ECサイト×店舗×SNS「好日山荘」のオムニチャネル施策
ECサイトの単独運営であれば、自然検索からの流入にも限界があり、広告などを行い多くの集客を常に集めなければいけません。ですが実店舗を持つ企業であればECサイトと連携させることで、様々な集客チャネルをつくり、結果的に企業全体の売上を上げることが可能です。実店舗を全国的に展開しているのであればより親和性も高くなり、より利便性を感じれる仕組みをつくることができます。拡散による集客効果も見込めるSNSの活用もポイントです。
今回はECサイト×店舗×SNSの連携によって、より効果的な運営を行っているECサイト『好日山荘』をご紹介します。
株式会社好日山荘の概要
株式会社好日山荘は、登山用品やアウトドア用品の販売、クライミングジムの運営をしている会社です。1924年に日本初の登山用品・スキー用品の専門店として創業し、90年以上の長い歴史を持っています。
現在は神戸市に本社を置き、登山用品・アウトドア用品の販売店を全国に50店舗以上展開し、専門店として豊富な品揃えを誇っています。
『好日山荘』ECサイトの特徴
初めて利用するユーザーが利用しやすくお得感があると感じると、次回の利用に繋がります。『好日山荘』は新規ユーザーだけでなくリピーターにとっても嬉しい機能を備え、二回目以降も利用してもらえるような工夫をしています。
目的の商品までスムーズに到達できる検索機能
『好日山荘』は、簡単に商品を探せるようにカテゴリで細かく分類されています。初めは「メンズウェア」「レディースウェア」「ウェア小物」などの大まかなカテゴリで分類されていますが、クリックすると徐々に絞り込めるドリルダウン形式のカテゴリ仕様になっています。
例えば「ウェア小物」をクリックすると、具体的なアイテムが表示されます。
「手袋・グローブ」をクリックすると、さらに使用目的ごとにグルーピングされた商品が表示されます。
使用目的に合わせて商品項目をクリックすると、該当商品が表示されます。
1サイトで豊富なアイテムを取り揃えるECサイトでは、分かりづらい商品検索はユーザーが離脱する原因の一つになるため、スムーズに目的の商品ページまで辿り着ける検索機能を用意しておくことが重要です。
分かりやすいポイント表示
ECサイトでも実店舗でも、購入時のポイント還元は嬉しい特典です。『好日山荘』では商品代金(税抜)の3%がポイントとして還元されます。個別商品のページに還元されるポイント数が表示されているため、一目で確認することができます。
貯めやすく利用しやすいポイント制度
『好日山荘』で入手したポイントは実店舗でも利用でき、逆に実店舗で商品を購入して入手したポイントもECサイトでの利用が可能です。実店舗とECサイトのポイントを統合することでユーザーの利便性が高まり、ユーザーの購買を促進できるため、企業全体の売上アップにつながります。
レビュー投稿でも貯まるポイント
ポイントは商品購入時だけではなく、購入商品のレビューを投稿することでも入手することができます。レビューを書いたユーザーにとっては、ポイントを入手し次回以降の買い物に利用できるという嬉しいメリットがあり、レビューを見るユーザーは実際に商品を購入した人による評判を知ることができるため、商品購入時の貴重な判断材料になります。レビュー投稿によるポイント獲得は書く側、見る側どちらのユーザーにとっても嬉しいサービスなのです。
ユーザーに伝わる情報発信
【ブログ】
1つの商品を選択しページをスクロールしていくと、その商品を紹介しているブログが表示されます。1つの商品について、全国のさまざまな店舗スタッフがそれぞれの言葉と写真で詳しく紹介しているため、ユーザーがスムーズに情報を収集できる機能となっています。
【Facebook】
Facebookでは主にセールやイベントの告知をしています。告知のポイントは、季節ごとのピックアップ商品やイベント情報を、ユーザーが求めているタイミングで配信することです。多くのユーザーにとって身近なFacebookを活用することは、タイムリーな情報配信だけではなく、情報の拡散も期待でき、大きな集客効果を見込めます。
【LINE】
『好日山荘』にはLINEアカウントが存在し、友だち登録したユーザーにさまざまな情報を発信しています。
不定期に開催されるタイムセール情報をいち早く知らせたり、LINE限定のクーポン情報を配信したりしているため、ユーザーはお得な情報を手軽に入手できます。
LINEを連絡手段として毎日利用するユーザーは多いので、LINEを活用した配信は大きな情報伝達力があります。
企業全体の売上アップを考えた施策を
新規ユーザーを獲得しリピーターを増やすためには、ユーザーにとって魅力的なECサイトでなければなりません。
今回ご紹介した『好日山荘』は、実店舗と同じくリピーターが喜ぶポイント制度を取り入れたり、ブログを活用して商品の魅力を分かりやすく伝えたりすることで新規ユーザーを取り込み、さらにSNSでタイムリーに情報を発信して多くのユーザーを呼び込んでいます。
ECサイトだけでは実施できる施策が限られますが、SNSや実店舗と連携することでさまざまなユーザーニーズを満たすことができます。企業全体で売上アップを図るため、ECサイト外との連携も取り入れた施策を検討してみてはいかがでしょうか。