集客に関してはメーカー各社様注力しているポイントが違い、各社様の施策やノウハウを自社ECに活用しようと大変盛り上がりました。

購入率アップ施策で注力していることはどんなこと?

サイトに集客したお客様には当然商品を購入していただきたいですよね。各社様購入率アップの施策で注力していることを発表していただきました。

商品企画に注力しているネットショップの運営

■他社とのコラボ商品やECサイト限定商品の展開

■ECサイト限定商品の製作・販売

■限定特典物の制作

キャンペーンに注力しているネットショップの運営

■ポイント20倍キャンペーンを年に2回実施

■送料無料商品の展開

■ECサイト限定のキャンペーン

機能面のカスタマイズに注力しているネットショップの運営

■高機能のサイト内レコメンド

■お気に入り登録機能の拡充

■サイト内検索機能を強化

■EFO(エントリーフォーム最適化)機能

■LPO(ランディングページ最適化)施策



各メーカー様注力していることは様々ではございましたが、やはりECサイトで売上をあげるとなると、“商品力が一番”だという声が多かったです。キャンペーンや機能面のカスタマイズはEC事業部だけでも実現できるかもしれませんが、他社とのコラボ商品やECサイト限定商品などはEC事業部だけでは完結できず、商品部や広報部など、他部署を巻き込むことになります。これまでECサイトで商品企画を行なっていなかったECサイト担当者様は、「会社戻ったらすぐ商品部の部長にかけあおう!」と意気込んでいました。ちなみに今回の会の後には懇親会を行い、そこでメーカーECサイト担当者同士の交流もあり、コラボ商品を制作した企業様もございました。これはecbeingとしても嬉しいお話でした!

ECサイトでの新規客獲得はどんなことをしているの?

ECサイトの新規顧客の獲得はEC事業者が一番費用をかけるポイントですよね。ではメーカー各社様はどのような施策で新規客獲得をしているのでしょうか?

キャンペーンに注力するDtoCの運営

■ポイントキャンペーンの実施にあわせリスティングやfacebook広告でサイトへ集客

■モニターキャンペーンを実施、1回で3,000件の新規会員獲得ができた

■プレゼントキャンペーン掲載

■新規会員キャンペーンで割引クーポン配布。タイムセールなどをサイト上で実施

■ナショナルキャンペーンの応募時とオンラインショップ会員登録を連動

SNSを活用するDtoCの運営

■某SNSニュースにECサイト限定商品が掲載され、数時間で数千人の新規注文を獲得

■アソート商品を用意しSNSで発信、新規顧客の獲得につながっている

商品企画に注力するDtoCの運営

■訪問客層に合った商品の企画・販売を行っている

広告に注力するDtoCの運営

■アフィリエイト広告を中心に新規獲得を行っている

■ターゲットセグメントが明確なキュレーションサイトの記事広告



やはり様々なキャンペーンをサイト内で企画し新しいお客様にリーチする。その施策が一番多かったです。ポイント付与や割引系のキャンペーンが多かったです。商品自体のセール・値引きは基本的にはできないので、ポイントや割引券でECサイトで購入する意味を与え、サービス面の充実を目指しましょう。

ECサイトへのリピーター対策は何をしているの?

新規で購入いただいたお客様に対して、次回買ってもらうためにはどのような施策を行っているのか?各社様気になっていたようです。ではメーカー各社様がDtoCのECサイトでどのような施策を行っているのかご紹介いたします。

メールマガジンでの施策

■メルマガによるキャンペーンの配信

■ecbeing SaaS版による顧客セグメントを行った新商品の案内メルマガを配信

■前作購入者に関連商品購入者のセグメントメールを配信 

■ポイント期限前にお知らせメール配信、休眠顧客の再訪問を促している

■リピート時のクーポン割引を行っている

■メールの配信とクーポン配布

■定期的に購入をいただくお客様をセグメントし、同様商材の割引クーポンを付与

キャンペーンでの施策

■会員限定のアウトレットセール・クーポン発行

広告での施策

■リターゲティング広告



ECサイトでリピートを促す情報発信のツールとしては、メルマガの配信が次回ご購入につながりやすいということがわかりました。ですがただメルマガを配信するだけでなく、前回購入した商品や性別・年齢をセグメントして、購入喚起を図るように施策を行なっておりました。ただ全体にメルマガを送るだけではメルマガ解除につながりやすいようで、お客様にあった商品提案・キャンペーンを発信することが重要ですね。

メーカー担当者様が今後実施したいこと

最後に、担当者様がECでチャレンジ・実施していきたいことをお聞きしました。これは本当に様々なご意見ありましたので、一部ご紹介いたします。


■SNSのマーケティング強化!

■工場見学などお客様との接点を中心とした活動!

■ECサイトをポータルサイト化

■越境ECで海外販売にチャレンジしたい

■売上基盤づくりのための定期購入をカスタマイズしたい

■他社とのコラボを積極的におこなっていきたい

■決済サービスを拡大

■社内のマーケティングプラットフォームとして活用したい



最後に担当者様の熱いご意見をいただきました!今後の展望をお聞きした時に皆様一貫して思っていることは、ECサイトの運営・事業拡大においてはもう自分たちの部署だけでは完結できない。会社全体で考え動いていかなければいけなくなっている!ということでした。例えばオムニチャネル化を実現するならば、営業の部隊も巻き込まないといけないですし、ECサイトをメディアとして活用していくのであれば、マーケティングの部隊や広報なども巻き込んでいく必要があります。メーカーが運営するDtoCのECサイトはまだまだ課題は多くございますが、メーカーのECサイトの目的をもう一度明確にし、社内を巻き込んでより良いECサイト運営を行なっていきましょう。


DtoC ECサイト構築事例

よなよなエール」で有名なヤッホーブルーイング

クラフトビールの「よなよなエール」で有名な飲料メーカーであるヤッホーブルーイング様はファンを第一に考えたECやデジタル施策を実施しています。
毎月選べるビール 定期宅配サービスは他社にはないような機能だけでなく、UI/UX体験も実現しています。
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時計業界トップクラスの老舗企業「シチズン時計」

「The CITIZEN」をはじめ様々なブランド展開を行い最先端の衛星電波時計など、常に時計の可能性を考える中でECサイトとブランドサイトの統合サイト「シチズンウオッチ オフィシャルサイト」を立ち上げています。 Web修理受付や延長保証、キャンペーン、予約販売等のサービス提供を通じてお客様との関係を強化することやブランディングやユーザビリティを意識しています。
> シチズン時計の事例詳細はこちら


最後に少しだけ宣伝です・・・

ecbeingでは大手メーカー様の構築は多数行っております。メーカーサイト(DtoC)の成功事例も沢山ございますので、ぜひ構築の際はご相談ください。

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