コンテンツ×ECサイト『TOHO animation STORE』
アニメや漫画などのコンテンツビジネスも、着実にEC化して売上げを拡大しています。映画や本などの知的コンテンツは、閲覧する権利を購入したのちユーザーが初めて触れることができるので、リピートするという概念はあまり存在しませんでした。
しかし、コアなファンが多くいるのがこのコンテンツ産業の特徴です。このファン心理にダイレクトに響くサービスや集客を展開することが成功の鍵となります。
今回は、記憶に新しい「君の名は。」で大ヒットを記録した「株式会社東宝ステラ」のECサイト「TOHO animation STORE」をご紹介します。
「株式会社東宝ステラ」とは?
1976年に「関東産業株式会社」の商号で設立した会社で、映画やレコード、楽器、ビデオの販売や発送などを行っていました。1984年に商号を「株式会社東宝ステラ」に変更し、現在は東宝グループ企業の一社としてビデオやパンフレット、キャラクター商品などの流通・販売を行っています。
『TOHO animation STORE』の特徴
『TOHO animation STORE』は、映画ファンや特定のコアなファンなどを対象としているECサイトです。ターゲット層の特徴を明確にとらえ、販売方法や集客方法に工夫を盛り込み「特別感」や「楽しめる場」を提供しています。
ターゲット層に最適なビジュアル
お気に入りのアニメや漫画は、時間を忘れて集中し見続けることができるものです。『TOHO animation STORE』は、テキストを極限まで排除しビジュアルで訴求することで、好きなキャラクターに触れる機会を最大限に提供しているのが特徴です。コアなファンであればサイトに訪れるだけでも充分に楽しむことができます。
ユーザー参加型の商品化を実現する「リクエスト機能」
『TOHO animation STORE』では、ファンが商品化してほしいグッズに投票し、商品化を実現させることができます。お気に入りのキャラクターが商品になったら、ファンとしてこれほど嬉しいことはありません。リクエストが全て叶うとは限りませんが、ユーザーの声が反映されるので、実際に商品企画に参加している一体感を味わうことが可能です。
グッズの商品化だけでなく、催事場でのイベント開催もリクエストすることができます。
また、人気商品はすぐに完売してしまいますが、完売済みのグッズに対して「再販リクエスト」を送ることも可能です。在庫が無く、どこの店舗でも手に入らない状況でも『TOHO animation STORE』の再販リクエストにて一定数のリクエストがあれば、再販が実現し入手できます。
リクエスト機能はユーザーの嗜好がダイレクトにわかるため、再販時の在庫数量の設定や今後の施策に活かせるなど、企業側にとってのメリットもあります。
特別感を演出する「限定特典付き商品」や「オリジナル商品」
誰でもどこでもWEBサイトにアクセスできる今、人気映画やアニメの販促グッズは、さまざまなサイトで出回っています。ユーザーは価格を比較し、より安い店舗で購入することが可能ですが、コアなファンは『TOHO animation STORE』でしか手に入らない限定商品を求めて来訪します。「限定特典付きの商品」や「オリジナル商品」など、他ECサイトには無い価値を付加した商品は、「特別な商品を購入したい」と考えるユーザーの心をつかみます。
発売日より前に先行して購入できる商品もあります。先行予約を行えば、限定商品を入手することが可能です。
コアなファンには嬉しい「グッズ販売情報」の発信
熱心なファンであれば、次回作の公開やイベント出展など、最新情報を誰よりも早く手に入れたいと思うものです。『TOHO animation STORE』はECサイトの商品情報はもちろんですが、展示場でしか手に入らない限定グッズの販売情報も配信しユーザーを取り込んでいます。
コンテンツ×ECを実現する「UNITE」
ECサイトとコンテンツメディアを複合した
「メディアコマース」サイト構築専用CMS
UNITEの特徴
@ メディアコマースに特化した機能とページが標準搭載
A ecbeingと同等の高いセキュリティで安心
B コンテンツをデータ資産として管理可能
特別な情報をタイムリーに発信
ツイッターでは、グッズ情報や特典情報などユーザーにとって有益な情報を随時発信しています。『TOHO animation STORE』のアカウントをフォローしておくだけで、コアなファンは簡単に情報を取得することが可能になり、購買意欲も高まります。
またSNSで情報を拡散することで、日本だけではなく日本文化やアニメが好きな外国人を取り込むことが可能で、実際に台湾やアメリカ、韓国、中国などからアクセスされています。
『TOHO animation STORE』では海外への商品発送は行っていませんが、イベント情報や限定商品情報など、コアなファンにとっては価値のある情報であるため有益です。
ユーザー特徴を明確にすれば施策も見えてくる
ECサイトを構築する目的が「販売チャネルの拡大」だけで終わってはいけません。
今回ご紹介した事例のように、ユーザーが商品化をリクエストできる機能を設けたり、SNSで商品情報を発信したりするなど、ユーザーが喜ぶ内容を提供することは最終的に売上アップにつながります。
新たな施策を考えるには、自社のECサイトに訪れるユーザーがどんなタイプで、何を求めているのかを明確にする必要があります。そのうえで改めて自社のECサイトの目的を見直し、ユーザーにとって有益なサービスや情報を提供する方法を考えていきましょう。