ロイヤル株式会社様

  • EC導入の背景
  • 採用のポイント
  • 構築時の対応
  • 導入後の効果

導入の目的はコスト削減でしたが、リニューアル直後の売上は前年同月比220%、クーポンを利用されたお客様の販売単価は155%を達成することができました!

ロイヤル株式会社

ロイヤル株式会社
山村周平様
通販部門に配属となったのは2011年12月。ロイヤルホストで店長を経験し、その後外販営業へ。ネットビジネスは初めての経験であり、ロイヤルでは発展途上の分野であるが、お客様に喜んでいただける通販部門を目指し日々奮闘中。

ロイヤルグループは、1951年日本航空国内線の営業開始と同時に福岡空港において機内食搭載と喫茶営業を開始。1953年に福岡市東中洲にレストラン「ロイヤル中洲本店(現花の木)」を開業、有限会社ロイヤルを設立。ロイヤルホストなど外食を楽しむ文化を開業後60年間提供し続けてきました。日本航空の機内食搭載で始まったビジネスは、天丼てんや、シェーキーズ、シズラーなど外食事業。現在ではホテル事業、百貨店、高速道路パーキングエリアやコンベンションセンターなどのコントラクト事業が大きな柱となっています。ロイヤルグループは、創業以来60余年、食を通じて"品質"と"ホスピタリティ"を追求、グローバリズムが進み、日本の社会環境の変遷の中で常に新しい提案をしつつ成長を続けています。
ロイヤル株式会社はそのロイヤルグループの各営業拠点に対する外食インフラ機能(製造・購買・物流業務)を専門で担うために、2005年に設立されました。

eコマースのタイプ

  • BtoB(ecbeing基本パッケージ)

「ロイヤルオンラインショッピング」プロジェクトの軌跡

2013年10月
社内受注サイトのひとつが2014年末で契約終了となるため、これまで利用していた3つのシステムを統合、コスト削減、運用負荷削減の可能性を検討開始
2013年12月
クリスマスケーキ販売サイトの構築・運用を委託していたecbeing、他数社に見積もりを依頼
2014年1月
オリエンテーション実施
2014年2月
ecbeingに決定
2014年3月
プロジェクト キックオフ
要件定義開始
2014年5月
システム開発着手
2014年9月
「ロイヤルオンラインショッピング」リニューアルオープン

EC導入の背景

3つのサイト統合によるコスト&運用負荷削減

クリスマスケーキの受注販売は1969年から行っています。1983年には東京食品工場が建設され、生クリームを使ったケーキをラインで生産、冷凍で配送することが可能となり、社内のクリスマスケーキプロジェクトはますます大規模になっていきます。大量の受注と生産ライン、決済システム、配送を短期間に行うための現在の社内システムの基盤は年月をかけて構築されました。かつては、店舗経由でのお客様や取引先などの注文を受けていましたが、2008年には、オンラインショッピングサイトをたちあげ、より多くのお客様への販売がスタートしました。

千葉県船橋市 東京食品第一工場

9月の後半からのクリスマスケーキ製造スケジュールをどう組んでいくかというのは、難解なパズルを解くようなものです。生産されたケーキは一度、北海道、川崎、大阪、福岡の全国4拠点に保管され、12月21日から24日の間に物流センターに随時配送した後、お客様に届けられています。ロイヤルのクリスマスケーキ予約販売には、受注予測から製造ラインの確保、フルフィルメント、配送を見据えた決済システムが必須となります。

クリスマスケーキプロジェクトはロイヤルグループ全体での取組であるため、2008年に立ち上げたオンラインショッピングサイトによる一般のお客様への販売の他、ロイヤルホストをはじめグループ約800店舗での受注、またグループ従業員からのオーダーが入ります。クリスマスの他にも「お歳暮・お中元」ご家庭で楽しめるロイヤルホストのオリジナルメニューなどの「一般商品」も販売していますので、以下の図のように、商品、お客様、配送方法、決済方法が複数存在します。従来はこれを3つのシステムで運用・管理していました。管理サイトも個別です。このうちのひとつのシステムの期限が切れるということで、3システムを統合するプロジェクトがたちあがりました。

3システム統合のリニューアルプロジェクトの目的は、月々発生する運用コストの削減と3つの管理画面操作、マニュアル作成業務などの運用負荷の削減でした。

採用の決め手

ロイヤルの複雑な受発注業務に対応可能な基本パッケージの拡張性

既存の3つのサイトのうちのひとつ「クリスマスショッピングサイト」の構築・運用をecbeingさんにお願いしていたこともあって、今回の統合プロジェクトのご提案をいただくことにしました。複雑な受注管理システムだったため、ASPモデルは、今回は対象外。カスタマイズが可能なシステム会社を検討しました。目的のひとつは運用費のコスト削減でしたが、複数社の見積もりの段階で従来の月間運用費の35〜50%ほどに抑えられることがわかりました。その差額で開発費にも投資が可能となります。機能的にも販促に手を打てる仕組みの付加もできます。管理画面がひとつになり、運用負荷も削減しますので、これで本来のショッピングサイト運営の形ができるイメージがわきました。

価格面だけでなく、ロイヤルの複雑な受発注、発送業務に対応可能な基本パッケージの拡張性は、システム会社決定の際に重要な検討要素となりました。最終的に決め手になったのは、ecbeingさんの事前ヒアリングでのロイヤルの特殊な受注システムを理解しようとする取組姿勢と、既存のクリスマスショッピングサイトの運用・管理をお願いしている中での信頼感が大きかったです。

