オムニチャネル戦略
EC事業者が知っておくべきメリットや成功事例
EC事業者が知っておくべきメリットや成功事例
オムニチャネルは、さまざまなチャネル(流通経路)を全てつなげることで顧客との接点を強化し、販売促進を実現するとともに顧客に一貫性のある購買体験を提供することを目的としたマーケティング戦略のことを指します。
チャネルとは、実店舗やECサイト、自社サイト、SNS、屋外広告などのことを指し、オムニチャネル戦略では、これらのチャネルを連携させ、統合的に管理することで顧客情報を効率的に活用し、顧客にシームレスな体験を提供することを目指します。
スマートフォンの普及により、消費者の購買行動は大きく変化しました。そんな現代のEC業界において、必須ともいえるオムニチャネル戦略。今回の記事では、そんなオムニチャネル戦略について、今注目されている理由やメリット、オムニチャネル戦略の成功事例を紹介します。オムニチャネル戦略の導入を検討されている方はぜひ参考にしてください。
そもそもオムニチャネルとは?
オムニチャネルは、さまざまなチャネル(流通経路)を全てつなげることで顧客との接点を強化し、販売促進を実現するとともに顧客に一貫性のある購買体験を提供することを目的としたマーケティング戦略のことを指します。
チャネルとは、実店舗やECサイト、自社サイト、SNS、屋外広告などのことです。オムニチャネル戦略では、これらのチャネルを連携させ、統合的に管理することで顧客情報を効率的に活用し、顧客にシームレスな体験を提供することを目指します。
他にも似た言葉として、マルチチャネルやO2O(Online to Offline)などが挙げられます。こうした言葉との違いについては、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご参照ください。
オムニチャネルが注目される背景
オムニチャネル市場は近年増加傾向にあります。野村総合研究所(NRI)は、「インターネット上の情報を見た上で、実店舗あるいはインターネット上で商品を購入する市場」をオムニチャネル・コマース市場と定義し、その市場規模の推測を出しています。その調査結果によれば、市場規模は2022年時点で64兆6,000億円、2026年には80兆9,000億円にのぼるとのことです。
では、なぜこれほど注目が集まっているのでしょうか。
スマートフォンの普及に伴う消費者の購買行動の変化
一番の原因は、スマートフォンが普及したことによって、消費者の購買行動が大きく変化したことです。現代ではいつどこにいてもインターネットにアクセスできるようになり、インターネットで情報収集から商品の購入までを気軽にできるようになりました。消費者はインターネット上で欲しい商品の価格や口コミなどの情報を集め、吟味してから購入するかを決めます。実店舗に行って商品を見てからインターネット上で商品を注文したり(ショールーミング)、インターネット上で商品を調べてから実店舗で商品を購入したり(ウェブルーミング)といった購買行動も見られるようになりました。こうした購買行動の変化に対応するための戦略として、オムニチャネル戦略を採用する企業が多くなったのです。
デジタル技術の発展
デジタル技術の発展もオムニチャネル戦略に注目が集まっている理由の一つと言えるでしょう。オムニチャネル戦略において求められるのは、各種のチャネルを連携し、統合的に管理することで情報を最大限活用することです。在庫を一元管理して店舗で在庫切れが起きないようにしたり、それぞれのチャネルで保持している顧客のデータをまとめて管理したりするためには、それを実現するためのシステムが必要になります。デジタル技術の発展により、上記のような機能を備えたシステムが登場したことで、効果的なオムニチャネル戦略を打ち出せるようになりました。
オムニチャネル戦略のメリット
オムニチャネル戦略を実施するメリットとしては、主に以下の3点が挙げられます。
顧客満足度の向上が期待できる
1点目は顧客満足度の向上です。オムニチャネル戦略を進めると、消費者にとっても便利で使いやすくなります。オムニチャネル戦略の一環として、ECサイトでの注文時に実店舗の在庫がわかるようにしたり、実店舗で受け取れるようにしたりすれば、消費者にとっては選択肢が増えることになり、利便性も向上するでしょう。その買い物で気に入ってもらえれば、今後リピーターになってもらえる可能性もあります。
より一人ひとりの顧客にあったアプローチを取りやすくなる
チャネルを複数保持していても、それぞれが独立していて顧客のデータを有効活用できておらず、一貫性のあるマーケティングができていないケースも少なくありません。顧客データを一元管理し、効率的に活用することで、より一人ひとりの消費者に合った商品をすすめられるようになります。
機会損失を減らせる
オンラインとオフラインそれぞれの販売経路を統合的に管理すれば、在庫管理もより効率的にできるようになります。例えば、オンラインには在庫があるものの実店舗にはなかった場合、それぞれのチャネルが独立していたらそれ以上の案内ができません。そうなれば、購入できなかった顧客が他の店で商品を購入してしまうことも考えられるでしょう。各チャネルが連携されていれば、他の店舗の在庫状況を紹介して案内したり、オンラインでの購入をすすめたりなどの対応が取れるようになるため、機会損失の減少につながります。
オムニチャネル戦略の成功事例2選
最後に、ecbeingを導入してオムニチャネル戦略を成功させた2つの企業の事例を紹介します。
ABCマート様
さまざまな靴を取り揃えている靴小売業大手ABC-MART様は、国内外に1,000店以上ある店舗を活用したオムニチャネル戦略に取り組んでいます。
同社では、同一商圏内に複数の店舗を出店する「ドミナント出店戦略」を採用しており、時には他店舗の在庫状況を確認して必要に応じて他店舗に取りに行くといった柔軟な対応を取れるのが強みです。従来は近隣の店舗に在庫がなければ、他の店舗から取り寄せをして後日受け渡しという流れだったため、機会損失が少なからず発生していましが、「iChock」というサービスを導入したことで、店頭のタブレットでEC在庫の照会と自宅配送が指定できるようになり、利便性が向上。年間1億5,000万円もの売上創出に成功しています。
また、近年ではECサイトで選んだ商品を最寄りの店舗で試着や購入ができる「店舗受取りサービス」を実装するなど、O2Oの試みも積極的に進めています。
JR東日本旅客鉄道株式会社様(ネットでエキナカ)
JR東日本旅客鉄道株式会社様は、駅弁やスイーツなど、エキナカの店舗の商品を取り扱うECサイト「ネットでエキナカ」を運営しています。最大の特徴は、注文した商品を自宅だけでなく、対象のエキナカ店舗や駅のロッカーでも受け取ることができる点で、自宅でなかなか荷物を受け取れない人でも安心して利用できるサービスとなっています。
また、「ネットでエキナカ」を利用すると、JREポイントが貯まるようになっており、このポイントは駅ビルでのお買い物やSuicaへのチャージ、新幹線や特急列車に乗れる特典チケットとの交換などさまざまな用途で使うことができます。このように、さまざまなチャネルを設け、それぞれを連携させることで、オムニチャネル戦略を成功させています。
まとめ
近年では、消費者の購買行動が変化したことから、オムニチャネル戦略に注目が集まっています。ただ単に複数のチャネルを用意するだけでなく、それぞれを連携させ、顧客にシームレスで便利な購買体験を提供することが重要です。ecbeingでもオムニチャネル戦略を意識した導入事例は複数あるため、悩んでいる方はお気軽にご相談ください。
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