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景品表示法でEC事業者が知っておくべき基本
ECとの関係や改正内容ついてわかりやすく解説!

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公開日:

店舗で商品を受け取ったり、サービスを受けたりするための店舗予約機能は、一見予約だけの単純な機能だと思われがちです。しかし、最近の予約システムは顧客情報の管理などもできるようになっており、使い方次第では売り上げアップにつながることもあります。今回の記事では、予約管理システムを利用するメリットやサービス選びのポイントを解説していきます。

消費者が不利益を被らないよう、広告の表示内容などを規制している景品表示法。近年では厳罰化が進んでおり、EC事業者も景表法に抵触しないよう注意する必要があります。また、2023年5月には改正景品表示法が公布されました。そこで今回の記事では、景表法の概要とEC事業者が注意すべき点を解説していきます。


景品表示法とは?

まず、景品表示法が具体的にどのようなことを規制しているのかについて解説します。

景品表示法とは?

景品表示法は、正式名称を「不当景品類及び不当表示防止法」といい、消費者が不当な表示によって不利益を被らないようにするために制定された法律です。
商品の品質や内容、価格などを偽った広告を禁止しているほか、景品に対しても制限をかけることで消費者が合理的に商品・サービス選びができるようにするようにしています。

景品表示法で定められているのは、主に以下の2点です。

不当表示の禁止

不当表示にあたるとして禁止されているのが、以下の3つです。

@ 優良誤認表示
優良誤認表示とは、商品の品質や企画などに関する不当表示のことを指します。
消費者庁のHPには、以下のように記されています。

「具体的には、商品・サービスの品質を、実際よりも優れていると偽って宣伝したり、競争業者が販売する商品・サービスよりも特に優れているわけではないのに、あたかも優れているかのように偽って宣伝する行為が優良誤認表示に該当します」

優良誤認とは | 消費者庁

A 有利誤認表示
有利誤認表示は、商品の価格などの取引条件に対する不当表示です。
消費者庁のHPでは、以下のように記されています。

「具体的には、商品・サービスの取引条件について、実際よりも有利であると偽って宣伝したり、競争業者が販売する商品・サービスよりも特に安いわけでもないのに、あたかも著しく安いかのように偽って宣伝する行為が有利誤認表示に該当します」

有利誤認とは | 消費者庁

B その他の誇大広告についての禁止
3つ目は、一般的消費者に誤認されるおそれがあると認められ、内閣総理大臣が指定するものです。現時点では、以下の7つが指定されています。
(1)無果汁の清涼飲料水等についての表示
(2)商品の原産国に関する不当な表示
(3)消費者信用の融資費用に関する不当な表示
(4)不動産のおとり広告に関する表示
(5)おとり広告に関する表示
(6)有料老人ホームに関する不当な表示
(7)一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示(2023年10月施行)

特に(1)(2)(7)などはECサイトを運営するうえでも関わりが深い内容になっています。一度は目を通すようにしておきましょう。

景品類の制限および禁止

続いて、景品類に対する規制を紹介します。ここでいう景品類とは、以下に該当するものを指します。
(1)顧客を誘引するための手段として、
(2)事業者が自己の供給する商品・サービスの取引に付随して提供する
(3)物品、金銭その他の経済上の利益

景品類は一般懸賞、共同懸賞、総付景品の3つに分けられ、それぞれに対して異なる規制が設けられています。

@ 一般懸賞
共同懸賞に当てはまらないものを一般懸賞と呼びます。一般懸賞に対する規制は以下の通りです。

景品の最高額 景品総額
懸賞による取引価額が5,000円未満の場合 取引価額の20倍 懸賞に係る売上予定総額の2%
検証による取引価額が5,000円以上の場合 10万円 取引先に合わせて商品を購入してもらうために柔軟な施策やサポートが求められる場合

A 共同懸賞
複数の事業者が参加して行う懸賞のことです。以下のようなものが当てはまります。
・一定の地域(市町村等)の小売業者又はサービス業者の相当多数が共同で実施
・中元・歳末セール等、商店街(これに準ずるショッピングビル等を含む)が実施
・「電気まつり」等、一定の地域の同業者の相当多数が共同で実施 など

共同懸賞に対する規制は以下の通りです。

景品の最高額 景品総額
30万円 懸賞に係る売上予定総額の3%

B 総付景品(そうづけけいひん)
一般消費者に対し、「懸賞」によらずに提供される景品類のことを指します。具体的には、商品・サービスの利用者や来店者に対してもれなく提供する金品等などです。

総付景品に対する規制は以下の通りです。

景品の最高額
懸賞による取引価額が1,000円未満の場合 200円
懸賞による取引価額が1,000円以上の場合 取引価額の10分の2

なお、特定の業種においては、上記の一般的な景品規制とは別の規制が設けられています。業種別で規制が設けられているのは、現時点で以下の4業種です。
(1)新聞業
(2)雑誌業
(3)不動産業
(4)医療用医薬品業、医療機器業及び衛生検査所業の各業種

各業種の具体的な規制内容については、消費者庁のHPをご確認ください。
景品規制の概要 | 消費者庁

違反した場合の罰則は?