構築プロジェクト時の対応

要件定義の半分以上は複雑な運用フローの可視化

最初は現状の複雑な販売ルートのパターンをひとつひとつホワイトボードに書きながら、ecbeing開発担当の唐沢さんに、レクチャーをさせてもらいました。それをパワーポイントにまとめてもらって、認識を共有していきました。「クリスマスはこんなスキームがあります。」「宅配とか店舗渡しというのがありますよ。」「注文してくる人はお店とお客様と本部の人もいます。」「それによって購入方法も変わってきます。」とプロセス毎の説明が続きました。クリスマスが終わると「お中元・お歳暮」です。ひとつひとつディスカッションをして、想定される受注から発送にかかる全てのスキームのパターンを一覧にしていきました。要件定義の半分以上が現状運用フローの洗い出しでした。本当に大変でした(笑)。そして、これがなかったら次に進めなかったですね。受注時ではなく、店舗渡しの際の店舗払いなど決済方法にも、基本パターンに沿わないケースもたくさんありました。

複雑な運用フローの一部。ecbeingが山村さんのレクチャーをベースに可視化していった。

全ての運用パターンを詳細まで把握しているのは私(山村)だけでした。ecbeingさんとの共同作業で、長年かかってできあがった複雑なロイヤルの会計システムをやっと一覧で体系化することができました。私一人では総括した概念図はかけても、細かい事例までは全部ひろいきれなかったですね。現状の運用フローを8パターンに体系化して、今何が起きているかということを共有し、これを元に必須のものと削除可能なものの整理、要件定義に入っていきました。

統合の目的はコスト削減でもあるので、運用面でカバーできる部分は、運用負荷を考えながら開発要件からはずしてシンプルな形を目指しました。それでもecbeingさんの標準機能は非常に充実しているので、以前に比べて運用負荷はかなり低くなりました。なるべくカスタマイズを抑えて、コストダウンをしていただきました。旧システムでは、受注データをcsv化して自分のパソコンに落として、ファイル転送サービスにアップロード、その後自社工場や全国各地の産直品などの仕入れ先に送付していました。今回のシステムリニューアルによって、アクションボタンひとつで送付完了となるので作業時間も短縮され、ミスももちろん軽減しますし、以前利用していたファイル転送サービスの月額利用料も削減することができました。お客様が店舗で注文されて、店舗で受取、お支払いする「店頭払い」もecbeingの標準機能で処理ができました。注文時にはお店のクレジットで処理をして、お客様には店頭でお支払いいただくのですが、システム上は決済機能を通さない支払方法の選択をすればよいことがわかりました。受発注・発送業務を整理し、シンプルなシステムに落とし込んで行き、要件定義が進んでいきました。

ECオープン後の効果

売上は前年同月比220%、クーポンを利用されたお客様の販売単価は155%。

統合の目的はコスト削減でしたが、リニューアル直後9月の売上前年同月比は、220%です。9月は一般商品のみの売上なので、シンプルにECサイトとしての評価と受け止めています。クーポンも発行しました。クーポン利用率は全体の16%と決して高くなかったのですが、クーポンを利用したお客様の1件あたりの売上単価は利用されない方の155%と高いことがわかりました。会員登録誘因のためのクーポンでしたが、売上への貢献度も数字として出ましたので、今後は積極的に季節商品のキャンペーンにも利用しようと思います。また、昨年の同タイミングと比較すると、一般のお客様のクリスマスの注文件数は既に倍になっています。リニューアル後の初速には満足しています。

これから力を入れていきたいのは一般のお客様向けのEC売上アップです。リニューアルは、店舗を含む社内運用負荷削減の意味合いが強かったため、コスト削減も含めてシステム導入のソリューションとしては目標をクリアしています。今回残念ながら導入を見送ったCRMの機能も検討し、グループ唯一の通販事業を強くしていきたいですね。ロイヤルホストは、他のファミリーレストランと比較すると顧客単価が1.5倍ほどになります。商品開発、素材、調理法、サービスなど店舗に来店されて、お召し上がっていただくとその違いは感じていただけると自負していますが、サイトや、メルマガでどのように表現し、お伝えしていくか、そして差別化できるかについて、今回のリニューアルを機に取り組んでいきたいと思います。ecbeingさんは、サイト構築だけでなく、売るためのソリューションをたくさんお持ちなので、今後も一層深いおつきあいをお願いしたいと思っています。

取材後記

日本中の生クリームを集めて試食し、甘さとコクのバランスが一番よかった北海道産乳脂肪分45%の生クリームを採用。それだけではなく、スポンジは卵の本来の力で生地を膨らませるジェノワーズ生地にして、イチゴのソースも果肉を合わせてイチゴの食感を残して完成したのが「プレミアムホワイトスノー」だそうです。「僕らが一番大切だなと思っているのはバランスです。どれかひとつがよくてもそれだけが際立ってしまってバランスが悪い。全てをよくしました。」山村さんにクリスマスの商品開発ストーリーをうかがって、「日本で一番質の高い"食"&"ホスピタリティ"グループ」を目指すロイヤルグループのこだわりを実感しました。店舗でのお客様に対するホスピタリティをオンラインでのお客様に対しても展開できるようecbeingとしても、さらなるシステム強化と新しい御提案でお手伝いしていきたいと思います。

2014年おすすめのクリスマスケーキ
「プレミアムホワイトスノー」

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