違反内容などにもよりますが、景品表示法に違反した際の罰則は以下のようなものとなっています。

措置命令や課徴金が科せられる

景品表示法に違反する不当な表示や、景品類の提供が行われている疑いが持たれた場合、まず消費者庁が事業者に事情聴取や関連する資料の収集などを行います。そのうえで違反があると認められると、その事業者に対して一般消費者に与えた誤認の排除や再発防止策の実施および、今後違反行為を行わないことなどを命じる「措置命令」を消費者庁が出します。また、不当表示が認められた場合、消費者庁は事業者に対して課徴金の納付を命じます。

差止請求を受ける場合も

加えて、適格消費者団体による差止め請求を受ける可能性もあります。適格消費者団体というのは、差止請求に必要な適格を持っていると内閣総理大臣が認定した消費者団体のことです。差止請求の対象となるのは、事業者が「不特定かつ多数の消費者に対して消費者契約法等に違反する不当な行為を行っている」ときです。
景品表示法においては、優良誤認表示や有利誤認表示と認められたものがこれに該当します。これに該当する場合、適格消費者団体は、当該の事業者に対して違法な広告表示を停止するよう要求することができ、これを「差止請求」と呼びます。

また、この差止請求のあとも改善が見られなかった場合、適格消費者団体は訴訟を起こすことができます。

EC事業における注意点

EC上においての広告やECサイトの表示なども当然景品表示法の対象となるため、EC事業者は表示に注意しなければなりません。具体的に注意すべき点としては主に以下の2点が挙げられます。

打消し表示

自社の製品をアピールする方法として、「業界No.1」などとアピールする表示を「強調表示」と呼びます。それに対して、誤解を招かないように強調表示の例外条件などを説明する言葉を「打消し表示」と呼びます。具体的には「効果には個人差があります」などが打消し表示に該当します。

近年では、打消し表示を行っているものの、あまりに過度な強調表示をする事業者が増えたことで、打消し表示に対する規制が進んでいます。打消し表示さえあれば、過度な強調表示が認められるというわけではありません。文字の大きさや背景色、レイアウトなどによって消費者が打消し表示を認識しづらくなっている場合、景品表示法に抵触するおそれがあるため、注意が必要です。

総付景品(そうづけけいひん)

特定の商品を買った際に付属で何かを提供する場合、総付景品への金額規制に注意が必要です。総付景品については、取引額が税込み1,000円未満の場合は200円まで、1,000円以上の場合は取引額の10分の2までと定められています。総付景品を提供する場合は、この制限を超えないようにしましょう。

2023年5月には景品表示法が改正、改正内容は?

最近、改正景品表示法が公布されたのをご存知でしょうか。最後に、改正内容について概要を紹介します。2023年5月10日に「不当景品類及び不当表示防止法の一部を改正する法律案」が国会で可決され、同月17日に公布されました。

改正のポイントは以下の3点です。

事業者の自主的な取り組みの促進

優良誤認表示などの疑いのある表示をした事業者が是正措置計画を申請し、内閣総理大臣から認定を受けた場合、措置命令や課徴金納付命令の適用を受けないようにして、迅速に問題を改善する「確約手続き」が導入されることになりました。

また、消費者へ一定の返金を行った際に課徴金額から当該金額が減額される返金措置に関して、返金方法として金銭による返金に加えて、電子マネーなどの「第三者型前払式支払手段」が認められるようになりました。

違反行為に対する抑止力の強化

2点目は、課徴金制度の見直しに関する改正です。 課徴金の計算の基礎となるべき事実を把握することができない期間における売上額を推計することができる規定の整備が進められるとともに、違反行為からさかのぼって10年いないに課徴金納付命令を受けたことのある事業者に対して、課長金額を1.5倍加算する規定が新設されました。

また、優良誤認表示や有利誤認表示に対しては、100万円以下の罰金を科す直罰が新設されました。

円滑な法執行の実現に向けた各規定の整備等

措置命令等における送達制度の整備・拡充を進めるとともに、外国執行当局に対する情報提供制度が創設されました。

また、 一定の場合に適格消費者団体が事業者に対して、当該事業者による表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の開示を要請することができようになり、事業者は当該要請に応じる努力義務を負う旨の規定が新設されました。

なお、この改正景品表示法の施行日は、公布日から1年6カ月以内となっています。

まとめ

景品表示法はEC事業者とも関連の深いもので、正しい知識を身に着けておく必要があります。中には、景品表示法違反となるEC事業者もいるため、決して他人事ではありません。ECサイトにおける表示内容や広告などをこの機会に見直してみてはいかがでしょうか。




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